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デーモン氾濫!?

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デーモン氾濫!?

リアクション

 時はまた、アキバ分校の3階に戻る。
  国頭 武尊(くにがみ・たける)はトレジャーセンスを使い、お宝探しにいそしんでいた。武尊はたまたま、アキバ分校前をバイクで通りがかったところ、騒ぎが起きていたのだ。すわ、お宝ゲットのチャンスとばかりに火事場泥棒に夢中である。
「悪魔が出たとか騒いでるが、『渡る世間は悪魔ばかり』っていうじゃねえか。こまけぇこたぁいいんだよ!! 南無八幡大菩薩!! お、『トレジャーセンス』がぐいぐい反応してやがるぜ。とっとっとっと、どんどん上がっていくなあ。3階か…お宝とバカは高いところが好き? くくく、楽しみだぜ、悪魔を閉じ込めた記憶媒体だったら、高く売れそうだ」
 3階への階段を駆け上がろうとしたところ、生徒の一人が苦しんでいるのが見えたが、それもお構いなしでどんどん上がっていく。 その次の瞬間だった。暗闇から赤く光る目がギラリ、と武尊を睨み付ける。
「う…な、なんだ…!?」
 体の中の血が沸騰するような感覚に襲われると、武尊は苦しみだした。そして先ほどの生徒、すなわち、永太と同様に階段を転がり落ちると、全身を痙攣させて苦しみ始めた。
「どうしたの!?」
 体内の血をワインに変化させられ苦しむ永太と武尊を、メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)セシリア・ライト(せしりあ・らいと)が助け起こす。
「サガンに、悪魔ににらまれた…」
 永太の言葉を聞くと、武尊は自分もサガンに睨まれたことにその時、初めて気がつく。
「うう、やっぱりこの世は悪魔で溢れてやがるぜ…」
「なんてこと!? では、体内の血がワインになってしまったのですわね…おかわいそうに…気を確かに持って」
 フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)が苦しむ永太の手を取り、必死で励ます。メイベルも武尊の背をさすってやる。
 永太と武尊の姿を見て、まだ取り残されていた一般生徒たちが悲鳴をあげる。
「みんな、落ち着いて!」
「メイベル、僕がこの人たちを介抱するから、みんなを冷静に屋外に避難させて!」
 セシリアの言葉に、メイベルはうなずく。
「サガンが近づいてきたら危ないですぅ。ゆっくりでいいから、この二人も連れて逃げましょう…でも、私たちには男の人二人は重いですぅ」
「君たちには荷が重いでしょう。俺に任せてください」
 橘 恭司(たちばな・きょうじ)が永太をさっと抱えあげると、肩に乗せてしまう。武尊は役得か、メイベルたち女性陣に抱えられた。
「あ、ありがとうございますぅ」
「力ある者が力なき者を守るのは当然のことです。生徒のみんな、落ち着きなさい。ゆっくりと階段を下りるんです」
 恭司の堂々とした雰囲気がその場の浮き足だった空気を落ち着かせた。
 メイベルにセシリア、それにフィリッパがインプの出現を警戒しながらも、生徒を誘導する。
 
