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リアクション
エピメテウス迎撃 2
『右目を失っただけでは飽き足らないか。こちらゴスホーク、加勢する』
『私たちも砲撃支援で参加するですぅ』
イーダフェルトの護衛についていたゴスホークとアルシェリアが攻撃に加わる。
更に天貴 彩羽(あまむち・あやは)とスベシア・エリシクス(すべしあ・えりしくす)が操縦するマスティマも参加し、エピメテウスを攻め立てる。
「よーし! 各イコンが善戦してるんだ! 私たちも働かないとね! V−LWS展開後、エナジーバストも展開して!」
それに乗じるかのようにヴァ―ミリオンに乗る十七夜 リオ(かなき・りお)とフェルクレールト・フリューゲル(ふぇるくれーると・ふりゅーげる)が奥の手を準備をする。
「各僚機戦艦へ、荷電粒子砲を同時に敵の左肩の間接部分へ撃ち込んでください。……しかし、少々無茶が過ぎます」
「何言ってんの! 思いついたら即実行! それじゃいつも通りに……フェルッ! 無理せず無茶していくよ!」
同時に覚醒を果たして全ての準備を整えるリオ。
「了解。……粒子砲、来ます」
フェルクレールトの言う通り、僚機戦艦から荷電粒子砲が発射される。上下左右に一発ずつ、その中心にヴァーミリオンを配置。
四方向からくる粒子砲の端に、V−LWSで形成したシールドがギリギリ当たる程度に配置し、中心に渦巻くエネルギーとシールドにて捉え、加速する。
「ぐ、ぐぐぐ……こりゃきつい……覚醒ありきのちょん当てだから、ギリギリもつのかな……! けど出来ない事もないってことだ!」
「エピメテウスに接近。既に粒子砲は左肩に着弾してると思われ、ます。一点突破、スパイラルバースト、ぶちかまします」
「うん! このまま体当たるっ! いっけー!」
加速を極めたヴァ―ミリオンはそのままエピメテウスへと体当たりをぶちかます。
『がああっ!?』
強靭な肉体を誇るエピメテウスもこの攻撃には耐え切れず、よろけて手を離し、左肩を右手で押さえる。
「時は来た。出るぞ!」
「あいよ!」
それを見ていた桐ヶ谷 煉(きりがや・れん)とエヴァ・ヴォルテール(えう゛ぁ・う゛ぉるてーる)が遂に動く。愛機レーヴァテインは一直線にエピメテウスへと向かう。
「随分と硬いようだが、斬れないわけではない……ならば斬らせてもらうぞ」
今やレーヴァテインを邪魔するものは何もない。煉はヴィサルガ・プラナヴァハを発動させ、その身に更なる力を宿す。
レーヴァテインの持つ神武刀・布都御霊を超大型剣へと形状変化させ、その柄を両手で強く握り締める。
『蝿ごときが、うるさいぞ!!』
右手で拳を作りレーヴァテインに向って突き出すエピメテウス。だが、次の瞬間に自分の右手首が切断されかかっていることに気づく。
『ぐぐうっ! 先ほど、俺の右目を貫いた技か!』
「どんな巨大な敵が立ち塞がろうとも……俺の剣で、未来を切り開いてみせる!」
エピメテウスの顔まで肉薄したレーヴァテインは、神武刀・布都御霊にて皮膚を斬り、肉へめり込む。
「限界を越えろ、レーヴァテイン!」
そのまま機体をまっすぐ降下させ、エピメテウスを切り裂く。
『お、おおお、おおおおお?!』
レーヴァテインによる痛烈な縦一閃にその身を裂かれ、痛みと共に動揺し後ずさるエピメテウス。
「やっと追いついた。派手にやられているようだな?」
ドスン――――
『ぐ、があああ、ああああああっっ!? 右手がああああ!』
後ずさった先にはゾディアックが。そのまま切断しかかった右手首に一撃を見舞れ、エピメテウスの右手が斬り落とした。