空京

校長室

【十二星華&五精霊】サマーシーバケーション

リアクション公開中!

【十二星華&五精霊】サマーシーバケーション
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リアクション



●はじめに

 本リアクションは、だいたい以下のような構成になっています。
 目的のページを探す際の参考になれば幸いです。
 
 ……ただ、アクションの一部のみ採用されている場合がある(例:ビーチバレーの勝敗後の部分のみ)ので、必ずしも参考にならない場合がありますこと、ご了承願えればと思います。
 

 1ページ 〜3ページ  水上騎馬戦
 
 4ページ 〜7ページ  スイカ割り
 
 8ページ 〜13ページ ビーチバレー
 
 14ページ〜21ページ 海の家での一時
 
 22ページ〜23ページ 海での一時
 
 24ページ〜29ページ ロックフェス
 
 30ページ〜31ページ 宴会・打ち上げ・エピローグ

 
●ハプニング続きの水上騎馬戦、開幕!

「おーっとぉ!? 激しいぶつかり合いの末、片方の騎馬が大きく吹っ飛んだーっ!」
「す、凄い戦いだね……騎馬戦ってこんな激しいものだったんだ」
 ジョシュア・グリーン(じょしゅあ・ぐりーん)神尾 惣介(かみお・そうすけ)の実況の中繰り広げられる騎馬戦は、あちこちで騎馬が吹っ飛んだりする激しい戦いとなっていた。首にまいたスカーフを取り合うという、ちょっとえっちなハプニングを期待しているとしか思えないルールの中でも、十二星華と五精霊、そして契約者が行う騎馬戦は、一味も二味も違っていた。
「うひょー!! ティセラ選手と赫夜選手のポロリだー!!」
「え、ええっ!? ちょっとソースケ、嘘言っちゃダメだよっ」
「いや、こう言っとけば本当にポロリが起きる気がしねぇか!? 楽しみだなぁうへへ」
「もう……え、えっちな事はボク困っちゃうよ……」
 どこか期待感に満ちた表情を浮かべる惣介にツッコミを入れて、ジョシュアが少し恥ずかしそうな様子で騎馬戦の会場に目を向ける――。

 その騎馬戦の会場で一番に注目を浴びているのは、十二星華のリーダー、ティセラ・リーブラ(てぃせら・りーぶら)であった。
「お二人とも見事な身のこなしですわね。わたくしの出る幕がございませんわ」
「十二星華のティセラにそんな言葉をかけられるのは、まあ悪くないな。このまま勝利を頂いてしまおうか」
「そうですね。ティセラさんに買ってきてもらうジュースを勝利の美酒にするためにも」
 既に多くのスカーフを携えるティセラが、騎馬を務める葛葉 翔(くずのは・しょう)アリア・フォンブラウン(ありあ・ふぉんぶらうん)に労いの言葉をかける。最初は彼らも、マ・メール・ロアで殺し合いを演じた記憶が甦り気まずい雰囲気が漂ったものの、「じゃあ、後でジュースでも奢ってくれ。それでチャラだ」という翔の言葉で解消された。
 おそらく『パシリ』というものを経験したことがないティセラにとって翔の言葉は新鮮で、そしてそういう態度で接してきたことが単純に嬉しかったのだろう。

「大将を視界に捉えたわ!
 カオル騎、紅月騎、行くわよ!」


 そこへ、リフル陣営で猛威を振るっていた3騎の騎馬が、ティセラ陣営の大将であるティセラを目標に定め、縦一列に並んで猛然と突進を始める。
 先頭はルカルカ・ルー(るかるか・るー)を騎手とし、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が前、メシエ・ヒューヴェリアル(めしえ・ひゅーう゛ぇりある)が後ろの騎馬。
 その次に橘 カオル(たちばな・かおる)が騎手、マリーア・プフィルズィヒ(まりーあ・ぷふぃるずぃひ)ソフィア・クロケット(そふぃあ・くろけっと)が馬役の騎馬。
 殿を城 紅月(じょう・こうげつ)を騎手に、レオン・ラーセレナ(れおん・らーせれな)が前、強盗 ヘル(ごうとう・へる)が後ろの騎馬。
「敵は1騎、だが相手はあのティセラだ。3騎の連携を崩さず、確実に追い詰めるんだ」
 そして、会場の外からはルース・メルヴィン(るーす・めるう゛ぃん)が3騎の指揮を執り、エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)が3騎の援護として、加護の力を施したりそれまでの戦いで疲労した者には癒しの力を施したりしていた。
 このように3騎の連携と援護がうまく噛み合い、リフル陣営は3陣営の中で突出してポイントを稼いでいるのであった。

「ちっ、3対1では分が悪い……! ティセラ、ここは一旦退くことを提案するが」
「……ですが、ここで退くようでは大将を任された者としての責務が果たせませんわ」
「……そんなことを言うんじゃないかと思ってたさ。アリア、相手の動きに惑わされるなよ!」
「翔クンこそ!」
 数の不利に直面しつつも、退くことなく果敢に戦いを挑もうとする彼らの前に、2騎の影が滑り込む。

「流石、十二星華のリーダーは言うことが違ぇな!
 俺たちが力になってやんぜ!」


 泉 椿(いずみ・つばき)緋月・西園(ひづき・にしぞの)とが組む馬の上で腕組みをした格好の姫宮 和希(ひめみや・かずき)と、ガイウス・バーンハート(がいうす・ばーんはーと)ハーヴェイン・アウグスト(はーべいん・あうぐすと)とが組む馬に乗る比賀 一(ひが・はじめ)、ティセラ陣営でやはり猛威を振るっていた者たちがティセラの味方として参陣する。
 両陣営とも3騎の騎馬、そしてどちらからともなく戦闘の火蓋が切られる。

