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最後の願い 後編

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最後の願い 後編

リアクション

 
エピローグ

 負けを認めた以上は大人しくしているということなのだろう。
 巨人はその後は抵抗する様子もなく、一時的に、宮殿の敷地内にあるイコンの格納庫に拘留された。
「ふふふ見事俺様の勝利だぁぁ! ていっ! ていっ!」
 数機のイコンがそれを監視し、そこに加わった変熊仮面の機体が戯れに蹴り付け、返り討ちにあってひっくり返されたりした他は、特に問題もなく、やがてオリヴィエが、小鳥遊美羽ルカルカ・ルーらに伴われて王宮に連れられた。

「あなたがラウル・オリヴィエ? 初めまして」
「初めまして、代王。この度は迷惑をかけたね」
「全くよ」
 理子は苦笑する。
「大体の事情も、報告を受けたわ。追加して言いたいことはある?」
「手回しがいいね」
 オリヴィエは笑った。
「あたしの友達は皆、優秀なのよ。
 女王殺害も、ちゃんと阻止したでしょ?」
 胸を張る理子に、オリヴィエはそうだねと頷く。
「アルゴスは無事かな」
「ええ。とりあえず拘留させて貰ってるわ」
「彼も死に損なったか。巻き込んでしまったな……」
 はあ、と理子は溜め息を吐いた。
「まどろっこしいわ」
 びし、とオリヴィエを指差す。
「女王殺害は大罪よ」
「そうだね」
「でも、あの絶対防御力を持つゴーレムは、とても魅力的だと思うの」
「光栄だな」
「しかももっと沢山あるんですって?
 そんなもの他に流されたら堪らないし、正直魅力的よね。
 というわけでシャンバラ王家に献上して貰うわ。
 ガイメレフで、女王護衛騎士団を編成しようと思うのよ」
「………………」
 オリヴィエは、黙って理子を見て、少し首を傾げた。
「そんな重要なことを、簡単に決定していいのかい?」
「まどろっこしいことは嫌いなの」
「私は、女王殺害を企てた大罪人だよ」
「女王は、あなたを憶えてるそうよ」
「えっ?」
 オリヴィエは、意表をつかれた顔をした。
 理子は、してやったりと笑う。
「アイシャは、前女王の力と記憶を受け継いでるのよ。その中に、あなたの姿があるって」
「会ったのは、ニ、三度くらいなんだけどな」
 しかも、宮廷魔導師である祖父の後ろで、ただ控えていただけだ。
 名乗ったことすらなかっただろう。
「代王として、女王の言葉を伝えるわ」
 理子は表情を改めた。
「あなたの処分は、一時的に保留にします」
「……意味が解らないな」
「未遂だったしね。
 独断で死を与えるような、独裁的な女王にはなりたくないそうよ。
 大事にもしたくないって」
 オリヴィエは苦笑した。
「今更?」
 もう既に、大事になっていると思うのだが。
「どっこい、今回のことに、国軍は動いていないのよ。
 あたしの個人的な呼び掛けに、皆が集まってくれたけどね。
 王宮騎士はほら、鏖殺寺院対応で動いてたから」
「……それは、ものすごいこじけつだ」
 それに、自分達は教導団の演習場を襲撃している。
「うん。教導団よね、教導団。国軍じゃなくて。
 ちゃんと弁償してね。
 教導団臨時会計を名乗る久我グスタフってのが、請求書持ってこの後待ってるから」
「………………」
「とりあえず、あなた達の処分は、今回のことに関わった皆で決めることにするわ。
 そう女王が望んでるの。
 それまで処分保留。
 王宮は今色々忙しいので、監視付きで自宅待機。大人しくしててね」
 オリヴィエは、軽く額を押さえた。
「……大丈夫なのかい? この国は」
「大丈夫よ。女王護衛騎士団も編成されるしね!」
 理子は笑った。
 

担当マスターより

▼担当マスター

九道雷

▼マスターコメント

 
 こんにちは、九道です。
 お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。
 長らく引っ張ってきました物語に、ようやく一区切りつけることができました。
 お付き合いくださいました皆様、シナリオを盛り上げてくださってありがとうございました!


