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リアクション
第十二章:冴弥 永夜&アンヴェリュグ
「この世からラーメン以外の食べ物がなくなる……? ふざけるな!」
販売店を対象とした問屋の前、冴弥 永夜(さえわたり・とおや)は、うず高く積まれた野菜のダンボールを背後に声を上げていた。
「佐野実里も言ってるだろ、多用な料理が存在してこそラーメンは輝くと」
海京で最も食材が集まる場所ということもあって、この場所には膨大な量のキメラーメンが押し寄せていた。
「ラーメンが美味いっていう奴は、他の料理を食ってそう思ったんだろ?」
まるで問いかけるようにキメラーメンに言いながら、彼は押し寄せるキメラーメンの群れを十字砲火で掃射していく。
「ラーメンがラーメン以上の存在になるなッ! 他の食べ物を奪うなど、許せるものか!」
無数の麺に打ち据えられ、締め上げられながらも、彼は決して怯まず、更に闘志を燃え上がらせる。
「ラーメンどんぶり被った野郎に好き勝手やられてたまるか、キメラーメンは是が非でも退治する!」
自分に絡みつく麺を銃撃で引きちぎりながら、彼はなおも吼える。
「熱いね、夜君。ま、俺も頑張るかな」
そう言って永夜の隣で刃を振るうのは、アンヴェリュグ・ジオナイトロジェ(あんう゛ぇりゅぐ・じおないとろじぇ)だ。
「俺としては『野菜』を守らせて貰おうかな。ベジタリアンだから、これがないと困るんだよ」
迫り来る麺を切り払いながら、アンヴェリュグは傍らの永夜に問いかける。
「さっさと退治した方が良いよね?」
その言葉に、永夜は威勢よく応えると、銃口をキメラーメンの群れに向けた。気付けば、あれほど多かった個体も、残りは僅かだ。「ああ……! 食わすか……逃がすか……生きて帰れると思うなよッ!」
銃口を構える永夜を阻止しようと迫る麺をアンヴェリュグが切り払い、永夜を守る。そして、永夜は残る個体を十字砲火でなぎ払い、遂に二人はキメラーメンの群れを一掃したのだった。
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