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バーサーカーとミノタウロスの迷宮

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バーサーカーとミノタウロスの迷宮

リアクション

終章 



 ミノタウロス戦参加者の一部にあった焼肉大会は、ご破算になった。
 体中が鉛玉まみれとなっており、到底食用に供しえなくなったからだ。
 武尊、カイル、剛太郎は、焼肉希望者らから非難されたが、無視した。
「……くそ。結局実入りは何も無しかよ?」
 吐き捨てるカイルに、「そんなことはないですよ」とコンラッドは言葉をかけた。
「あんな相手と戦って、ちゃんと生きている。一番の報酬じゃないですか?」
(つくづくおめでてぇオッサンだ)
 カイルは内心でそう思った。

 ゲシュタールと合流したジャッジラッドは、しばらく後にバーサーカーもミノタウロスも撃退された事を他人から聞いた。驚くべき事に、死人は誰も出なかったという。
「なぁ、ジャッジラッド? お前、さっき何か言ってたよなぁ? 帰還できるのが誰だって?」
 が、相棒からの軽口にジャッジラッドは取り合わない。
 彼は、目前に続いている通路を見据えた。この向こうのどこかに、自分のささやかな面子を立ててくれたヤツがいるはずだ。
(受けた恩は返す――だから、それまで死ぬなよ)
 彼は心でそう告げた。

 ――もうひとりのバーサーカーについても触れておくべきだろう。
 レイナが意識を取り戻した時、「お目覚めですか」と訊ねてきたのはルイ・フリードだった。
 ぼんやりとした頭で、彼女は自分に何が起きたのかを思い出そうとした。
 ――確か、ひとりで迷宮をうろついてて、何か罠にはまったのだ。
(その時、何だかイライラして、すごい腹が立って……あ――)
 思い当たった。どうやら自分はまた何かやらかしたようだ。
 目の前にいる暑苦しい男には見覚えがあるが……彼にも色々とやらかしているのだろうか?
 ルイは咳払いをして、重々しい口調でレイナに切り出した。
「レイナさん、ひとつ訊ねたい事があるのですが」
「……なんでしょう?」
「出口がどちらだか分かりますか?」




 そして。
 マリエルの膝の上で眠っていた愛美は、うっすらと眼を開けた。
 ――ああ、おはよう、マリエル。
 ――おはよ〜、マナ〜。気分はどう〜?
 ――何だかね、すごく疲れてる。
 ――だろうね〜ぇ。
 ――あのねぇ、すごく怖い夢見たの。マナミンがねぇ、オバケになって、周りの人達に襲いかかるの。
 ――うん。それは夢だよぉ。悪い夢だったんだよぉ、きっと。
 ――でも、ステキなところもあってね。
 ――どんな?
 ――周りの人達がね、襲われてるのに、必死になって私を助けようとしてくれてるの。私の運命の人って、ひょっとしたらあの中にいるのかな、って思ったんだ。
 ――うん。そうかも知れないねぇ。
 ――……すごく眠い。マリエル、私、もうちょっと眠っててもいい?
 ――いいよぉ? 私がちゃんと、ついててあげるから。
 愛美は再び眼を閉じて、寝息を立て始めた。

 傍らにいた未沙は、溜息をついて立ち上がった。
(マナ、私の方に気付いてもくれなかったなぁ……)
 胸の奥に湧き起こりかけたものを、少し苦労して飲み下した。
 でも、まぁ――マリエルの膝の上の寝顔は無防備で、とても幸せそうに見える。
(……この寝顔見れただけで、良しとしますか)

担当マスターより

▼担当マスター

瑞山 真茂

▼マスターコメント

 初めてマスターをさせていただきました瑞山真茂と申します。
 クリエイティブRPGのマスターは生まれて初めてで、書き方も情報の調べ方もよく分からず、運営様に大きな迷惑をかけてしまいました。
 また、本シナリオは「冒険もの」となっておりますが、振り返ってみると戦闘シーンしかなくて、「バトルもの」と言うのが正しいのでは、と反省しております。


 右も左も分からず、ジタバタしながらのマスタリングでしたので、参加プレイヤー各位には色々と感じる所もあるかと思います。精進して参りますので、どうかご容赦頂けますよう、平に平にお願いする次第です。

 もしまた、次の機会が有れば、この経験を活かしてよりよいマスタリングができればと思います。

 どうもありがとうございました。


▼マスター個別コメント