天御柱学院へ

蒼空学園

校長室

イルミンスール魔法学校へ

【2020年】ハロウィン・パティシエコンテスト

リアクション公開中!

【2020年】ハロウィン・パティシエコンテスト

リアクション


第1章 勝利を目指す準備

 10月30日はハロウィン。
 この日は“お菓子をくれないといたずらしちゃうぞぉ〜”、っともらい歩く日だ。
「31日がハロウィンですけど、30日もハロウィンなんですよぉー♪」
 一部の者やエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)たちにとっては2日間あるのだ。
「もらいに行くだけだと何か物足りないですねぇ。そうですっ、学校に生徒たちを呼んでNumber1称号をかけてお菓子を作ってもらうですぅ!」
 ただお菓子をもらうだけではものたりない彼女は、イルミンスール魔法学校でパティシエコンテストを開催することにしました。
「他の学校の生徒も可能にしておくのじゃぞ!作る側に参加する者は、仮装をちゃんとしてもらわないとのぅ。早くネットに掲載するのじゃ、エリザベート」
 この機会にたらふく食べようとアーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)は、学校のインターネットサイトに告知するようエリザベートに言う。
「参加するのは仮装用の服を用意しないといけませんね」
 サイトを見た神代 明日香(かみしろ・あすか)は仮装用の服を用意しようと家庭科室へ行く。
「明日香も出るんですかぁ?頑張ってくださいねぇ♪」
「はい!楽しみにしててくださいね」
 廊下を通りがかったエリザベートに声をかけられ、彼女のやる気は200%も上がり衣装を作りに向かう。
 一方、百合園女学院の校長室でサイトの告知を見た桜井 静香(さくらい・しずか)は、手作りのお菓子を目の前で作ってもらえるなら試食しに行こうかと考えている。
「へぇー、パティシエコンテストを開くみたいだね。目の前で作ってもらえるっていいなぁ」
「美しいお菓子を見れられそうですわね。わたくしは行きますけど、静香さんは行かないんですの?」
 仮装の衣装を選びながらラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)は美しいものが見られるならと行くことにした。
「うん、行ってみようかな。試食してもいいみたいだから。衣装を決めなきゃ、天使にしようかな」
「たまには違うイメージの格好をしてみたらどうですの?こっちの方が似合いそうですわ」
 いざという時のために作っておいた悪魔の衣装をクローゼットから取り出し静香に勧める。
「こ、こんなの着るの!?僕に似合うのかな」
「きっと似合いますわ、フフフ♪」
「(しっ静香さまが・・・!?)」
 校長室の前で偶然聞いてしまった真口 悠希(まぐち・ゆき)は、どんな雰囲気の服を着るのだろうとドキッとして顔を赤らめる。
「はっ。ボクとしたことが衣装の話だけで、ぼーっとなってしまうなんて!静香さまも試食なさるんですよね、ボクも何か作りに行かなくてはいけませんね」
 急ぎお菓子の材料を買い集めて仮装用の服をカバンに詰め、イルミンスール魔法学校へ向かった。

