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死いずる国(後編)

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死いずる国(後編)
死いずる国(後編) 死いずる国(後編)

リアクション


合致した経路
PM17:00(タイムリミットまであと6時間)


「俺が考えていた経路は――ここだ」
「なるほどねぇ」
 横須賀基地近く。
 先行していたリナリエッタとアキラ達は、アキラが考えていた基地への潜入経路の前に立っていた。
 それは、下水道。
 奇しくも『横須賀崩しR』を考えていた死人、祥子たちと同じ経路だった。
「早速、潜って……ん?」
 経路を確認していたアキラは首を傾げる。
 この下水道の入口に、人の手が加えられている跡があった。
 それも、ごく最近。
「どうしたんだい?」
「誰かが先にこの経路を使った跡がある」
「なるほど……そいつぁ、どう考えても私達の仲間じゃなさそうだね」
「嫌な予感しかしない。急ごう!」

   ◇◇◇

「くらえぇえええ!」
「あぁああはははっ、行け行け行けえっ」
 横須賀基地内部。
 なんとか基地の潜入に成功した祥子と美羽コハクの接ぎ死体は、猛烈な反撃にあいながらも基地内部の生者を倒していった。
 祥子がまずやったことは、先日生気を吸った男との接触だった。
 しかし、死体については基地の人間も熟知している。
 新たな死体になる予定の人間をいつまでも基地内部に放置している筈はなかった。
 戦力差は、大きかった。
 しかしある一定の山を越えると、それはだんだん拮抗してきた。
 祥子の、美羽とコハクの作り出した死人が生者を圧倒し始めたのだ。
「くそっ、これまでか……」
 祥子に迫られた軍人が、覚悟を決め最後の抵抗を見せようとしたその時。
「ひゃああああア!」
 アリスが、飛んできた。
 がこーん。
 文字通り矢にくくりつけられて飛んできたアリスが、祥子に激突した。
「うわっ!」
「あうウ……対コームラント・ジェノサイドにはやっぱり効かなかったワタシですが、対死人ではがんばりますヨ!」
「間に合って……ないよね」
「はっ、やっぱり基地はラスボス状態じゃない。いくよ!」
 アキラとリナリエッタが、死人の前に立ちはだかる。
「あ、俺たち怪しいモンじゃないんで……これ」
 聡からもらったメモを見せるのも忘れない。
「オヅヌコロニーの連中? 今更来てももう遅いわよ!」
「やってみなきゃ分からないじゃん!」

 基地の中の攻防が始まった。