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災い転じて福となる?

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災い転じて福となる?

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少女の為の収集家

 クローフィ街に訪れた高円寺 海(こうえんじ・かい)杜守 柚(ともり・ゆず)杜守 三月(ともり・みつき)
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)の五人。

「アソオスちゃんはどこにいるのでしょうか」

 柚はアソオスを探そうとするが、ダリルと海に止められる。

「待て、探すには些か情報が足りない。まずはこの街の被害状況を知る方が先決だ」
「ダリルの言う通りだ。まずは逃げ遅れた人を助けるぞ」
「助けるのには賛成だけど、絶対1人になったらダメよ」

 ルカルカは海が単独行動をとるのではないかと懸念しそう聞く。
 ルカルカとダリルは海のガードとして来ているからだ。

「分かってる。力の分散はオレも避けたいからな」
「なら良いけど」

 海の言葉にほっとするルカルカ。

「無駄話はこれくらいにするか」

 話を切り上げ海たちは各建物へ入っていった。



◇          ◇          ◇




 クローフィ街にぼろ服をまとった傷だらけなアンデッドや、片手が欠けたアンデッドがたくさん溢れている。
 精気のない顔で住む若い人間を、アンデッドたちは灰色のフードを目深にかぶっている少女、アソオスの元へ連れて行いく。

 抵抗する街の人。
 家から持ち出したフライパンや椅子、斧に銃。それらで襲ってくるアンデッドに殴り、撃っていくがやはり数には勝てなかった。

「く、来るなー!」
「殴っても殴ってもキリがないじゃない! 来ないでよー!!」
「銃を持ってる奴は他にいないか!」
「弾の予備を持ってないか!? こっちの銃の弾が残り少ない!」

 騒ぎはどんどん大きくなっていく。
 元々、銃を持っていた人が少なかったこともあり、すぐに弾は尽きてしまう。

「おい!? 誰か……誰か、弾は残ってないのか」
「さっき撃ったやつで最後だ……」

 固まって銃を撃っていた人たちの方へゆっくり近寄ってくるアンデッド。
 次第に数を増やしながら四方から間を詰めてくるアンデッドに、街の人たちの顔には絶望しか浮かんでこない。

「もう、だめだ……」
「あたしたち、死ぬの……?」
「死ぬしかないないなら、うぉぉぉぉ!

 固まって動けないでいる街の人たちの中から、一人の男性が弾の入ってないライフルを片手にアンデッドに突っ込んで行く。
 集団の中から男性を呼び止める女性の声が聴こえる。
 女性の制止の声を聞かず、男性は闇雲にライフルを振り回しアンデッドを滅多打ちにしていく。
 しかし、何度も殴る事でようやく動かなくなるというという効率の悪い倒し方。



スガガガガガガガガッ



 ライフル弾の掃射で男性の周囲にいるアンデッドを倒していく者が現れた。