-10月28日 AM0:00-

「会場の皆さんを笑顔にするためにお菓子を作る・・・それもヒーローの役目ではありませんか!?優勝を手にするのはこの俺ですっ!」
 クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)は心のカメラに視線を向けてポーズを決める。
「3カメで遊ぶでない、しかも誰も見ていないぞ。時間は待ってくれないのだ、今から作らないと間に合わないのだよ」
 それがあるつもりで宣言する彼に、マナ・ウィンスレット(まな・うぃんすれっと)が早くお菓子作りにとりかかるように言う。
「おっ、本物のカメラですか!?ちゃんと撮ってくださいね、エリザベートさん!」
 デジカメの前へずずいっと出たクロセルの顔が画面にドアップで映される。
「撮影してビデオにするですぅ♪仮装はしないんですか?」
 フェルトで葉の帽子を作り、ミニキャベツの仮装をしているエリザベートが、きょとんと顔で首を傾げる。
「手ぶれのない最新型はいいですね、俺の姿がばっちり映りますし!あっ、マナがカボチャの皮を切ったら、それを使ってちゃんと仮装しますよ」
「こらクロセル、カメラで遊ぶでない」
「―・・・っ!俺としたことがつい、はっははは。では作り始めますかっ」
 クロセルは手羽先と豚足に塩をふり、圧力鍋へ入れてぐつぐつと煮込む。
「ケーキやクッキーは辛党のクロセルよりも甘党の私が担当するのだ」
 魔女の仮装をしたマナは、テーブルにトスンッと薄力粉が入った袋を置く。
「粉系は纏めてふっておいた方がきちんと混ざるのだ」
 使う分だけ器に入れてベーキングパウダーを混ぜ、こし器に入れパタパタとボウルにふるう。
「真のお菓子好きは食べるだけではなく、作ることにも秀でていること教えてくれるっ!」
 花落ち部分からヘタの部分にかけて包丁の先を力いっぱい刺す。
 カボチャを手でしっかり押さえ手前に倒して切り、反対側も同じように切ってスパッと2つに分ける。
 スプーンで種をかき出し、内側から包丁を入れる。
「マナ、小さく切る前に皮をくださいね」
「ふむそうだったな」
 剥いた皮をマナがクロセルに渡す。
「どうです?それっぽく見えますか?」
「材料に使ったやつを再利用したんですねぇ」
 エリザベートはカボチャの皮でジャック・オ・ランタンに仮装したクロセルの姿をデジカメに録画する。
「ふっふふ、そうですよ。おっと話している場合じゃないですね、鍋の灰汁をとらないと!」
 沸騰し出た灰汁をおたまで丁寧にすいくい取り流し台に捨てる。
「このニンニクや玉ねぎを入れて、さらに煮込むんですっ」
「そっちはもうひと段落したようなのだな?私はまだまだかかりそうなのだ」
 休憩するクロセルの姿をちらりと見たマナは、電子レンジで加熱したカボチャを潰してやわらかくする。
「こういうものは楽しく作らねばな、作る者の心が大切なのだよ」
 バターと砂糖をボウルに入れ、クリーム状になるまでハンドミキサーを使ってかき混ぜ、卵と潰したカボチャも加えて混ぜる。
 最後にふるっておいた粉類を加え、さくっと切るようにゴムベラで混ぜ合わせた後、生地をケーキ型に入れて180度に温めておいたオーブンで焼く。
「へぇー、けっこう本格的に作っているみたいだねぇ。こっちも負けていられないよ」
 ミイラ男に仮装した曖浜 瑠樹(あいはま・りゅうき)はボールに入れたバターを、やわらかくなるまでゴムベラで練り砂糖を加えて混ぜ合わせる。
 お菓子作りのために、顔と両手には包帯をつけていない。
「3回くらいに分けるとよく混ざるんだよね」
 小さな器に卵を割り菜箸でさっと溶き、少しずつ加えながら混ぜる。
「んで、ボウルに小麦粉を入れて手で混ぜるんだけど、あまり強く練っちゃいけないから力加減に気をつけないとね」
 こねこねと練っていると、エリザベートが撮影しにやってきた。
「クッキーを作るんですぅ?」
「でもただ焼くだけじゃないよ」
「そうなんですかぁ、頑張ってくださいね♪」
「この生地を2つに別けて片方はココア生地にして、子供に見えるように形を整えてっと」
 切っても同じ形になるハロウィンを楽しむ子供達のような形に2つの生地を合わせる。
「うーん、こんな感じかな?焼き時間は20分くらいにセットしておこう」
 包丁でクッキーを切り、オーブンに入れて焼く。
「私もそろそろ作り始めましょうか」
 かぼちゃ帽子を被り橙色ドレスを着て、かぼちゃの魔女に仮装したマティエ・エニュール(まてぃえ・えにゅーる)は、カバンから材料を取り出す。
 ぽんっとテーブルに置いた風に煽られ、短めの黒いマントがひらりと揺らめく。
「こういうお菓子は手順を守ってやらないと、大変なことになりますからね」
 カンカンッ。
 透明なボウルの端に卵をぶつけてひびを入れて割り、泡立て器でシャカシャカと溶いた後、量りで分量を量った砂糖を加えて混ぜる。
「りゅーき、ふるっておいた小麦粉をこっちにください」
「うん、これだね」
「ありがとうございます。材料を1度に混ぜたりしてないですよね?」
 マティエがオーブンを横目でちらりと見る。
「大丈夫だよ、ちゃんと覚えてきたからさ」
「それならいいんですけど。もし面倒だからって1度に全部混ぜてしまうと、牧草や草原を思わせる恐ろしい風味になってしまいますからね」
 受け取った小麦粉をボウルに加えてヘラで混ぜながら言う。
「作り方と材料配分を間違えなきゃ、クッキーは基本的に不味くならないからね」
「まぁそいうことですね。あっ、話している間にバターが溶けたようです」
 電子レンジが止まった音を聞いたマティエは、温めて溶かしたバターを取り出して生地に加え、切るように混ぜ合わせる。
「焼き時間はこれくらいですね・・・」
 生地を流し込んだ型を、もう1つのオーブンに入れて焼く。
「さて、この間に生クリームを泡立てておきましょうか」
 手が疲れないようにハンドミキサーで泡立てる。
「むむっ、何やら向こうもケーキとクッキーを作っているようなのだよ」
 マナはコンテストの優勝を狙うライバルに負けまいと、焼きあがったケーキをテーブルに置きクッキーを作り始める。
 ボウルに入れたバターとグラニュー糖を泡立て器で滑らかにし、かぼちゃを加えて混ぜ、ふるっておいた粉を2回に分けてさっくりと混ぜる。
「ラップはカフェに用紙されたものを使おうか。これを30分くらいやすませなければ・・・」
 平らに伸ばした生地をラップに包み、冷蔵庫の中に入れて休ませる。



