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【海を支配する水竜王】捕らわれた水竜の居場所を調べよ

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【海を支配する水竜王】捕らわれた水竜の居場所を調べよ

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第10章 水竜の居場所を探せ

 地下8階に来たルカルカ・ルー(るかるか・るー)たちは、さらに地下へ向かおうとベルトコンベアに飛び乗る。
「あともうすぐで、またレバーの切り替えポイントよ」
「もちっと仲間と上げるべきモンがあんじゃねーの?ラルク、お前荷物決定な」
 カルキノス・シュトロエンデ(かるきのす・しゅとろえんで)は笑いながらそう言い、ラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)を背負っている。
「悪いな」
「まぁっ、こればかりは仕方ないからな」
「切り替えたわ、カルキノス!」
「ほら手出しな」
 レバーを切り替えたルカルカの手を取り引っ張る。
 トスンッと無事にベルトコンベアの上へ降りる。
「歯車に矢尻を噛ませ停止させようと思ったけど無理みたいね」
 後から通る人のためにやろうとしたが失敗してしまった。
「そんなことしたら、異変に気づいた兵が来てしまうけどな」
 ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)がボソリと言う。
「そっ、それを早く言ってよ!」
「あまりも頑張っているから、言うに言えなくてな」
「安全策を取るなら妙な細工はしないほうがいいかもしれないぞ」
 夏侯 淵(かこう・えん)はレバーを操作しながら注意する。
「うーん・・・それもそうね」
 彼女はしぶしぶ頷いた。
「ダリル、お前も三つ編みにすればよいのだ」
 まだカルキノスにからかわれたのを根に持ち、淵はダリルに八つ当たり気味に言う。
「上着の下に入れて動くから問題ない。淵、注意を怠るな」
「了ー解。(お前、ちゃんと感情ある?沈着冷静なのには助かっておるが・・・)」 
 言葉で軽くかわされてしまい、眉を潜める。
「よしっ、到着したわ!」
 ルカルカは足場に飛び乗り、階段の前へたどりつく。
「さって・・・いよいよ深い階層まで来たな」
 運んでもらったラルクが、ようやくカルキノスの背から降りる。
「次は地下9階だったな?」
「そうね」
 どこまで進んだか確認するように言うカルキノスに、ルカルカは軽く頷き、仲間と共に階段を降りる。



「また水路ね・・・」
「超感覚でも相手の位置を探知しづらい、嫌な場所だな」
 ラルクは水路を流れる激流を睨む。
 水の影響で相手の匂いも消えてしまうことがある。
 加えて水が流れる音、彼らにとってかなり悪条件なのだ。
「そういやぁ、この雷の玉の使用方法も探さないとな」
「かなりの電力がありそうだから、それに関係する場所で使うのかもしれないわ」
「ちょっと待て、向こうにゴースト兵がいるぞ」
 通路を進もうとしたルカルカがラルクに止められる。
「何か話しているみたいね」
「俺が近くまで行って聞いてくる。ルカルカたちはここで待ってろ」
 慎重に忍び寄り、樽の陰に身を潜める。
「(何を話しているんだ?)」
 超感覚で聞き取ろうと耳を済ませる。
「最下層は異常ないか?」
「あぁ、今のところは」
「気をつけろよ。水竜を助けようとしている連中が、施設内にかなり入り込んでいるからな」
「(最下層・・・?そこにいるのか・・・)」
 兵たちの会話を聞き、もしかしたら水竜はそこにいるのでは、と思った。
「じゃあ持ち場に戻るか」
「(ありゃっ、もう会話終了か?早ぇえっての、もっと何か話せよ!)」
 心の中でそう苦情を言うが、彼らは各持ち場へ戻ってしまった。
「とりあえず聞いたことをルカルカたちに話しておくか」
 聞いた情報を仲間に話そうと戻る。
「どうだった?」
「兵のやつら、最下層を厳重に警戒しているようだったぜ。水竜はそこにいる確立が高いな」
「なるほどね・・・。ここからはちょっと別れて行動しよう」
 彼の言葉に頷き、別れて情報を得ようと言う。
「いい?2人か3人で動くこと。絶対1人にならない。その上で他の仲間も常に視界に入れておくのが基本よ」
「30分経ったらいったんここへ集合しようぜ。あまり離れ過ぎると何かあった時、互いに助けにいけないからな」
「そうね、分かったわ」
 ルカルカたちは情報集めようと別れた。



「この水路も一応電力よね?」
 電力で動いているのか、ルカルカは水を見つめて確認する。
「ポンプで止めたり出来るようだが電力だな」
「と・・・いうことはこれもかしら」
 雷の玉はどこかで電力を供給するために使うのか首を傾げる。
「もし地下で使うなら、水竜がいる場所の近く・・・それか閉じ込めいる場所を開けるために必要なんだろう」
「もっと進まなきゃいけないのね」
「最下層を兵たちが警戒しているということは、そこにいると考えられるな」
「そっかー・・・」
 ダリルの言葉になるほどと頷く。
「そろそろ30分経つわね、戻ろう」
 ラルクたちと合流しようと、ルカルカとダリルは決めていた集合場所に戻る。



「あいつら・・・上じゃなく、地下の方に向かっているようだが」
「そこに重要なもんがあるんじゃないか?」
 隠れながら兵の行動を見ているラルクに、カルキノスが小声で言う。
「探してるもんが全部地下にあるわけじゃないだろうが。地下で魔力を集めているなら水竜がいるかもな」
「ふむ・・・このまま進んでよさそうなのだな」
 合流地点に戻りながら淵が言う。
「何か分かった?」
「あいつらの行動を見ていたんだが、侵入者を警戒して地下へ向かっているようだぜ」
 ルカルカに聞かれ、ラルクは兵の行動について話す。
「運搬場管理室や資料室が上の階層にあるようだし、地上階のフロアで水竜を開放するためのパスワードが必要なのかもしれないわよ?」
 地上と地下で協力し合わないと、解決出来ないのではと考える。
「次の行動に備えて休息をとっておいたほうがいいわね」
 すぐに動けるように、地下9階の廃材部屋に入る。
 交代で休息を取りながら、いつでも動けるように備えた。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

集めて知った情報は、PC個々のものです。
パスワードのヒントなどもリアクション内にありますので、よくお読みいただくと分かるかもしれません。
さて、今回も数名ほど捕まってしまったようです。

・お捕まりになった方々

ユリウス プッロ
ウィルヘルミーナ・アイヴァンホー
風森 巽 (重症)
ティア・ユースティ (重症)

(敬称略)

前回、捕まった方々のお名前は表示しておりませんが、まだ捕まったままです。


一部の方に称号をお送りさせていただきました。
それではまた次回、シナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。


【2010.4.9:修正させていだきました】
口調の修正をいたしました。
修正箇所はリアクション8ページ目、第8章になります。