リアクション
★えぴろーぐ★
広い屋敷の中に入ると、しんと静まり返っていた。当たり前だ。ここにはもう誰もいないのだから。
一歩歩けば埃が立つ……ことはなかった。
綺麗に掃除だけされた屋敷。長い間過ごした屋敷。いろんな思い出がつまった屋敷。
学校にも通っていない自分にとって、この屋敷は世界のすべてだった。周囲はソレを、閉じ込められていたのだといったけれど、自分にはそんな感覚はない。むしろ、守られていたのだと思っているし理解してもいる。
だというのに危険を冒して撮影に行く自分は、ひどく矛盾していて、笑えた。
「最近怒られるのが増えたよなぁ。お前はバカかって」
苦笑しながら足を進め、ある部屋の中に入る。自分の部屋だった場所は、やはりあの時のままそこにあった。
ベッドも箪笥も机も……写真たても。
笑顔の自分とドブーツ。その間にいる一匹の犬。初めての、友達。
もう知っていた。もう理解していた。
危険を冒してまで『外』に出ようとするのは
「なぁ。いつになったら、お前は助けに来てくれるんだろうな」
もう来てくれることはないのだと知っていても、諦めきれない弱い心のせいだと。
【若社長奮闘記】幻の鳥を追え! 完
どうも、舞傘です。
ふふふふ、たくさん妨害してやるぜ、とほくそ笑んでいたのに皆様があまりにもがっちりと身構えられていて、どうしよう? とか焦ったことなどありません。
氷の鳥はいかがでしたでしょうか。きっと。すごく綺麗なんだろうな、と自分で思いました(爆。
今回は私が書いている、というより書かされている(悪い意味ではなく、皆さんが動いている)という感覚がとても強く、私自身が皆様の分身であるキャラクターと冒険をしている気分になって楽しかったです。
まあいつも楽しいのですが、皆さんも楽しんでいただければ幸いです。
ご参加いただきまして、ありがとうございました。ジヴォート、ドブーツともに。また良ければ、よろしくお願いします。