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【カナン復興】新年マンボ!!

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【カナン復興】新年マンボ!!

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(3)マンボ(地下水道)−1

 「アナグマ」との合流地点から北東に3kmの地点。この地も砂に埋もれた砂漠地帯な事は同じだったが、地下の様相は大きく異なっていた。崩落した岩盤により阻まれた地下水が辺り一面に溢れてしまっていた。
「おっと。こいつはヒドいな」
 地下水道に下りるなりカルキノス・シュトロエンデ(かるきのす・しゅとろえんで)はそう漏らした。溢れ出した水はカルキノスの両膝をすっかり浸けてしまっている。
「それでも通路が水に浸かりきってないって事は……」
「この先だ」
 アナグマの工員の一人が通路の先を指さした。崩落箇所の反対側、つまり地下水道の上流に当たる側である。
「20m弱の所に東へ続く水路、その先30mの所には西へ続く水路と繋がっている。ここが塞がっている分、そっちに水が多く流れてるってわけだ」
 東西に続く水路はその先で更に分岐し、幾つもの集落に水を届けている。水は多いに越したことはないが、制御ができなければ、これまた扱いづらくなってしまう。
「だったら20m先の地点が良いわね。一度通路を塞ぎましょう」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)が工員に提案した。
「崩落箇所を修復している所へ水が溢れでもしたら危険でしょう? いっその事、人工的に堰を作って水を完全に止めましょう」
「人工的に……か」
 これにダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が難色を示す。
「簡単に言ってくれるが、この規模の堰を作るとなると時間もだいぶかかるぞ」
「大丈夫だって。ねぇ、カルキ?」
「ん?」
「もともと水路が塞がったのは…………ねぇ?」
「…………! なるほどな」
 笑みだけを交わしあい、カルキノスルカルカは勢いよく駆け出した。
「お、おいっ!!」
 ダリルの制止に応える事なく、20mの先にたどり着いたカルキノスは天井に『第二世代パイルバンパー』を押し当てた。
「やぁあああああああ!!」
 ルカルカが『ゴールドマトック』を振るのに合わせて天井に杭を打ちつける。
 崩れる天井、落ちる岩盤、塞がってゆく水路、そして、ピースサインで振り向く二人。
「…………また無茶な事を」
 強引ではあったが、確かに一瞬にして水路を閉鎖する事ができた。これで作業中に鉄砲水に襲われるなんて事態は避けられるだろう。
「…………俺も始めるとするか」
 ルカルカたちが作った水門に背を向けて、崩落壁に向き直った。『機晶爆弾』で小規模発破、瓦礫を『ロングハンド』で撤去してゆく。
「さぁ、一気に終わらせるぞ」
 『施工管理技士』が11体、それに『蒸気傾奇者』も連れてきている。それらを指揮して作業を進めるつもりだ。
 水源側からダリルたちは崩落岩塊の突貫と修復作業を開始した。