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美緒が空賊!?

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美緒が空賊!?
美緒が空賊!? 美緒が空賊!?

リアクション

 前のとき、美緒と空賊退治に出かけていた小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)もまた、そのとき得た情報をまとめて「美緒は空賊のコートに精神を乗っ取られている」と考えた。
「美緒が操られているなら、傷つけるわけにはいかないでしょ!」
 推測が当たっていれば美緒はただ、“黒髭”に操られているだけだ。
 彼女を傷つけずに救うしかない。
 そう考えた美羽は、強化光条兵器のルミナスレイピアに、美緒の身体を斬らず、その身に纏うコートだけを斬る、と条件を付けて彼女に向かい合った。
「美緒さんの身体を傷つけずに、美緒さんを“黒髭”から解放したいです」
 パートナーのベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)もまた、美羽と思いは同じだと告げて、彼女をサポートすべく、奈落の鉄鎖を作り出す。
 それを美緒へと投げつけ、彼女の身体へと巻きつけ絡ませて、身動きを鈍らせた。
 そこへ美羽が光条兵器を振り上げて、コートを切り裂こうとする。
 寸前で、鉄鎖から抜け出した美緒が後ろに下がると、切っ先だけがコートに届き、傷がつく。
 美緒は細身剣を構え、美羽へと斬りかかった。
 その一撃を防ぐべく、手をかざした美羽の眼前に、氷のバリアが現れる。
 氷のバリアに阻まれて、よろめいたところへ再び美羽が、レイピアの軽さを活かした攻撃を仕掛けた。

 コートと共に姿を消した美緒や手配書付のポスターとかを見て嫌な予感はしていた。
 そして、独自に調査し、空賊の通りそうなルート、襲撃の予測を立て近くを回っていたところ、如月 正悟(きさらぎ・しょうご)は、“黒髭”空賊団による飛行船の襲撃に出会ったのだ。
 甲板に降り立った彼は、他の空賊になど目にもくれず、奥を目指す。
 段差を上ったそこには美緒が学生たちと対峙していた。
 既に帽子は脱がされているようだが、彼女の様子はまだ、おかしく見える。
「悪いけど、美緒は返してくれないか?」
 正悟は彼女へと歩み寄ると、そう訊ねた。
「言われて返すと思うか?」
 美緒――“黒髭”が訊ね返す。
「思いたいな」
 答える正悟に向かって、細身剣が振り下ろされた。
「っ!」
 咄嗟にアプソリュート・アキシオンを構えて、その一撃を受ける。

 背中から発現させた氷の翼をはためかせ、伏見 明子(ふしみ・めいこ)はこっそりと空賊船に乗り込んでいた。
 隠れ身を駆使しながら、甲板へと辿り着いた彼女は、皆が美緒と向かい合っているのを見て、まだ身を隠したまま、近付いていく。

 迷彩塗装を施した小型飛空挺オイレを操縦し、暗緑色のサスペンション付きの鎧となったパートナー、ジャック・メイルホッパー(じやっく・めいるほっぱー)を纏った和泉 絵梨奈(いずみ・えりな)は、こっそりと周りの目を盗んで、空賊船へと近付いた。
「前回のことは知らないですけど、事の発端を聞く限り、原因は先輩ですよね……いろいろと」
 ぽつと呟きつつ、空賊船へと近付くと甲板を目指し、そこへと着地した。
 美緒が他の学生たちと対峙している間に、背後へと近付いた絵梨奈は、事件解決という名目の下、“黒髭”美緒へと殴りかかる。
 不意打ちを交わしきれず、痛みに殴られた場所を押さえる美緒に、更にもう1発。今度は大きく蹴り上げた。
 それは咄嗟に避けて、美緒は細身剣を構える。
 彼女に、事を大きくしたことも含めて責任を取ってもらうため、絵梨奈はひたすら、彼女を殴り、蹴り続けていく。