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学生たちの休日15+……ウソです14+です。

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学生たちの休日15+……ウソです14+です。
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リアクション

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「ハデス先生。不利です。私一人じゃ無理です! 全然こっちの言うこと聞かないじゃないですかあ」
 ペルセポネ・エレウシスが、話が違うとドクター・ハデスに言った。仕方ないので攻撃してはいるが、いつの間にか数体に増えたリーフェルハルニッシュに対して、逃げ回るのが精一杯だ。
「あー、仕方ない。もうちょっと逃げていろ。今、天樹十六凪のオリュンポス・パレスが、要塞砲の射程範囲まで移動中だ。そうだな、適当に近くの奴らを巻き込んでなんとかしてもらえ」
「は、はい……」
 いいんだろうかと思いつつも、ドクター・ハデスに言われた通りにペルセポネ・エレウシスはリーフェルハルニッシュをイレイザー・スポーンの方へと誘導していった。

    ★    ★    ★

「見つけたヨ」
 そこへ、ジャイアント・ビヨに乗ったアキラ・セイルーンとアリス・ドロワーズもやってきた。
「なんかいろいろいるなあ。ようし、イレイザー・スポーンをイレイザー・すっぽんぽーんにしちまうぞ。ぐふ、ぐふふふふふ」
 なんだか自分が考えた親父ギャグにツボって、アキラ・セイルーンがジャイアント・ビヨの上で腹をかかえて笑いだした。
 すると、そのギャグに鷽が反応したのか、イレイザー・スポーンの姿が、巨大な大蛇からすっぽんぽんの女性の姿へと変化していった。
「おお、イレイザー・スポーンが、自ら、イレイザー・すっぽんぽーんに! うおおおお、これはこれで……」
 いきなり現れた巨大な女子の裸体を見て、アキラ・セイルーンが、噴き出した鼻血をあわてて手で押さえた。
「やりにくいなあ」
 などと言いつつ、しっかりと携帯で動画を撮っている。とはいえ、元はイレイザー・スポーンである。まあ、どことなく、憑依していたコウジン・メレに似ていなくもないが。

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「な、なんという姿に!!」
 遠くからそれを目撃したコウジン・メレが、真っ赤になってわなわなと震えていた。大型のイコン並みの大きさになったイレイザー・スポーンが、全てのアワビと水炊きを吸収し、さらに肉体となる鷽たちを求めて平地へと出てきたのだ。
「まずいな。全ての鷽を吸収されてしまったイレイザー・スポーンが倒されでもしたら、全員分の銀砂が確保できない可能性がある」
 渋い顔をして、散楽の翁が言った。
「しかし、あそこまで巨大化されては、生身で近づいては危険です。ここはいったんお下がりを」
 タイオン・ムネメが、いったん全員に下がるように言った。

    ★    ★    ★

「きゃー、コハク、しっかりして!」
 自ら流した鼻血の海の中に倒れてピクピクしているコハク・ソーロッドの身体をゆさぶりながら、小鳥遊美羽が叫んだ。
 未だに女性の裸には免疫がないようだ。いったい、普段はどんな暮らしをしているのだろう。
 なんとか安全な所までコハク・ソーロッドを引きずっていくと、ローゼンクライネにコハク・ソーロッドのことを任せる。
「今、仇はとってくるからね」
 そう言うと、小鳥遊美羽は巨大化したイレイザー・スポーンにむかって駆け出していった。

    ★    ★    ★

「こ、これは……。まだ倒してもいないのに、戦隊ラスト五分の展開になるとは。だが、我には通用しない。くらえ、ひっさあつぅのぉ、ソークーツァンダー閃光キックっ!!」
 駆けつけてきた風森巽が、今日一日の鬱憤を晴らすかのようにイレイザー・スポーンにむかって必殺のキックを放とうとした。遥か高空までジャンプすると、一回転してから全身を目映い閃光につつんだキックを放つ……途中で、スカートがみごとなお猪口になった。
「し、しまった、今は女体化したままであった。ああ、ココさん、見ないでください……あべし」
 風森巽がいきなりスカートを押さえてバランスが崩れたところを、イレイザー・スポーンが手で叩き落とした。
「巽!」
 間一髪、地上に叩きつけられてミンチになりかけたところを、ココ・カンパーニュが風森巽の身体を受けとめた。そのままお姫様だっこして後退する。

    ★    ★    ★

「こおらあ、あなたはそんな悪いイレイザー・スポーンじゃないはずうさー。悪いことはやめて、大人しく私のペットになるうさー」
 U.T.フィールドを張りながら、ティー・ティーがイレイザー・スポーンを説得しようと声をかけた。そのまま、天使のレクイエムで眠らせようとするが、その歌声が自分のU.T.フィールドに跳ね返されて、自分自身が眠ってしまう。
 かろうじて歌の影響を受けなかったレガートさんが、ティー・ティーを乗せたまま、あわてて後退していった。

