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【空京万博】オラの村が世界一!『オラコン』開催!

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【空京万博】オラの村が世界一!『オラコン』開催!

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終章  グランプリ決定!



「皆さん、大変おまたせ致しました!それでは、人気投票上位3位の発表です!」

 ステージ上に、森下冬希の明るいアニメ声が響く。
 森下は、ヒーローの司会のおねぇさん振りを買われた、グランプリ発表会の司会に抜擢されていた。

「まずは第3位ですが、今回はこちらを飛ばしてなんと2位からの発表!これはつまり、同点2位のブースが2つあるということです!」
「では発表します。同点2位のブースは、【悪の秘密結社オリュンポス名物 怪人のお面+DVD】と、【黒羊郷の名物鍋 ギャザリングもつ煮込み】です!」

 御上の読み上げに、会場からどよめきが上がる。

「続いて、グランプリの発表です!『オラの村が世界一!コンテスト』グランプリは……【橙の村、一人前の蜂蜜パンケーキ】です!」

「や、やったでオリバー!俺ら優勝したでーー!!」
「ヤッター!やっしー!!」

 喜びの余り、お互い抱き締め合って喜ぶ終夏
 
「ワーイ、ガレットちゃ〜ん!」
「やったね、千尋ちゃん!優勝だ!」

 千尋を抱き上げて、くるくる回るガレット。

「スゴクない?アタシたち。優勝だよ、優勝!!」
「おぉ、未来!スゴイもスゴイ、これ以上スゴイことないで、ホンマ!!」
「……で、いつまで抱き合ってるの?2人共?」
「え……?」
「あ……?」

 未来に指摘され、初めて抱き合っているコトに気がつく2人。
 すぐ目の前に相手の顔があるという状況で、思わず見つめ合うことしばし。

「こ!こっ、こっ、コレは!え、えろうスンマヘン!!」
「いっいっいえ!、こ、こちらこそ……」

 我に返った途端、『バッ!』と離れて真っ赤になる2人。


「それでは、優勝ブースである【橙の村、一人前の蜂蜜パンケーキ】と、2位の【悪の秘密結社オリュンポス名物「怪人のお面+DVD」】、【黒羊郷の名物鍋 ギャザリングもつ煮込み】代表者の方にトロフィーと、副賞として『商品化確約証書』が渡されます!

 満場の拍手と、お決まりの賞状の曲「見よ、勇者は還りぬ」が流れる中、トロフィーと副賞を嬉しそうに受け取る各ブースの参加者たち。
 最後に、運営委員会代表の円華の簡単な挨拶と、「もしまた機会があれば、こうした物産展を開いていきたい」旨の発表を持って、取り敢えずコンテストととしてのオラコン自体は終了となった。

 しかし、万博自体はまだ開催しているし、まだ商品が残っているブースもあることから、各ブースの運営は、運営者の自主判断によって延長してよいことになった。

「やっしー。これ、私とガレットからの、お礼」
「オ!これは!!」

 終夏から手渡された箱の中には、蜂蜜パンケーキがズラッと並んでいる。

「皆のお陰でグランプリも取れたしね。3人で食べてよ」
「うわー!有難う、オリバー!」
「ねえねえマスター!優勝記念コンサート、この中央ステージ借りてやろうよ!ね、いいでしょ、マスター!」
「モチロンや、ちょっとお嬢に頼んでくる!」
「わ、私も!待って、やっしー!」

 駆け出そうとする社を、追いかける終夏。

「あらら〜。すっかり仲良くなっちゃって、マスターったら♪」

 いつの間にか2人は、手をつないで走っていた。

「追加コンサートやるんだって?なら、俺も混ぜてくれないか?」
「あ!あなた、確かスゴイ真剣な顔で、私の歌聞いてた人でしょ?」
「あぁ。遊馬 シズ(あすま・しず)だ。覚えててくれたのか!」
「そりゃあもう。ステージの上からなら、一生懸命聞いてくれてるお客さんのコトは、すぐにわかるもの。それで、混ぜてくれって……?」
「俺、フルート吹けるんだ!」
「あら♪クラッシックとセッション?それなら、オリバーにもヴァイオリンお願いしようかしら!」
「ヴァイオリンか!それはいいな!」