 今回の戦闘における判定結果は、
 オリヴィエ宅襲撃撃破成功、
 ウーリアのテレポート(出し抜き、便乗共に)阻止成功、
 巨人のテレポート阻止には失敗、
 王宮警備成功、です。

 グランディエは実は、「彼を警戒するアクションの人のところに現れる」という内部設定でおりました。
 というわけでオリヴィエのところに襲撃。猛者が集っておりましたので、撃破成功。

 ウーリアは、転移を出し抜かれると、護符によって祈祷所への侵入は阻止できるものの、次に巨人が(阻止できなかった場合)祈祷所に転移できてしまい、
 更に出し抜きを阻止できても、巨人の転移に便乗されると、一緒に転移して行ってしまう(その場合は護符に弾かれて、2人共王宮の外に、となりますが)、という二重の判定がありました。

 対巨人の方は、アクションに居場所の指定がない限り、基本的に前回の続きで描写しています。
(前回シャンバラ大荒野にいた人は、サルヴィン川の庵に向かい、王宮にいた人は王宮で)
 ですが人数的にバランスが悪かった為、判定の後で、ダイスを振って王宮警備に回っていただいた方がいますのでご理解いただければと思います。
 判定基準は、大体前回と同じで、ここの判定が最も難易度が高かったです。

(あと実はもうひとつ、難易度を高く設定していたポイントがあって、『転移装置を使用される前に壊す』だったのですが、実のところ私としましては、装置壊すアクションが来たらどうしよう! とビクビクでした。
 しかし皆さん、空気を読んでくださったようで……。有難うございました)

 ゴーレムに乗り込むアクションも複数ありましたが、判定基準を満たしていませんでしたので、理子が乗り込むこととなっています。
 判定基準は、ゴーレムの使用に、集計でトップになったものと同じものを選択している、ということでした。


 ゴーレムの使用を選択する結果は、

 護衛6、
 使わない5、
 どっちでもいい2、
 攻撃1、
 不明(その他)5、でした。

 MCとLCで1つずつ、別々の用途を書かれていた方がいらっしゃいましたが、MCの方に書かれていた分のみをカウントさせていただいています。
 また、MCとLC全員で同じ用途を書かれていた場合も、1票としてカウントさせていただいています。
 きちんと明記してなくて申し訳ありませんでした。

 実は、この選択は、オリヴィエの生死判定になっていました。
「護衛に使う」が多かったら最終的にオリヴィエは生き延び、
「攻撃に使う」「使わない」の方が多かったら死ぬ、という設定でおりました。
 ドキドキしながら集計しておりましたが、ギリギリで生き延びました。
(攻撃と不使用の合算で護衛に並ぶので、悩んだのですが……まあそこは、独立集計にさせていただきました)
 これで、打ち上げシナリオをやることができます!


 さて、打ち上げシナリオの際に、ゴーレムを女王護衛の為に使うと選択して下さった方の内、希望される方に、
『女王の絶対なる盾の騎士』の称号をお贈りいたします。
 該当される方(「護衛に使う」で選択してくださった方)には念の為、個別コメントでお知らせしております。
 MC予定ですが、LCの方に付けて欲しい、という方は、アクションの際にその旨お知らせください。

 ワンクッション置かせていただきましたのは、事前の告知が全くありませんでしたので、「うちのPCはそういうキャラじゃない」という方もいらっしゃるかと思ったからです。
 実はアイテム化という夢も抱いていましたが、残念ながら実現できませんでしたので、称号対応ということでよろしくお願いします。

 こちらは、特別な階級というわけではなく、王宮騎士団1班、2班、盾の騎士班、みたいな感じです。
『女王の絶対なる盾の騎士団』(長い)という騎士団が編成されることになり、それに所属ということになりますが、今後特にシナリオで召集がかかったり、行動を制限されたりすることは無いと思います。
 他組織との掛け持ちも可です。(悪の組織を除く)
 ガイメレフは、女王護衛以外の用途には使えませんので、使い勝手が悪すぎで申し訳ありません。
 騎士団としては人数が少ないですので、理子はどこかでメンバーの増強をするでしょう。

 尚、オリヴィエが会ったことのない方に対しては、流石に彼は渡すのをためらいますので、該当の方は、理子(運営)判断を通させて頂きます。


 それでは、よろしかったら打ち上げシナリオもよろしくお願いします。