    ★    ★    ★

「しまったあ、イコンを降りるんじゃなかったかも。でも、負けないんだから。行くよ羽純君。魔法少女マジカル☆カナ、アルティメットフォーム!」
 イレイザー・スポーンを見つけた遠野歌菜が、二段変身で最強形態へと姿を変えた。とたんに、ムキムキの北米体系に体つきが変わる。
「えっ……」
 予想外の姿に、遠野歌菜が顔面蒼白になった。アイドルとしては、この精神ダメージはかなりきつい。
「うっ、い、いや、俺は大丈夫だ。ムキムキになっても、歌菜は可愛い」
 ちょっと無理しながら、月崎羽純が遠野歌菜に言った。いつの間にか、元の姿に戻っている。それほど、この遠野歌菜の姿はショックだったのだろうか。
「顔が少し笑ってない……」
 ボソリと遠野歌菜に言われて、月崎羽純がますます引きつる。
「おのれ、鷽とイレイザー・スポーンめ、私の歌を聞いて心底反省しなさい!」
 怒りを込めて、遠野歌菜が歌いだした。
 野太いほどの圧倒的な声量が、エクスプレス・ザ・ワールドで冷たい視線の槍となってイレイザー・スポーンに降り注いだ。同時に、月崎羽純も剣の舞でサポートする。
 だが、巨大化したイレイザー・スポーンは、ペルセポネ・エレウシスが誘導してきたリーフェルハルニッシュを見つけると、いきなりつかみかかっていった。それを盾にして、遠野歌菜たちの攻撃を跳ね返す。
 そのまま漆黒のイコンをバラバラにすると、イレイザー・スポーンはその装甲を取り込んで自分の物にしていった。すっぽんぽんに部分装甲という、なんともちぐはぐでエロい姿へと変貌したのだ。
「これでは、生半可な攻撃は効きませんわ」
 いきなり敵の防御力が高くなって、エリシア・ボックがむっとした顔をした。
 とはいえ、イレイザー・スポーンやリーフェルハルニッシュ程度の敵であれば、ここにいる者たちの力であれば強敵というほどのことはないはずだ。だが、どうにも、攻撃が効いていない。おそらくは、鷽を取り込んだことによって、みんなの「最期に倒すべき敵」という設定を反映して、無敵のラスボス化しているらしい。今までの鷽の本体との戦いの歴史から考えて、これは相当にやっかいだった。
「もし、このままの無敵状態で世界樹へ行かれたら、まずいですわね……」
 なんとしても、ここで倒さないと大変なことになる。鷽の力を全開で使われたら、世界樹の防壁も適当な物に変えられてしまうだろう。

    ★    ★    ★

「ああ、変な鎧でいろいろ隠されて……。ふむ、でも、これは、これでちらりズムという……いてっ」
 変なことに感心して攻撃がおろそかになったアキラ・セイルーンの頭を、アリス・ドロワーズが無茶苦茶ポカポカと殴った。
「もう、役立たずネ。ピヨ、やってオシマイ!」
「ピヨ!」
 アリス・ドロワーズの命令に、ジャイアント・ビヨが装甲を纏ってメカ・ジャイアント・ビヨに変化した。
 目からビーム、口からレーザー。
 さすがに、イレイザー・スポーンが防御姿勢をとる。
「ハデス様、射程内に到達しました」
 遅ればせに、有効射程内に到達したオリュンポス・パレスから、天樹十六凪がドクター・ハデスに連絡を入れた。
「よし、ここで、我らがオリュンポスの底力を他の者たちに見せつけるのだ。オリュンポスキャノン、発射!」
 ドクター・ハデスが天樹十六凪に命令を発する。
「いえ、この場合は周りへの被害や精度を考えて荷電粒子砲が妥当ではないかと……」
「何を言う。止めは、我が秘密結社オリュンポスの名をいただくオリュンポスキャノンでなければダメであろうか。しのごの言わず、発射しろ」
「仰せのままに」
 半ば無理強いされて、天樹十六凪がオリュンポスキャノンの発射スイッチを押した。直後に、オリュンポスキャノンの絶大な破壊力が、木っ端微塵にした、オリュンポス・パレスを……。
「ハデス先生、なんで自爆したんですか!?」
 墜落していくオリュンポス・パレスを唖然と見つめながら、ペルセポネ・エレウシスが聞いた。
「お約束だからだ」
 鷽の巣では致し方ないことだと、ドクター・ハデスは答えた。