「周りを見ている暇なんてない。これはやばすぎるっ!と驚くようなスケールの大きなものを作らなきゃいけないからね」
 流し台で洗ったカボチャを鍋の中へ、トマス・ファーニナル(とます・ふぁーになる)がドボドボと入れる。
「ほぅ、そんなに凄いものを作るのかのぅ」
 エリザベートと同じくデジカメを持って撮影しにやってきた黒ウサギの仮装をしているアーデルハイトが声をかける。
「おっと。この先はまだ撮影禁止だよ」
 ドラキュラの仮装をしているトマスは、鍋へ近寄ろうとする彼女の視界をマントで遮る。
「むぅ、取材お断りの料理屋のようじゃのぅ。はて、子敬はなぜ看護婦の格好なのじゃ?」
「うっ・・・さ、さぁ・・・。(やっぱり聞かれてしまいましたね)」
 カボチャを洗っている魯粛 子敬(ろしゅく・しけい)は、恥ずかしさのあまり顔を俯かせてしまう。
 せめて看護士ではともトマスに追求せず、ドポンッと鍋へ入れる。
「仮装は吸血鬼ドラキュラ御一行様なんだ」
 子敬の変わりにトマスが答える。
「ふむ、そうなのか?テノーリオの仮装を見ると、子敬は2人の供物のように見えるのぅ」
「確かにそう見えなくもないな」
 テノーリオ・メイベア(てのーりお・めいべあ)がちらりと子敬を見て言う。
「しかしなんで料理するのに仮装がいるんだろ、邪魔で仕方ねぇや」
「普段の格好で作っているのを見るだけではあじけないからのぅ。それにハロウィンには仮装がつきものじゃろう?」
「そういうことなら仕方ねぇか、ルールだし。似合ってるかな?これ」
 悪魔の羽根と角で仮装している姿を見てもらう。
「うむ!そのたくましい眉毛といい、悪魔っぽく見えるっ」
「あははっ、これは自前なんだけどな」
「作業の邪魔してはいけないからそろそろ退散するとするかのぅ」
「あぁ、じゃあなっ!―・・・大量のカボチャを昼頃までに茹でて潰しておかなきゃな」
 茹であがったものからマッシャーで潰し、木ベラで裏ごしをするが、その気の遠くなるような作業に半日費やした。



