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リアクション
第十一章:セレンフィリティ・シャーレット&セレアナ・ミアキス
きっかけはほんの些細なことだった。セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)は相棒のセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)と今日の夕飯は何を食べようかと迷いながら商店街を歩いていたら、小池鬼滅羅と名乗る怪しい男が「我と共に究極のラーメンを作ろうではないか!」と演説していたのを見かけたのだ。
「何か知らないけど、うまくすればおいしいラーメンをタダでゲットできるかも」
と、しょーもない理由でセレンフィリティは早速キメラーメンに絡んだのであった。ちなみに、彼女がキメラーメンに絡むことにした為、セレアナも付き合うことにしたのだ。
小池鬼滅羅の「旨い物を持ってこい」という言葉を聞いたセレンフィリティは早速、天ぷらを持ってキメラーメンの群へとやってきていた。
「やっぱり、エビ天やアナゴや野菜かき揚げなどは外せないわよね」
近所の美味しい惣菜屋で購入してきた天ぷらをキメラーメンに与えながら、セレンフィリティはセレアナに語りかける。
「そうなの? 私はよくわからないけど……」
ラーメンが好きでもなく、嫌いでもないセレアナは少し悩んだ末に丁度季節柄売りに出ていた七面鳥を購入し、キメラーメンに取り込ませていた。
「随分と贅沢なものを食べさせてるわねー。他にもいろいろな「うまいもの」が提供されているようだから、どんなラーメンになるんだか多少の不安はあるけど、わくわくドキドキが止まらないわ」
どこか楽しそうに天ぷらを与え続けながら、セレンフィリティはセレアナが与えた七面鳥を眺めながら、笑みを浮かべて言う。
その時だった。今まで黙って食材を与えられるがままだったキメラーメンが突如として麺を伸ばし、彼女たちに襲い掛かってきたのだ。
「えっ!? どうして急に凶暴化してるのよ!?」
襲い掛かってきたキメラーメンを相手に身構えながら、セレンフィリティは武器を取り出そうとする。
「こんな面倒なことになったのも、小池鬼滅羅という怪しい男と出くわした時、一目で『キ印』と判ったから関わり合いを持たず避けようとしたのに……案の定セレンが「タダでラーメン食べられる」とかいって絡んじゃったからじゃないの。恥ずかしいったらありゃしない」
セレアナに指摘され、セレンフィリティは少しむくれた顔をしながらも、取り出した武器を構える。
「……むぅ。とにかくこの連中を何とかするわよ」
口では色々と言っていたものの、セレアナはセレンフィリティの提案に頷く。そして、二人は阿吽の呼吸で動き出した。セレアナが愛用の槍で路肩に設置された消火栓を貫き、あたり一面を浸水させる。
そして、セレンフィリティは水溜りに電流を流し込み、キメラーメンたちの群れを感電させた。
昼に実里特製みそラーメンを食べていたこともあって、凄まじい敏捷性で動いた二人は、間一髪のところで放電の巻き添えを回避する。
背後で活動停止しているキメラーメンたちを一瞥すると、セレンフィリティはセレアナに言った。
「結局、天ぷらとか七面鳥を取り込んだキメラーメンって、どんな味になってたんだろ?」
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