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【第四次架空大戦】ティル・ナ・ノーグ

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【第四次架空大戦】ティル・ナ・ノーグ

リアクション


10 デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けのご都合主義な舞台装置)


 さてさて、そろそろ夢の世界もおしまいだ。
 夢なのを良い事に、好き勝手をされてしまったら世界が壊れちゃうじゃないか。
 夢の主はそんなことをつぶやいて、世界を再編成しようとする。
 私は、もっともっと、この夢のなかで遊んでいたいのだから、と――

 ところが、それを許さない者達がいた。
 三船甲斐拠点移動ラボの地下深く。彼女はそこに根を張っていた。
 そして、そこに客が訪れる。
 鳴神 裁(なるかみ・さい)を取り込んだアリス・セカンドカラー(ありす・せかんどからー)。そこに施されている封印を強化して、この世界でもっともっと遊ぼうとする彼女の存在がアリスを操り、そこによこしたのだ。
 正確には、アリスをそそのかし共謀することによってこの世界の法則を作り上げたのだ。
 理由はただひとつ、【働きたくない】
 そんな理由のために、アリスと彼女は多くの人間をこの夢に巻き込んだ。

「夢はいつかは終わる。永遠に遊ぶことなど不可能というものじゃ。そろそろこの遊びも終焉が近いかの。さて、エメラダよ、お主の使命を果たすため我の身体を使うがよい」
 すべてを悟った佐倉 薫(さくら・かおる)は、アリスをそそのかした【彼女】が産んだ修正力の具現であるエメラダ・アンバーアイ(えめらだ・あんばーあい)に、その体を差し出す。
 というのも、【彼女】が修正力を否定するためにその存在が崩壊しかかっていたからだ。
 そして、エメラダは薫と融合を果たし、猿渡 剛利(さわたり・たけとし)三船 甲斐(みふね・かい)を引き連れて、封印の間へと向かう。
 そう、エメラダこそが機械仕掛けのご都合主義の舞台装置(デウス・エクス・マキナ)を起動させてこの夢を終わらせる存在。エメラダの使命は『舞台装置(デウス・エクス・マキナ)を起動させる為のキーになることだったのだ。
 が、封印の間には先客がいた。
 そう、アリスだ。
「甲斐さん、確保です!」
 エメラダが叫ぶ。
「お、おう任せろ?」
 甲斐がアリスに掴みかかろうとするが
「いいわ、相手してあげる、魔王の力を得たわたしに勝てると思う?」
 とアリスが尊大に笑って襲い掛かってくる。
 これに対してエメラダは機晶融合石【フリージングブルー】で強化したホワイトアウトで対抗する。
 【彼女】こと【魔王】の力を得たアリスと、【彼女】の【理性】たる【修正力】の顕現たるエメラダの戦いは、人の世界から超越した次元の様相を見せ始めるが、次第に理性であるエメラダが【欲望】や【衝動】、【本能】の具現であるアリスに追い詰められていく。
 しかし、エメラダはその頃にはすでに仕込みを終えていた。
 ホワイトアウトによって封印の間は氷点下30度近くの冷凍庫の中のような状態で、甲斐と剛利はエメラダがはった結界のおかげで大丈夫なのだが、アリスは本人が気づかないうちにかなり冷えてきていた。
 そして、エメラダが腹痛の呪詛をつむぐ。
「うー! ぽんぽんいたいの……」
 突如襲った腹痛により、アリスは攻撃を止めてうずくまってしまう。
「あなたの選択肢は2つ、降伏かさもなくば……」
(降伏? するわけ……)
「……漏らしながら戦うかよ」
(え?もらしながら???)
「いやー、それだけはいやー!!」
「甲斐さん、こんどこそ確保!」
「了解」
 そんなコントが繰り広げられるが、これはまだまだ始まりに過ぎなかった。
「甲斐さん、おなかが痛いようだからさすってあげて」
(なでるってやばいんじゃねぇのか? 鬼や、鬼がおる)
「お、おう……」
「ちょ、はな、トイ、いけな、あ、やめてなでるとかやめ」
(まぁ、俺様も同じに目にあいたくねぇしやるけどさ)
 そして甲斐がアリスの腹を撫でる。
「さて、今のうちに封印解除、と」
 そして、コリマ校長の姿を形どった【彼女】が具現化する。
 そう、【彼女】の正体はコリマの無数のパートナーの中の一人で、コリマを眠らせて夢を見させ、そしてその夢の世界の管理人として世界を形作ってきたのだ。そして、コリマが目覚めてもなお、【彼女】は夢の世界を形成している。
 コリマの使役やパートナーたちとの人間関係(?)に疲れた【彼女】が役目を放棄して遊ぶための世界がここなのだ。
 あまりにも世界が面白く動きすぎて、自らが顕現して世界に介入し、悲劇のヒロインを演じてみたりもしたのだが、夢と認識するものが増えすぎたせいで、世界の法則が乱れてバランスが崩壊し、滅茶苦茶になってしまい始めたため、【彼女】はアリスをそそのかして封印を強化し、世界を再構築するつもりでいた。
 その結果、今現在この世界に存在するすべてのものは、一切合切霧散して、消えてなくなってしまうのだが……
「さて、校長、このわがまま娘を叱ってあげてください」
 エメラダがそんな風に校長に話しかけた頃
「あっ! ……はっはっはっ……」
「わりぃわりぃ。ちぃと強く押しすぎちまったな」
 と、裏ではコントがまだ続いていた。
「ぐ……ぐう……くぅ、こなったらアニメイトでコリマ校長の服をふんどし生命体(真のヘルガイア総帥)に変えてやるー!」
 自暴自棄になったアリスが、この世界の設定にとんでもない改変を加える。
 コリマ校長のふんどしが、ヘルガイアの真の総帥であるという設定だ。
「なんじゃ、おっさんの服がふんどしにっ……て! それがヘルガイアの真の総帥かーい! だめだ、つっこみがたりねぇ。だれか、これを何とかしてくれ……」
 そんなこんなで、そろそろこの夢もおしまいの時期が参りました。
 皆様、終わりの準備はよろしいですか?
 それでは、次の幕が開くまで、しばしお休みください。


担当マスターより

▼担当マスター

樹 和寿

▼マスターコメント

 お待たせしました。リリースするまでかなり間があきました。申し訳ありません。
 正直ティル・ナ・ノーグとか妖精の女王とか試練についてどのような内容にするかさんざん頭を悩ませておりました。
 リリース直前になって、自分で全部やることはない。PLの皆さんにも手伝っていただこう、ということで色々と設定をお任せしましたが、良い方向に動いたようで安堵しております。
 次回最終回ですが、ラスボスはこちらで指定させていただきました(これもアクションの結果から生まれたものですが)。
 当然想像は付いていると思いますが、リリーがコリマのパートナーでこの世界を作った当事者の一部の顕現となります。
 次回のリリースですが、7/10が最速になると思います。次回は今回の反省を生かして全部自分でやろうとしないで皆様にもお手伝いをお願いしたいと思いますのでよろしくおねがいします。


▼マスター個別コメント