「バターは薄切りにして溶けやすくしておこう」
 本郷 涼介(ほんごう・りょうすけ)はバターを箱から取り出し、まな板に置き包丁で薄く切りボウルに入れる。
「きちんと分量を量らないと失敗してしまうことがあるからな」
 計量カップで量った牛乳と水を、トポポ・・・とボウルの中へ流し込み中火にかけてる。
 フツフツ・・・。
「よし、煮立ってきたな。火を弱めよう」
 弱火にして薄力粉をササァーッと入れ、焦がさないように木ベラで手早く混ぜる。
「―・・・そろそろ火から下ろすか、余熱で固まらないようにしないとな」
 ボウルの中に溶き卵を半分だけ入れ泡立て器で混ぜ、残りを少しずつ加えてゴムベラに持ち替えて混ぜ込む。
「どうして泡立て器から変えるの?」
「半分混ぜる時は、泡立て器の方がやりやすいからな」
 首を傾げてみるシア・メリシャルア(しあ・めりしゃるあ)に教える。
「一度に加えてしまうとゆるゆるになりすぎてしまうからな。生地がゆっくり垂れる程度にするんだ」
 クリーム色の生地を搾り出し袋にいれて丸くなるように天板の上へにゅっと搾り出し、160度に温めたオーブンで焼き始める。
「600個分焼かなければいけないから時間がかかるな。シア、ケーキの作り方は分かっているか?」
「んむぅー、パンプキンが硬くて切りづらいよ〜」
「電子レンジで加熱してからの方が切りやすくなるぞ。だいたい5分くらいだな」
「ありがとう!えーっと分数を5分にセットしてっと」
 加熱時間を操作してスタートボタンを押す。
 レンジの中の丸い台がくるくると回転しカボチャを温める。
「後2秒・・・止まった!これで切れるかな?」
 両手にミトンをはめて取り出してまな板の上へ置く。
「フッフフ、この出刃包丁なら切りやすそうだね♪」
 キラーンッと切っ先を輝かせ、ヘタの手前から切り込む。
「わぁ〜っ、簡単に切れるー」
 もう片方の側にも包丁を入れると、嘘のようにスパッと半分に切れた。
 それはまるでやわらかい豆腐を切っているかのような感じだ。
「皮を剥いて一口大くらいにしたらこれで潰すんだ」
「うん、押し潰す感じかな?」
 涼介からマッシャーを受け取り、大きなボウルに入れた500gほどのパンプキンをムニュッと潰す。
「柔らかくなった無塩バター50gと軽量カップで量った395gのコンデンスミルクを混ぜてから、溶き卵を2個ちょっとずつ混ぜるんだったかなぁ・・・」
「三温糖やバニラオイルは使わないんだな?」
「そうだねぇ、市販のチョコクッキーを入れるんだもん」
 シナモンとナツメグを小さじ1ずつ、グラウドジンジャーを小さじ2とクッキーを加えて混ぜ合わせ、生地を流し込んだ型をオーブンに入れて焼く。
「デコレーション用の飾りを用意しておかなきゃ。生クリームとパンプキンに、ラズベリーとイチゴ・・・それとブルーベリーもね♪」
 レッドやパープル、オレンジといったカラーの飾りを準備する。
「それをケーキに使うの?焼き上がりあがりが楽しみね、シアさん♪」
 ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)はシアの傍らでパイ生地をきれいに重ね、マグカップ大のカボチャ型のパイを焼く準備をしている。
 彼女の仮装はふわっとしたホワイトカラーの両袖の上のフリルにピンクのリボンを結び、ミニのワンピースを着た可愛らしい格好だ。
 ボウルに生クリームと卵黄、砂糖をカシャカシャと泡立て器で混ぜながら話しかける。
