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イルミンスールの怪物

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イルミンスールの怪物

リアクション

「――邪魔だ!」

 紫月 唯斗(しづき・ゆいと)は行く手を阻むモンスターや鏖殺寺院へとその拳を叩き込む。
 雑魚に構っている暇はない――彼は軽く敵をあしらうと、ベルフラマントでその気配を消した。
 そして忍者のような身のこなしで敵の前から駆け抜けていく。
 この事件の首謀者であろう白衣の男を捕まえること――それが彼のただひとつの目的だった。


                     ◇


 光学迷彩とブラックコートで姿と気配を消して行動するミレイユ・グリシャム(みれいゆ・ぐりしゃむ)は、白衣の男を探して進んでいた。

「大丈夫かな、ルイーゼ」

 自分たちを潜入させる為に囮になってくれたパートナー、ルイーゼ・ホッパーのことを心配しているミレイユは思わずそうつぶやく。
 そんな彼女の影がゆらいだと思うと、そこから声が聞こえてきた。

「ルイーゼならきっと大丈夫ですよ」

 その声の主は、狂血の黒影爪の能力でミレイユの影に潜むシェイド・クレイン(しぇいど・くれいん)
 彼は周囲を警戒しながらも、ミレイユに言葉をかけた。
 ミレイユはそんなシェイドの言葉にうなずくと白衣の男を探して歩を進めた。


                     ◇


「一丁あがりっと」

 そう言って捕まえた鏖殺寺院を縛り上げるのはセレンフィリティ・シャーレット。
 彼女は先ほどから次々と敵を捕まえていた。

「こっちも捕まえたわよ」

 セレンのパートナー、セレアナ・ミアキスは捕まえた敵の頭をポコリと叩きながらそう言った。

「さて、それじゃあしゃべてもらうわよ……この白衣の男はどこにいるの?」

 擲弾銃バルバロスの銃口を敵の顔に向けながら、セレンは脅しをかけた。
 その手に持った銃型HC弐式には白衣の男の画像が表示されている。
 だが鏖殺寺院の信徒は顔をそむけて、口を割ろうとしない。
 そんな相手の様子を見て、セレアナがため息と共につぶやいた。

「素直に答えないのなら、”処刑”するしかないわね」

 処刑という普段聞き慣れない言葉にびくりと体を震わせる鏖殺寺院。
 だが相手はまだ黙っている。

「あっ、本気じゃないとか思ってるのなら気をつけた方がいいわよ。セレアナはやると言ったらやるんだからね」

 セレンのそんな言葉を聞いて、敵はそっとセレアナの顔を見た。
 その目を冷たい輝きを放っているが、口元には不気味な笑みが浮かんでいる。
 そして彼女は手にした幻槍モノケロスを男の目の前に突き立てた。
 さすがの敵もそんな彼女に恐れをなしたのか、素直に口を割る。

「なるほど、一応お礼を言っとくわ――ありがと!」

 情報をすべて聞いたセレンはそう言うと、銃把で敵の頭を殴りつけて気絶させた。
 その後、HCを使って手に入れた情報を仲間たちへと伝える。

「それじゃあ、セレン。私たちも行きましょう」
「ええ、そうね」

 気絶している鏖殺寺院たちを残して、セレンとセレアナは敵の親玉の元へ向かっていく。