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夏だ! 祭りだ! また喧嘩神輿だ!

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夏だ! 祭りだ! また喧嘩神輿だ!

リアクション

 
 

白熊神輿vs女神輿

 
 
「おっしゃあ、どんどんいくぜ! 見てろよ、俺様の大活躍!
 雪国ベアくん、乗りに乗ってます。その眼前に、ガイドさんたちの女神輿が立ち塞がりました。
「よし、敵補足。進路修正、右三度。ぶちかませ!」
 白熊神輿を見つけたジェイス・銀霞さんが、命令を発しました。
「よっしゃあ!」
 神戸紗千さんとキーマ・プレシャスさんが、一気にスピードを上げます。
「あーん、早いです、早いです、早いですぅーったらー」
 大谷文美さんはついていくだけで必死です。
「はははは、行くのだあ!」
 上に乗っているビュリ・ピュリティアさんは、相変わらず脳天気です。
「よし、接近される前に、もう一度ビーム攻撃だ!」
 緋桜ケイくんが、ソア・ウェンボリスさんに言いました。
「もう一度、口から白熊ビーム!!」
 バシュンっと、御神体の白熊からビームが放たれました。
「対ビーム防御!」
 すかさずジェイス・銀霞さんが叫びます。さっとビュリ・ピュリティアさんが手鏡をかざしました。ビームが反射されて上空へと散っていきます。
「なんだとぉ」
 必殺技を防がれて、雪国ベアくんが叫びました。
「ふむ、私の八咫鏡なみのアイテムを持っているとは。敵ながらあっぱれであるな」
 天照大神さんが感心しますが、アルラウネのアトロパさんは、びびって今にも逃げだしそうです。
「怯むでない、まだまだ奥の手はある。ぶちかますのだあ」
「よっしゃあ、期待してるぜ、カナタ。いけえっ!」
 悠久ノカナタさんの言葉に、雪国ベアくんが気をとりなおして突進しました。
「今度こそ、挟まれないで受けとめてやるんだもん!」
 先ほどの名誉挽回と、ミルディア・ディスティンさんが前に出ます。
「ようし、ミルディア、頑張って敵の勢いを殺してよね。そこを、私たちがぶっ飛ばすもん!」
 イシュタン・ルンクァークォンさんが応援します。どうやら、ミルディア・ディスティンさんで敵の勢いを殺して止めたところへ、時間差をつけてドーンとぶつかっていく作戦のようです。
「障害物発見。進路修正、左五度!」
「ひーっ」
 ジェイス・銀霞さんに命令されて、大谷文美さんが半分泣きながらみんなと一緒に方向を変えます。
どんとこーい! はうあっ!?」
 勢いよくぶちかましをかけたミルディア・ディスティンさんが、女神輿に触れたとたんに爆発でちゅどーんと吹っ飛ばされました。直前で角度をつけられたので、斜めに吹っ飛ばされ、ヒュルヒュルと歩道に落ちていきます。
「いったい何が……」
 何が起こったのかよく分からずに、緋桜ケイくんたちが目を白黒させました。
「ふっ、ちょっと爆発装甲を前面に装着しただけだ」
「どっから持ち出してきた、そんなの!」
 ジェイス・銀霞さんの言葉に緋桜ケイくんたちが突っ込みますが、当然シャンバラ教導団武器倉庫からでしょう。職権濫用です。
 ちなみに、爆発装甲というのは、装甲表面に炸薬をセットし、被弾したときにそれが爆発して爆圧で攻撃の衝撃を押し返す物です。
「敵は怯んだ。一気に決めるぞ!」
 何度か、両方の御神輿が激しくぶつかり合いますが、なかなかに勝負がつきません。
「仕方ない。使いたくはなかったが……」
 ジェイス・銀霞さんが、担ぎ棒にあった隠しスイッチを押しました。
 キランと、女神輿の前面に突起のような物が複数現れました。パイルバンカーです。さすがに、ミルディア・ディスティンさんがいたのでは怪我ではすまないので、使用をためらっていたのでした。でも、すでにミルディア・ディスティンさんは排除したので、心おきなく使えます。これを連続で打ち込まれたら、白熊神輿などひとたまりもないでしょう。
「これは……、こちらも、ついにあれを使うしかないのか……」
 悠久ノカナタさんが何やら決意したときです。空から何かがヒュルヒュルと落ちてきました。
「この音は……」
 上を見あげたジェイス・銀霞さんの顔が引きつりました。
「総員退避!」
 素早く回避が間にあわないと判断すると、上にいたビュリ・ピュリティアさんと大谷文美さんの手をつかんで、必死にその場から逃げだしました。神戸紗千さんとキーマ・プレシャスさんは自力で逃げだします。
 ちゅどーん!
 直後に、女神輿が、上空から落ちてきたロケット弾でバラバラになりました。
 さっき、お菊さんがドラゴンアーツで撥ね飛ばしたロケットおっぱい鉄道神輿のロケット弾です。とんだ流れ弾でした。
「ほほほほほほ、今です。お行き!」
 すかさず、今度も狙い澄ましていたお嬢様神輿が、女神輿を粉砕してすぐさま逃げて行きました。
「あの子、まだあんなことを……。いいかげんにしないと怒るぞー!」
 なぜか、キーマ・プレシャスさんが叫びましたが、当然お嬢様はとんずらこいた後で、聞いてすらいませんでした。はたして、この二人にどんな繋がりが……。それはまた別のお話で……。