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リアクション
結奈たち二人とすれ違うようにして丘を登って行くのは、柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)とアイリ・ファンブロウ(あいり・ふぁんぶろう)だ。
恭也は、ここのところなかなか遊ぶ時間のとれなかったアイリを誘った。「こういう日くらい、一緒に羽伸ばすのも悪くねぇだろ」という恭也の言葉に、アイリは「そうですね、行きましょうか」とすぐに同意をしたのだった。
「良い景色だな、本当……」
「こういう広い場所に来ると、気分転換になりますね」
二人は周囲の景色を見ながら、現地で調達した弁当を手に、恭也たちは丘の上を目指して歩いて行く。
「眺めの良いところについたら、昼ご飯にしましょうか」
「そうだな。もう少し上の辺りはどうだ?」
「そうですね。こちら側は比較的空いているほうですし、もう少し欲張っても良さそうですね」
こうして恭也たちは頂上にほど近いスペースで、眼下に草原が一望できる場所に座ってランチを取ることにした。
おしゃべりをしながらひとしきり食べ終えると、麓にある土産物屋に寄りたい、とアイリが提案した。
綺麗な景色を眺めながら丘をくだり、二人は土産物屋に向かった。
「ウサギにまつわるお土産ばかりですね」
店頭に並ぶキーホルダー等を見ながら、アイリが呟いた。
「なんなら、記念にお守りとか買っておくか?」
恭也の提案に、アイリは頷いて賛同した。
「何の種類のお守りがいいでしょうね。家内安全、良縁成就――。世界平和、なんてないでしょうね」
アイリにとっては、地球とパラミタの平和、が一番の願いなのだろう。
「個人が買うお守りなんだから、もっと個人的な願望しかないんじゃないか?」
「まあ、そうですよね」
そう言って、しばらく悩んでいたアイリだったが。
「――では、このペアのお守りを買って、世界平和に書き換えてみますか?」
さらっと、告げるアイリ。
「書き換えるって、それお守りの効力と別物だぞ。しかも、中身恋愛成就だろ?」
愛は地球を救う、ってか? と笑う恭也に、
「それもそうかもしれませんね」
と、アイリは否定せず、恋愛成就のお守りを手に取った。
「俺と、恋愛成就のお守り持っていいのか?」
そう訊ねる恭也に、アイリは不思議そうな表情をした。
「だめですかね」
「いや、だめってわけじゃないが……」
その先を、恭也は口に出来なかった。
こうして二人は、ペアの世界平和お守りを手にすることになったのだった。
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