「そうだよ、上手く出来るといいなぁ」
「あ、ケーキが焼けてもいきなりオーブンを開けないようにしてね。しゅーんとへんなふうにしぼんじゃう時があるから。スポンジケーキなんか特にそうよね」
「ベーキングパウダーとか使ってないけど、もしも失敗しちゃったらと思うと怖いもん。焼きすぎもしぼむ原因になるから注意しなきゃだね」
「いきなり冷やすのもよくないのよね。あれ、ケーキ焼けたんじゃないの?」
「うん、もう開けても大丈夫かな?よかった、ちゃんと出来たみたい♪」
 扉を開けた瞬間ふわっと甘い香りがし、シアはケーキの焼け具合にニコッと微笑んだ。
 しぼまないように少しオーブンの中において置いたケーキを取り出し、型を逆さにしてトレイの上へ置き粗熱を取る。
「あたしのパイも焼けたわね」
 カボチャ型のパイの上の部分を5分の1、さくっと水平に切り取る。
「他の部分が取れちゃうと変になっちゃうからね、きれいに仕上げなきゃ・・・」
 ネージュは型を手で押さえ、丁寧に下側を内側にくり抜く。
「そろそろカボチャがいい感じに茹で上がったかしら?ミキサーにポンと入れてっと」
 スイッチの入れられたミキサーがスローモーションで動きながら、ウゥウゥと唸るような音を立ててカボチャを刻む。
「何とか細かくなったみたいね」
 ミキサーから取り出してこし器に乗せ、木ベラで撫でるように裏ごしする。
 ペースト状になったカボチャと器に混ぜておいたやつに、ゆっくりと混ぜながら流し込む。
「ちょっとだけバニラビーンズを入れて、布の布巾でこすと口当たりがよくなるのよね」
 プリン型にこして少しだけお湯を入れた深皿の鉄板に並べ、80度に暖めたオーブンの焼き時間を30分にセットする。
「ネージュは俺が教えなくても大丈夫そうだな」
 シュークリームの皮を焼いている間にと、涼介はカスタードクリーム作りにとりかかっていた。
「え、それってレンジにかけるの?」
 ふるった薄力粉とコンスターチをレンジにかけるのを見たシアがハテナと首を傾げる。
「あぁ、こうすると粉の臭みが取れるからな。まぁだいたい30秒くらいかけたらグラニュー糖と加えて、牛乳は少しだけ残して後で使うからとっておくんだ」
「へぇー、そうなんだ〜」
「で、さっきの残りと卵黄を混ぜたらレンジで3分くらい加熱するんだ。―・・・よし、このくらいでいいか」
 レンジから出すと、とろぉ〜りとしたクリーム状になっている。
 熱々のうちにバターを入れて混ぜ、冷めた後にバニラエッセンスとラム酒を加える。
「次はカボチャクリームだな」
 カスタードクリームに使った材料を使い、カボチャと生クリームを足してさっと作る。
「出来た皮から詰めていくか」
 作ったクリームを生地にニュッと詰める。
「倒れないように気をつけないとな・・・」
 飴と水そしてグラニュー糖でくっつける接着用の飴を作り積み上げていく。
「皆順調そうね♪あたしはプリンを冷やしている間に、カボチャパイの底に生クリームを入れようかな」
 ネージュはオーブンから出して粗熱を取ったプリンを冷蔵庫に入れた後パイの底に絞る。
「プリンって2時間は冷やさなきゃいけないのよね。ずっと続けてると疲れちゃって、それで失敗したのが混ざっているに気づかなかったらやばいもの。少しだけ休んでようかな」
 細やかな作業をずっと続けては失敗してしまうかもと、椅子にとすんと座りちょっとだけ休憩することにした。