「だ、誰だ、白竜、その女!」

 白竜の腕にしなだれかかる美人に、腰を抜かさんばかりに驚愕する羅儀

「……ついに、技術の習得に成功した」
「習得に成功って、お、オマエ、ナンパに成功したのか!」
「ナンパされちゃった♪」

 明らかに白竜よりも年上の、水商売っぽい女性は、そう言ってウィンクする。
 たったそれだけの動作にも、隠し切れない色気が溢れている。 

「俺が警備担当とわかって、それでも協力してくれるというんでな。協力してもらっている」
「白竜クンってば、寡黙で不器用なトコがとっても可愛くって……。アタシ、こういうタイプに弱いのよ〜」
「と、年上の、しかもプロ受けって、どんだけマイナーなんだよ……」
「ねぇ、白竜クン。早く行こ、警備♪」
「それじゃ、羅儀。俺はこの後も『しのぶ』さんと警備当たるから」
「じゃあねぇ〜」

 ヒラヒラと手を振りながら、しのぶという女性と去って行く白竜。

「しのぶってオマエ、それ源氏名じゃ……?」

 その背を見つめながらも、羅儀には、これ以上言葉をかける事が出来なかった。



刀真〜!警備、お疲れさま〜♪」
月夜!って、ど、どうしたんだ、その格好は?」
「えへへ〜。どう、セクシーでしょ〜」

 一体ドコから借りてきたのか、月夜は現在パピリオンの【コンパニオンコスチューム】を着て、ポーズを取っている。
 斜(ハス)にかぶった、イカ女のお面が可愛らしい。

「い、イヤ。ま、まぁ……な」
「なぁに〜!もう刀真ったら、そんな赤くなって目逸らしちゃって〜。折角刀真のタメに着て来たんだから、ちゃんと見てくれないと、ダ・メ(はぁと)」

 月夜はそう言って『そそっ』と刀真に擦り寄ると、「エイッ!』とその右腕に抱きついた。

「こ、コラ!月夜……」
「どう、嬉しい?柔らかい?」

 刀真の腕に、『ポヨン♪』という、控えめながらも柔らかい感触が伝わる。

「いや、まぁ、その、嬉しいし、柔らかいけど……じゃなくて!み、右腕はよせ!」

 利き腕を拘束されては、イザという時何も出来ない。

「も〜、いいじゃない、少しくらい〜。もう警備終わったんでしょ」
「そ、そういう訳にはいかない。全部のブースの営業が終わって、家に帰るまでが警備だ」

 微妙に何を言っているのかよく分からない刀真。

「え〜!折角オラコン終わったら、一緒に遊ぼうと思ったのに〜!いいじゃな〜い、遊びながら警備すれば〜!」
「そ、そんな適当な警備があるか!」
「……そう。わかった。刀真、やっぱり私のコト、キライなのね……」

 『ガーン!』という顔をして、よろけるように刀真から離れる月夜。
 その目に溜まった涙が、今にもこぼれ落ちそうだ。

「な、なんでそうなる!わかった、わかったから!遊びながら警備する!だから、そんなコトで泣くな!」
「ホント!やった〜!じゃ、今度は刀真が『パラミタブラック』ね!」
「な、なんだそのパラミタブラックって!?」

 午後の公演が大好評だったので、オリュンポスのヒーローショーも急遽アンコール公演が決定していた。

「うん。あのね、私が『今度は刀真とヒーローしたいな〜』って言ったら、クロセルが、『なら俺は今回は演出に専念するからいいよ』って、替わってくれたの。いい人だよね〜。クロセルって」
「いや、あの、さっぱりわかんないんだが……」
「ダイジョブ、私も最初は全くわかんなかったから!」
「え〜、まだわかんないの……。もう……、じゃ、エイッ!」

