リアクション
「あ、ああっ。くる、くる、っ……」 * 更に、丘陵の下、本陣後背の森でも、依然、激戦が繰り広げられていた。 「ガハハハハ!! 元気か、ガキども!!」 「おっさんこそ……元気だよね」 久多は、ボロボロになりながら、弾切れになったアサルトカービンで、オークの頭を打ち続けていた。 「ガハハハ……さあ、ガキども……戦は引き際も大事だぜ」 急に真面目になって、カイルは言った。 「お、おっさん、だいじょうぶか?」 「ここは俺が引き受けた。行きな、ガキども」 「よしわかった。じゃあてめえら、」 ガッガッ、橘が、鮮やかな木刀さばきで、後ろに回りこんでいたオークを討つ。 「どきな! マリーア! 早く、アメリアさんも」 「私は大丈夫!」アメリアは、盾でオークの攻勢を防いでいる。 「お嬢さん方は、先へ! おいにゃんこも逃げな?」 「コルァ!」「コルァ!」「コルァ久多! レベルが低い奴が先逃げニャ!!」 「……なんでこのにゃんここんなにかわいくねえんだ」 * 森。 ここでも、にゃんこ兵を率いて戦う、黒乃、比島らに、限界が近付いていた。 「はっ! はっ!」サイモン・アームストロングは、ドラゴンアーツで、まじめに、オークを討ち取り続けている。 その周りでは…… 「逆ヴィの字でござるニャ!」「逆ヴィの字でござるニャ!」 「にゃんこの統率全く執れてないし……」 ここには、あれからナイトのユウ・ルクセンベールと、ルミナ・ヴァルキリーが援護に駆けつけている。 二人は共に、バーストダッシュで、高速の戦闘を繰り広げる。 増えつづける、オークの群勢。 「こ、ここまででありますか」 「ぶんた〜い! 後ろへっ!! ……たいきゃ〜〜く」 「ぶんた〜〜い、退却でござる〜〜、退却でござーる〜〜」 「逆ヴィの字でござるニャ!」「逆ヴィの字でござるニャ!」 * 「……ん? 今のは……上官ど、いや騎鈴教官、丘陵の上に敵が見えたようだ……指示を頼む」 「ああんっ、きた、きた、っ……!!」 「少し、心配です……」 グレンと顔を見合わせる、ソニア。 次の瞬間。 東西南北より、本陣に押し寄せる、オークの群れ群れ群れ。 「オォォォォォォォォォク!!!!」 騎鈴はナギナタを、ずっと持っていた。このときのために。 丘陵の上からは、マリー&カナリーに、黒炎が、オークに追われて駆け下りてくる。「騎鈴ちゃん、やはりわての予想通りでアリマス!!」 後背からは、ドラゴンアーツで黒乃と比島とフランソワを抱えたサイモンを先頭に、ユウ、ルミナがにゃんこを守って、駆けてくる。それに続くオーク兵。 東からは、橘、マリーア、高月、アメリア、久多&にゃんこ! オークと一緒に、カイルも走ってくる。 西からは、ラブリーアイちゃんが、オークを率いて突っ込んでくる。それを追うシャンバラン。グラン。相良。 「オォォォォォォォォォク!!!!」 「……失せろ! その下品な口……黙らせる」グレンは銃を抜き放つ。 「グレンは私が守り通します、絶対!」その前に立つ、ソニア。 リースは、スコップを構えた! 戦部は、アサルトカービンを、ぶっつけるように撃ちまくる覚悟はできていた。 8‐03 鉱山 暗い暗い坑道を進む、沙鈴と綺羅。 カツン、カツン、…… どこまで、続くのだろう。 とても、静かだ。 …… 「はっ。だ、誰……?」 「機晶石はあたし達のもの……」 「誰にも渡さないよ!」 不意に、坑道の天井に光る、四つの眼。そして、牙。 襲いかかってきた。 「吸血鬼……?」 が、それはすぐ、闇の奥へと消えていった。 「沙、沙鈴さん〜〜……」 「……まだ、もう少し、進んでみましょうか……」 * …… カツン、カツン、…… どこまで、続くのだろう。 とても、静かだ。 …… * そして、二人が見たものは…… 晧晧と灯かりに照らされ、視界の開けた巨大な穴の中で、鉱山を掘り続けているオーク達であった。 その何百というオークの所々に見える、仮面とフロシキに身を包んだ魔術師らしき者達の姿。 8‐04 クルード・フォルスマイヤーとオーク八人衆 「クルードォォ、フォルスマイヤァァァァ!! ココ迄ダハァァァァ!! 我等、オーク八人衆ガ来タカラニワ、クルードォォ、貴様乃命モコレ迄ョ。覚悟ワイイナ?」 敵は確かに八人。何れも、めいめいが強力な武器を持ち構えている。 「ヒュヵァァァ」 「シュゴォォォ」 「ドゥワラャャャ」 斬馬刀に斬羽刀、斬婆刀などを手にしたオーク強豪。クルードにとって、今、最強?の敵が立ち塞がった。 ざっ ざっ クルードを取り囲み、間合いを縮めて来る、オークの目にいやらしい光がよぎる。 「クルードワコノ場デ斬リ殺ス。……傍ラノ嫁ワ、ヒャハヤ、巣ニ持チ帰ッテ慰ミモノダ!! ヒャッハァァァ」 オークどもの、下品な笑い。一瞬だった――「駿狼!」 クルードの姿がふっと消えたように見えたとき、 「ガッ」 「ギャ」 「ドゥワラャャャ」 八人衆が次々と倒れていく。 「……爪狼連牙斬! ……よし……次へ行くぞ! ユニ」 クルードは、ユニを抱え、すでに血にそまりゆくオークの死骸を後にしていた。 「はい! クルードさん!」 ……もっと強いやつ……もっと強いやつはいないのか…!! ……俺は必ずそいつを探し、倒してみせる…… * ぽかぽか温泉であったまろーね♪♪♪ さて温泉。 ようやく、たどり着いた宇都宮が、温泉の調査を開始していた。 「お姉さま……どうして、浴衣に……?」 「だって……温泉と言えば、浴衣じゃない。ビバノンノン♪」 ハッ。誰かいる…… お湯に、プカーリと浮いているのは……ネ、ネイト・フェザー! のぼせてしまったのかしら。ど、どうしよう。また介抱してさしあげようかしら。で、でも裸だし…… そこへ、ザバー――と立ち現れたのは、「………………キングさんご機嫌いかが?」 |
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