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食べ物×合体!

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食べ物×合体!

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 がしいっ!
 杜守 三月(ともり・みつき)の持つエビの盾が、ウイルスの攻撃を受け止めた。
「今だ、海!」
「任せろ」
 すかさず、高円寺 海(こうえんじ・かい)が麻婆豆腐を噴射する。
「ギュワーッ!!」
 辛み成分が目に入り、悶絶するウイルスたち。
「炒飯、クラッシュ!」
 そこに三月がパラパラご飯を投げつける。
 バチッ、バチッとご飯に当たったウイルスは爆発する。
「へー、結構威力があるんだね」
「よし、群生ウイルスは退治したな……ん?」
 気配を感じ、振り向く海。
 攻撃から逃れたウイルスが一体、立ち上がると海に狙いを定めていた。
「海くん、危ないです!」
 杜守 柚(ともり・ゆず)の手から白い物体が投げられた。
 それは、ちょうどウイルスの足元へ……
 べしゃ。
「ムギャッ!」
 足を取られ、倒れるウイルス。
「これで、浄化されてください!」
 更に白く大きな物体を召喚する柚。
 周囲に甘い香りが充満する。
「ムボォオオ〜」
 白い物体に包み込まれたウイルスは、うっとりと眼を閉じ、消滅した。
「甘い物は、偉大ですね……海くん、大丈夫でしたか?」
「ああ、助かった」
 中華服を着た海に駆け寄る柚。
 柚の姿は白いチャイナドレス。
 彼女は、杏仁豆腐と合体していた。
 クコの実のような、ワンポイントの赤い刺繍がチャームポイント。
「柚もやるね」
 方や、三月は海鮮チャーハン。
 麻婆豆腐の海と並ぶと、見事な中華定食。
 そのせいもあってか、3人は抜群のコンビネーションでウイルスたちを駆除していた。

「ふふふ……やっとるな! オレも参戦するで!」
「うっ……」
 どこからか聞こえてきた声と、重い臭い。
 その匂いに思わず鼻を押える三月。
「ちょうどポケットの中に入っていたこのパン! 何か月モンだか知らんがこのパンと合体したオレの力を見せてやる!」
 独特な匂いを漂わせてやって来たのは瀬山 裕輝(せやま・ひろき)
 彼が合体したのは、パンだった。
 それも、カビた。
 彼のポケットの中に入っていた、本人もいつのものか把握していないパン。
 そのパンにはカビが生えていたのだが、裕輝はそんなこと気にしなかった。
「どや! カビカビ〜!」
「うわっ」
「きゃあ」
「うわー」
 裕輝がまき散らすカビ胞子から慌てて逃げる海、柚、三月。
 しかも裕輝の迷惑はそれだけではなかった。
「か、カビ〜」
「カビカビ〜」
 生えてきた。
 いや、復活した。
 倒れたウイルスについたカビが、どんどん広がる。
 そのカビが力を与えているのだろうか、続々と立ち上がってくるウイルス。
「い、や……!」
 柚の口から悲鳴が漏れる。
 構える海と三月。
 そこに。
「あんパン、パーンチ!」
「ケバブ、アターック!」
 美羽のパンチが、エミンの串が炸裂する。
「応援に来たよ!」
「あなたがたを助ける事ができて嬉しいです」
「あ……ありがとう」
 ドクター・JAMからの情報を元に、美羽とコハク、エミンとかりんたちが駆けつけてきた。
「にしても…… なんてモノと合体したのよ!」
 美羽が裕輝を睨みつける。
「ま、えーやないか。全部やっつけたし。何ならも一度オレが復活させようか……おっと」
 へらへらとした態度を崩さない裕輝だったが、美羽の手を見て口を閉じた。
 美羽の手は、あんパンのように丸く握られ振りかぶっていた。
 パンチの照準を、裕輝に合わせて。