 イキナリ背伸びして、刀真の頬にキスする月夜。

「な!ナナナナニを!?」
「ナニって……もう、刀真ったら。一回じゃ足りないの?もう……、今日は特別なんだからね♪」

 いそいそと、今度は反対のほっぺたにキスをする月夜。

「さ、行こっ、刀真!一応リハしとかないとね!」

 パラミタレッドの必殺技『ツインクラッシュ』の衝撃から未だ立ち直れない刀真を、ズルズルと引き摺っていく月夜。


「スゴイ豹変ぶりでしたね〜、月夜さん〜」
「打ち上げでちょっと飲んだだけだったのに……。恐るべし『キヌアのミストはちょっぴりスイート』!」

 一部始終を物陰から見つめていた、なずなと森下は、改めてキヌアウィスキーを見つめた。
 途端にその琥珀色の液体が、媚薬かか何かのように見えてくる。

「討魔さんに、飲ませてみたらどうですか?」
「酒豪なんですよ、若様」
「なずなさんは、シラフでもあんなカンジですしね……」
「そんなホメられても−−」
「いや、別に褒めてないですけど……」

「あ、いたいた!2人とも、リハーサル始まりますよ!」
あゆみさんが『パラミタレッドの出来に納得が行かない』って、森下さんの指示待ってますよ!急いで下さい!」
「ハ〜イ!」
「すぐに行きま〜す!」

 八重たちに呼ばれて、駆け出す2人。

 オラコンは、まだまだ続きそうだった−−。

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【各パピリオン獲得PP集計】

“シャンバラの伝統”パビリオン

 【雪だるま王国物産展】      :14 【成功】 PP+1
 【キヌア酒造】          :15 【成功】   +1
 【ケロッPカエルパイ EX】   :21【大成功!】  +2
 【イリヤイケ麺】         :21【大成功!】  +2
 【大荒野のジーンズ、アトラス染め】:18 【成功】   +1
 【橙の村、一人前の蜂蜜パンケーキ】:26【大成功!】  +2 ★第一位につき、さらに+6!

合計獲得PP:15



“シャンバラの現在”パビリオン

 【悪の秘密結社オリュンポス名物 怪人のお面+DVD】:24【大成功!】PP+2 ★第二位につき、さらに+3!

 合計獲得PP:5



“シャンバラの未来”パビリオン

 【黒羊郷の名物鍋 ギャザリングもつ煮込み】:24【大成功!】PP+2 ★第二位につき、さらに+3!
 【月美そばのいちばん長い日】       :20【大成功!】  +2

 合計獲得PP:7



パラミタパビリオン

 【西カナン・オルトリンデ領 民族衣装体験即売会】:22【大成功!】PP+2

 合計獲得PP:2

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担当マスターより

▼担当マスター

神明寺一総

▼マスターコメント

 皆さん、こん○○は。神明寺です。
 『オラコン』、いつもよりちょっぴり早くお届け出来ました……って、でもまだ遅れてますね。ゴメンナサイ(汗)。 

 今回は、ちょっと特殊な処理を採用したのですが、最終的にどんなカンジに仕上がったでしょうか。
 基本的には、ユーザーさんに上げてもらったものに、少し色をつけるくらいの出来にしたのですが、ごく一部、やたらと暴走している(主にマスター)ブースがあるのは秘密です。

 警備の方は、多くの方が本部の意図を受け取ってくれて、変装したり、潜伏したりして警備してくれましたので、不快度チェックはそれ自体行わないことにしました。
 このあたりは『敢えて目立つように警備すると警備値にボーナスがつくが、その代わり不快度チェックが発生する』とすれば良かったかな〜と今では思います。

 参加状況を見て、『だいぶ警備がキツそうだ』と追加で犯行予告を出してみたら、今度は予想以上に警備に人が集中してビックリとか、システム面では色々と見直すべき点が多いので、今回の経験を生かして、いずれまた、より洗練されたスタイルで望みたいと思います。
『今回楽しかった〜!』という方、もしいらっしゃいましたら、その時はご参加よろしくお願い致します。

 ……という訳で、今回はここまで!

 いつものように、感想スレになんか書いて頂けると、マスターは非常に喜びます。
 24日のオフイベにも参加しますんで、おいでになられる方は現地でお話頂いても……です。

 次回は、今回のシナリオの内容を踏まえた連作になる(予定)ですので、またよろしくお願いします!



 平成辛卯 秋長月


 神明寺 一総