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バーゲンセールを死守せよ!!

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バーゲンセールを死守せよ!!

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宴の後

「乾杯ー!」
 デパートの屋上では、警備たちによる打ち上げが行なわれていた。
 ちょっとした立食パーティ。
 その中で、るるはせっせと、猫カレーをお皿に持っていた。
 その作業も、手馴れているようだった。
「猫カレーの商品化かぁ……。まさか本当になるなんてね」
 ミケを見下ろするる。
「なー」
 ミケも嬉しそうに鳴いたのだった。

 屋上のフェンスに背中を預けている夢野久。
 頭や、腕、首などには包帯が巻いてある。
 同様に、隣にいる片良木冬哉も包帯だらけだった。
「……世の中には、まだまだ未知な部分があるもんだな」
 ふと、久がぽつりとつぶやいた。
「ああ、そうだな」
 冬弥は、持っていたコーヒーを口に含む。
 切った口の中にしみたのか、冬弥は僅かに顔をしかめた。
「日々の、何気ない生活の中に、本当の脅威と言うものが潜んでたなんてな」
「全くだ……」
「戦闘や、喧嘩の方がよっぽど気が楽だぜ」
「同感だ」
 久と冬弥は、顔を合わせて、苦笑いを浮かべた。


「それでは、報酬ともらうとするかのう」
 イーハブが、梅琳に期待を込めた眼差しで言ってくる。
「そうだったわね」
 梅琳は、ポケットから新品のパンティとブラを出して、イーハブに渡す。
「!? な、なんじゃ、これは!」
「見ての通り、報酬だけど?」
「こんなのは、意味がないんじゃ。ちゃんと使用済みのをよこさんか!」
「使用済みなんて、一言も言ってないわ」
「さ、詐欺じゃぁぁぁー」
「手伝った報酬は渡したわ。次に、スパイをした御礼をしないとね」
 ズズイっと、イーハブに迫る梅琳。
「簀巻きにされて、川に流されるのと、コンクリートに詰められて、海に落とされるのとどっちがいいのかしら?」
「どっちも、たいして変わらんわいっ!」
「屋上から、地上に向って飛び込み練習というのもあるわ」
「それは、練習とは言わん! 一発勝負の本番ではないか!」
「一人ロシアンルーレットというのも、考えてあげるわ」
「ただの自殺じゃ!」
「ま、ゆっくり考えるといいわ」
 パチンと指を鳴らすと、敬礼した大岡永谷が現れる。
「このおじいさんの処置は任せるわ。あ、ちゃんと、『生れてきてごめんなさい』って言うまでは、楽にさせてはダメよ」
 こくりと頷き、イーハブを連行していく永谷。
「今日は徹夜だぜ」
 ニッと笑う永谷。
「え? トトは、どうしてそんなに嬉しそうなの?」
 若干引き気味の熊猫福。
「とと殿は、まだ子どもゆえに、発想力豊かでござるからなあ。どんな拷問方法を思いつくか、楽しみでござる」
「ちょっと、せいせいも、なに怖いこと言ってるの?」
 世要動静の発言にも、ビクビクする熊猫福。
「はい、はーい。詩穂も手伝うよ」
 騎沙良詩穂が、手を上げて走ってくる。
「今日は、美女に囲まれて朝を迎えるんじゃな。興奮するわい」
 捕まっているイーハブは、どこまでもドMのようだった。

 梅琳は、打ち上げをしている生徒たちを見て、微笑む。
「みんな、お疲れだったわね」

 多少、混乱はあったものの、バーゲンは成功を収めたのだった。

 おわり。

担当マスターより

▼担当マスター

柳橋克哉

▼マスターコメント

 遅くなって、大変申し訳ありませんでした。
 あと、シナリオに参加してくださった皆様、また、リアクションを読んでくださった皆様、ありがとうございます。
 今回のシナリオを担当させてもらった、柳橋克哉です。
 今回もキャラクターの登場をばらしてます。何とか、見つけ出してください。
 今回のシナリオは、ちょっと特殊だったような気がしますが、皆様の面白いリアクションで、楽しく書くことができました。
 あと、自分は前回のシナリオで登場した、イーハブが思いの他、気に入ってたようです。
 友情出演ということで出てもらったしだいです。
 また、シナリオを担当することがあれば、参加よろしくお願いします。