「女王の儀式に関われなかったおかげで、シャンバラはその半分を帝国にもぎ取られた!
 共に戦うことを約束した者たちに報いれなかった悔しさを、今ここで晴らす!」

「過ぎたことをいちいちうっせえなぁ! だったらあんたとその仲間だけでも行ってりゃよかっただろ!?
 それに、今はこうして仲良くやってんだ、こっからどうとでもなんだろが!」


 ルカルカ騎と和希騎が、互いに背負うものを賭けて激しくぶつかり合う。両陣営の精鋭、どちらも一歩も引かない。
「す、凄い戦いだ……」
「おかげで俺たち、引き離されてしまったな」
 それまで3騎は、ルースの指示の下まとまって行動していた。だがこの時は、ルカルカ騎が和希騎に結果として引きずり出され、連携が絶たれていた。
「だが、大物を目の前にして退くことなどあり得ん! 幸い相手は2騎の戦いに注意を惹かれている、俺たちがまさかこのタイミングで突撃してくるとは思わないだろう」
「……やるのか、アレを?」
「決まっているだろう? ハプニングは、自分で作るものだ」
「……分かった、オレがサポートに回ろう」
 紅月とカオルが何やら相談を交わした後、カオル騎が先頭、紅月騎がその後ろに続いて、ティセラ騎に突撃を図る。
「おっと、女二人に担がれていいご身分だなぁ! そんなんで俺たちの相手が務まるのか!?」
「あたしをちっこいからって舐めてると、痛い目見るよー!」
「女と思って甘く見ないことです!」
 カオル騎の女性2人の馬の機動力は、一騎のそれと引けを取らなかった。加護の力を受けていたこともあるが、マリーアとソフィアのポテンシャルが高かったことが要因としてあげられる。
「突撃だー!」
 そこを紅月騎が、味方を剥がされ孤立したティセラ騎へ猛然と突撃を敢行する。
(……よし、ここだ!)「悪ぃ! 手と足が滑った!」
 十分に距離が詰まったところで、後ろからヘルが紅月とレオンを思い切り突き飛ばす。
「俺の狙いはスカーフなどではない、おまえの乳だー!」
「な、何故私までっ!?」
 困惑するレオンを踏み台にして、紅月がティセラに『抱きついて、押し倒す!』を仕掛けるべく飛びつこうとする――。

「俺の目が黒い内は、ティセラに手は出させねーっ!」

 そこへ、横合いから『飛んできた』和希の飛び蹴りが炸裂し、紅月は海面を水切りのように数度バウンドして砂浜に打ち上げられる。ルカルカ騎と激闘を繰り広げていた和希は、ティセラの危機を感じ取るや否や椿と緋月を踏み台にして飛び、紅月を見事迎撃したのだった。
「流石ね……だけど、もう馬はないわよ!」
 ルカルカの指摘通り、和希の馬は既に崩れている。このまま退場か、そう思われた時、和希の視界に二人組の影が映る。
「生徒かいちょーさんよぉ、飛び入り参加で頼むよ!」
 藤沢 アキラ(ふじさわ・あきら)千歳 シゲル(ちとせ・しげる)とで作る馬が、飛んできた和希を見事受け止め、騎手として据える。
「へっ、いい所に居たぜ! 飛び入りだろうが新入りだろうが歓迎だ!」
「え〜! そんなのってアリなの!?」
「おまえらだって怪しげな術使ってんじゃねーか、なんでもアリなのは俺たちパラ実特権だぜ!?」
 確かに、会場の外から魔法で援護することも、指揮を執ることも、また、馬だけで参加することもダメとは言っていない。あるのはせいぜい、『負けた馬は一旦砂浜に上がらなくてはならない』くらいのもので、しかも砂浜に上がれば再度馬を組むことだって可能である。
 要するになんでもアリなのである。
「くっ、これで実質2対3……戦力比は2倍以上ね」
 歯噛みするルカルカの前で、再び腕を組んだ格好の和希が言い放つ。
「さあ、どうする? 逃げるってんなら追いはしねぇぜ」
「……冗談! ここまで来て、大将の御印を頂かずに帰れないわ!」
 ルカルカ騎とカオル騎が今度は横に並び、対して和希騎の横に一騎が並ぶ。
 もはや誰も立ち入ることの許されない、肌を差すような雰囲気に辺りが包まれる。

「……行くわよ!」
「行くぜぇ!」


 ルカルカ騎とカオル騎、和希騎と一騎が激しくぶつかり合う――。

「残念だったね、ティセラさん。まさかあんなことになるなんて思わなかったよ」
「そうですわね。……ですが、お二人のおかげで楽しめましたわ。ありがとうございます」
 スカーフを取られ、砂浜に戻ってきたティセラと翔、アリアが互いを労い合う。
 あの後、それぞれの騎手を飛ばし、騎馬同士の水中戦と騎手同士の空中戦の結果、和希をすり抜けたルカルカがティセラのスカーフを奪い取ることに成功するが、騎馬は全て崩れてしまっていたため、そのまま続行することは不可能となった。血気盛んな者たちは既に戦場に復帰し、戦果を重ねているようである。
「それじゃ、ジュースでも買ってきてもらうか。……あと、できれば俺たちを名前で呼んでくれると嬉しいかな」
 翔の言葉に、ティセラがくるりと振り向き、優雅さとはまた違った笑みを浮かべて口を開く。
「はい、翔さん、アリアさん」