 サガンの最初の被害者が出た、その一報は涼司たちにももたらされる。
「くそ、あと10分で片をつけるしかない!」


「魔法デジタル化…なんとすばらしい! 早く犯人を捕まえてこの騒ぎを収めなければ…開発がストップされては困ります。それに悪魔を呼び出すだなんて、とんでもないことを考える奴がいるものですね…ゆるせません。必ず確保してみせます」
 美しきマッドサイエンティスト、島村 幸(しまむら・さち)は科学に対する熱い想いと、科学を冒涜しようとする者に対する怒りで3階に向かっていた。3階に上がると隠れ身を使い、そっと抜き足差し足で1つずつ部屋を見て回る。
「悪魔を学び舎で呼び出すなんて、今時のヤツは何を考えているのかさっぱりわからないなー。でもまぁ、このまま死なれたんじゃ目覚めが悪いしな…って、別にお前のためじゃないからなっ、幸!」
 元は名医の英霊、しかし見た目は少年のアスクレピオス・ケイロン(あすくれぴおす・けいろん)は、幸のフォローにあたる。
「3階にはパソコンルームがあります。さきほど、サガンににらまれた生徒も居るということでしたから、3階に犯人やサガンがいるのは確実…気をつけていきましょう、ピオス先生…」
「おっと、そうはいかないみたいだぜ、幸! さっそくインプのお出ましだ!」
 わらわらとインプが次から次へと沸いて出てくる。
「ほら出番だぞ、細まいのー。さっさと出てこいー!」
 アスクレピオスは小人の小鞄から次々小人を繰り出しては敵の動きを妨害させ、幸のサポートに当たった。
 幸も雷術を繰り出しながら、インプを次々に倒していく。
「助太刀するぜ!」
 そこに取り残された生徒達の探索に当たっていたデゼル・レイナード(でぜる・れいなーど)ルケト・ツーレ(るけと・つーれ)ルー・ラウファーダ(るー・らうふぁーだ)が駆け寄ってくる。
「助かります!」
「るー☆ いけにえ! いけにえ! るーちゃん おしごと たのしい!」
 ルーがランスでインプを潰していく。
「あんたたち、蒼空学園の生徒なんだろ?この先にはなにがあるんだ」
 デゼルの言葉に、幸が応える。
「パソコンルームです。おそらくそこにサガンとこの悪魔召還プログラムを発動させた犯人がいると思われます…それに3階に一般生徒が残っているとは考えにくいので」
「とは言え、その可能性もなきにしもあらずなんだろ?」
「確かに」
「じゃあオレたちは生徒たちがいないか、教室をチェックして回る。パソコンルームも気になるしな…」
「女子生徒が動けないとか言うときは、オレに任せろよ…くっ一応、女だからな」
 ルケトの言葉に一瞬、幸はきょとんとして質問する。
「あなた『も』女性なのですか?」
「オレは…女だぁぁぁぁっっ!!」
 ルケトが叫んだ。
 と、一瞬インプたちの群れがざわめき、パソコンルームの方からただならぬ姿をした生物が現れた。
「…サガン!」
「ついに悪魔のおでましかい」
 幸とデゼルが身震いをするほど、その姿は禍々しく圧倒的なオーラを放っている。
「睨まれたら終わりだ!」 
 デゼルの言葉に幸は隠れ身を使い、他の面々は教室内に逃げ込み、遮蔽物で自分の体をサガンから隠した。
 
 その時、弐識 太郎(にしき・たろう)がサガンの前に立ちふさがった。
「血をワインに変える…いいだろう、面白い。自慢じゃないが、俺は目つきの悪さで昔からあらぬ難癖を吹っかけられてきた。ガン飛ばしでは一度も負けたことはない…! だったら俺は、敢えてこいつの前に立ち塞がって睨まれてやる。そして睨み返してやる。目をそらしたほうが負けだ! 俺の血は睨み始めた時からワインに変わるだろう…! しかし『女王の加護』を発動しておく! 『血がちょっとワイン風味』『ワインはワタシの体から出てくるの』程度で済むかもしれんしな…ってうわあああ〜すっげえ苦しい!! ダメダメ、ちょいもうダメ…!!」
 サガンとガンを飛ばし合った瞬間、太郎の血はワインに変えられてしまい、激しく苦しみ出す。しかし、さすがにガン飛ばしに自信がある男。サガンから目を離すことはなかった。
「…おろかな。たとえ『女王の加護』を使ったとして、おぬしの血は10割ワインが9割ワインに変わる程度の違いしかないのじゃ。しかし、いい目をしておるのは認めてやろう、ガハハハ」 
 そこにリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)が、パートナーの天夜見 ルナミネス(あまよみ・るなみねす)を盾にし、ドラゴンアーツで顔面ラッシュを繰り出す。
「ルナは機晶姫! 血がないから、ワインになることはないわよね!」