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【第四次架空大戦】ティル・ナ・ノーグ

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【第四次架空大戦】ティル・ナ・ノーグ

リアクション


07 襲撃4


 勇者たちがカリバーンを撃退した直後だった。
「こちらストライクイーグル、これより勇者へ攻撃を開始する」
 その声は女のもの。
 柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)の新しいパートナーである柊 唯依(ひいらぎ・ゆい)がその主であった。
 オペレーターとして恭也が見つけてきた、ヘルガイアとは全く関係のない存在で、ただただ恭也の愛機ストライク・イーグルの操作をオペレートする。
 ストライク・イーグルは、パワーアップが終わり、ハデスの撃退も終わったのを見計らうと、突如として艦載用大型荷電粒子砲を遙か上空から真下に向けて撃ちはなった。
「上空に膨大な熱量。臨界まで3秒!」
 一足早くそれを察知したアポロンの警告により
「散れ!」
 勇平が合図を送る。
 そして、間一髪散開してできた空間に、ビームの柱が直撃したのだった。
「も〜う いくらティル・ナ・ノーグが朝になれば全て元に戻るからって言って壊しすぎ!」
 ラブはそう憤慨しながら、泉から退避する。
 ティル・ナ・ノーグでは女王が意図して復元しないと決めない限り、全てのものが翌日の朝には元に戻ってしまう。それ故に其処にはいつもリンゴの木がたわわに実を付け、生きている豚と、いくら食べてもなくならない料理された豚と、飲んでも尽きることのないエールがあり、英雄たちは戦っては死に、そして翌朝には生き返る戦争を永遠に繰り返すのだ。

 そして、ストライク・イーグルは、そのまま急降下をし始める。
「おーい、ドッグファイトしようぜ勇者!」
「面白いじゃなぁい、乗ったわ!」
 恭也の誘いに、ジヴァが乗る。
 ジヴァはツインレーザーライフルを発射すると即座にその場から移動する。
「どこだ!?」
 恭也がジヴァを探していると、唯依がそれを発見する。
「後ろを取られた!」
「とろいわよ!」
 ジヴァは挑発の言葉を送ると、ミサイルポッドを発射する。ミサイルの群れが糸を引いてストライク・イーグルヘ向かうのを、恭也はバレルロールを行なって急速回避しようとする。
「あまい!」
 だが、それらのミサイルは超能力によって操作され、そのままストライク・イーグルを追尾する。
「なんだって!? なんのジョークだこれは!!」
 恭也は毒づきながらもそのまま急上昇を行い、ミサイルに垂直のGをかけようとする。
 その目論見通り急激に別の方向にGがかかったミサイルは、中折れして空中で爆発する。
 恭也はそのままインメルマンターンを応用し反対方向に移動することによりコルニクスの後ろを取ろうとするが、ジヴァもなかなかのものでそう簡単には後ろを取らせてはくれなかった。
「デザインベイビーをなめないでよね。あんたたち劣等種とは! 存在の次元自体が違うんだからぁ!!」
 そしてコルニクスを人型にすると、インファント・ユニットを投射する。
「インファント・ユニット、いっけええええええええええええええ!!!!」
 そして、インファント・ユニットの移動砲台からビームを発射すると同時に、本体からはミサイルとツインレーザーライフルを発射する。さらに同時に機体の位置を急下降させてストライク・イーグルのレンジから外れるという行動を、瞬時に並行して行う。
 それに対して恭也は全速推進でコルニクスから距離を取るとともに、シャンデルで高度を下げつつ速力をさらに上げることでコルニクスの攻撃の射程外へと退避する。
「そっちこそ、甘いんだよ!!」
 十分に距離を取ると、恭也は艦載用大型荷電粒子砲を発射する。
「どうかしら!」
 ジヴァは飛行形態に戻すとインファント・ユニットも使用して、垂直に急上昇を行う。そして、ストライク・イーグルが射出後にこちらに接近しているのを見越した上で、急にすべての出力をカットする。
 そうすることによって機体が重力に引かれて木の葉のように下に下にと落ちていく。

 その落下を撃墜と勘違いして、美羽がグラディウスのブースターを噴かす。
「ジヴァちゃん!」
「っ! 馬鹿!」
「くそ!」
 そして、それを見て慌てて勇平がカバーに入り、その後にフレイが続く。
「ミレリアさん!」
「おぅけぃ!」
 ミレリアとリリーが示し合わせて更に周辺からカバーリングを行う。
「「「「「覚悟!!!!!」」」」」
 と、全員が攻撃態勢に入った時だった。
「恭也、ヘルガイア本土から撤退命令だ。国軍の再編が終わったらしい」
 唯依からの制止で、恭也が攻撃を解除してその一斉攻撃を回避する。
「……この歪んだ世界は一度リセットするべきなのさ。その為に俺はヘルガイアに居る」
 恭也はそう言い残すと、圧倒的な速度で空域を離脱。ティル・ナ・ノーグから姿を消した。