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【ニルヴァーナへの道】泣き叫ぶ子犬たち

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【ニルヴァーナへの道】泣き叫ぶ子犬たち

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第十七章 そして 2

<月への港>

「お帰りなさい、美羽さん、大鋸さん」
 グラディウスのコックピットで待っていたベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)が、美羽と大鋸を出迎える。
「ただいま、ベアトリーチェ。こっちは解決したし、すぐ出発しよう」
「やれやれ、せっかくあの化け物を追い払ったってのに、のんびりもしてられねぇ」
「仕方ないよ。月探索の要請が来てるんだから」
 不満そうな大鋸を苦笑しつつなだめる美羽。
「けどよ」
 なおも何か言おうとして、大鋸はふとあることに気付いた。
「なあ、美羽。あの連中、『秘密兵器を手に入れた』って言ってたよな?」
「あ、そういえば言ってたね」
 デヘペロたちによって持ち去られてしまった、秘密結社オリュンポスの開発した秘密兵器「恒星地雷」。
 すっかりデヘペロ撃退の達成感と子犬のかわいらしさに押されて記憶の片隅に追いやられてしまった感があるのだが……あれは、一体どんなものだったのだろうか?
「なんだったんだろうな、秘密兵器……?」
「うーん……あんまり危険なものじゃないといいけど……」
 二人は少し考えてみたが、もちろんそんなことがわかるはずもなかった。





<月への港・最下層・秘密兵器開発室>

「すみません、ハデス様……」
 申し訳なさそうに詫びるアルテミスに、ハデスは一つため息をついた。
「いや、今度ばかりは仕方ない。しかし、商店街の者たちには詫びを入れねばならんな」
「そうですね……せっかくニルヴァーナへの道が開かれたお祝いに、って、楽しみにしていてくださったのに」

 ……「商店街」? 「お祝い」??

 まあ、この辺りでカンのいい方はおわかりだろう。

「恒星地雷」の正体は実は兵器でもなんでもなく、お祝いのお祭りで使おうと思って地元の商店街が発注していた「スターマイン」、つまり、花火だったのである。

 もちろん、その後ブラッディ・ディバインによって「恒星地雷」が用いられたという噂は、今日に至っても全然、全く、さっぱり、ちっとも聞かない。

担当マスターより

▼担当マスター

三刀屋一馬

▼マスターコメント

 三刀屋一馬と申します。
 この度は私のシナリオにご参加くださいまして、誠にありがとうございました。

 今回は「ややコミカルなバトルシナリオ」ということで、バトルメインのシナリオは初めてでしたが、ご満足いただけるものになっておりますでしょうか。
 自己紹介ページにも書いているように、私は「スキル&データよりもアクション&シチュエーション」なタイプですので、今回もバトル部分ではそういった感じの「アツい展開」を多めに拾わせていただきました。

 ……というか、全体的な傾向として、デヘペロ(特にデヘペロ弟s)がだいぶ過小評価され過ぎだったかな、という感じはあります。
 何というか、もう少し弱いのがうじゃうじゃいる、というイメージだったのかもしれませんが……実は本気でごっついのが十体程度でしたので、こんな形になってしまいました。
 いろいろと読みが外れてしまったプレイヤーの方々にはこの場を借りて深くお詫びいたします。

 また、「子犬がほしい」というご希望を頂いた方には、称号として「〜の里親」という称号を配布させていただきました。

 最後に、今回もまたリアクションがかなり長くなってしまいましたが、プレイヤーの皆様の素敵なアクションと、それを少しでも活かしたい私の気持ちが合わさってオーバーフローした結果ということでお許しいただければと思います。