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少年探偵 CASE OF ISHIN KAWAI 2/3

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少年探偵 CASE OF ISHIN KAWAI 2/3

リアクション


ベスティエ・メソニクス(べすてぃえ・めそにくす) イレブン・オーヴィル(いれぶん・おーう゛ぃる)

彼があまりにぼんやりしていたんで、僕は驚いたんだ。
「はい。私は囚人です。
命令を忠実に遂行します。
人に命じられたことを疑問や不安を抱かずに実行できるのは素晴らしいのです。
更生した証です。
私は、命令に従順に従います。
私に、“やあ”とお声をかけてくださったあなたもまた囚人ですか。
だとしたら、私は、あなたを注意しなければなりません。
“やあ”はコリィベルでは正しいあいさつではないのです。
“おはようございます。こんにちは。こんばんは。おやすみなさい。よろしくお願いします。ありがとうございました。失礼します。失礼しました。ごきげんよう。さようなら”
これらがここでのあいさつに使う言葉です。
あなたは間違っています。
私はあなたに手本をしめします。
こんにちは。
同志よ」
イレブン・オーヴィル(いれぶん・おーう゛ぃる)は、どこか遠くを眺めているような瞳を僕にむけている。
さすがの僕も不安にならずにはいられないなぁ。
「事件解決にこだわるよりも、さっさとここをでた方が危険なめにあわずにすむ気がして、進退を迷っているベスティエ・メソニクス(べすてぃえ・めそにくす)だよ。
PMRの同志イレブン。
きみは僕を忘れてしまっているのかい」
「私の名前は11号です。
あなたとは過去に会ったのかもしれませんが、いまの私には、必要ないことです。
私は囚人です。
私は11号として、いまを生きています。
これから重大な任務があるのです。
特に用がないのなら失礼します。
さようなら」
一礼し、去ろうとした彼の前にまわりこんで、僕は彼をとめた。
「つれないなぁ。キミは浪漫と正義にあふれた未来戦士ではなかったのかい。
風来坊で幽霊部員の僕が言うのもなんだが、PMRのみんなと事件解決のために奔走するのが、きみ本来の姿だろう」
個人主義者の僕が思わず親身なアドバイスをしてしまうほど、彼は、普通でない状態だ。
「pmr」
イレブンは、自問するようにつぶやいた。
まったく、見ても、聞いてもいられないな。
超推理の使い手のイレブン・オーヴィルともあろうものが、このていたらくは、どうしたものかね。
「もっと力強く言いたまえ。
きみが生みだした、きみが戻るべき、大切な場所のはずだろう。
PMRだ。
小文字でなく、はっきりとした大文字のPとMとRだよ」
「PMR」
「思い出すまで、何度でもその名を口にするべきだね。
メンバーはきみを必要としているし、きみもメンバーを必要としている」
「PMR。
PMR。
ぴーえむあーる。
いれぶん・おーヴぃる。
は!?
・・・・・・ナ、ナンダッテェ!?
そうですね。私は、みんなまとめて……。
任務を遂行しないといけません」
彼の瞳に往時をうかがわせる鋭い光が宿った。
そのまま、彼はどこかへ歩いていってしまったよ。
僕としては、彼も心配なのだが、まずは自分の身の安全を確保しないとね。
さて。
どのゆりかごへ行くべきかな。