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【マスター合同シナリオ】百合園女学院合同学園祭!

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お姫様のお茶会・1

「ラズィーヤさんはプライドが高いからねぇ」

百合園生、ミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)は、
プリンセスカルテットに苦笑して見せた。

「そうなのですか?
わたくし、やはり何か怒らせるようなことをしてしまったのでしょうか」
「気にしなくていいわよ、グィネヴィア。
あたしたちにケンカを売ったことを後悔させてやりましょう!」
ティル・ナ・ノーグ出身のグィネヴィア・フェリシカに、
シボラ出身のシェヘラザード・ラクシーが言った。

「そうだね。
せっかくのお姫様のお茶会なんだし、どこまで食い下がれるか
やってみようじゃない、ネ♪」

ミルディアが、にっこり笑って見せる。
全面的に、プリンセスカルテットに協力するつもりであった。

ミルディアが用意するのは、
「地上の味」をテーマとした、地球の様々なハーブティーを中心としたお茶である。
ミルディアの経営する、ディスティン商会をはじめ、
地上で貿易商をしている父の協力もあり、
珍しいハーブティーを入手していた。

「これなら、ラズィーヤさんにも対抗できるかな?」
「おお、これは珍しい」
エリュシオン出身のソフィア・アントニヌスが感嘆する。
「これは、私も負けてはいられないな」

「なかなかやるわね!
シボラ名物、芋虫の蜜漬け食べてみない?」
シェヘラザードの差し出したお茶請けに、ミルディアは物おじせずに挑む。
「へぇ、芋虫の蜜漬けかぁ……。
地球のオーストラリアの、
ウィッチェティ・グラブって芋虫も
コクがあってトロリとして美味しいよね♪
……っとどれどれ?」
頬張ると、口の中に甘みと、独特の香りが広がった。
「確かに、お茶請けにはいいかも♪
見た目で尻込みする人はいるみたいだけど、
そんな事言ったらナマコとか
エビとかの方がもっとすごいよね?」
ミルディアが、地球の日本での食文化も引合いに出したことで、
参加していた百合園生や他校生たちも、
おそるおそる手を出してみる者が出始める。
「あ、おいしい」
「でしょ?」
ミルディアが、微笑み、シェヘラザードが、満足そうに、うんうん、とうなずいた。

イルミンスール魔法学校のリース・エンデルフィア(りーす・えんでるふぃあ)も、
パートナーたちとともに、
お茶会に参加していた。

「ラズィーヤさんに対抗、ですか?」
他校生のリースは、百合園の内部のことはよくわからない。
なので、「新入生いぢめ」というのも、皆が冗談を言っているものと思っていた。
「まあ、それもあるけど。
まずはお茶会を楽しもうってことで♪」
ミルディアが、ハーブティーを勧める。
「あ、おいしいです」
「よかった。自慢の一品なんだよ」
目を細めるリースに、ミルディアが胸を張ってみせる。

「いざ、参る!」
一方、ソフィアは、宣言していた通り、
茶葉を剣で刻みはじめていた。

マーガレット・アップルリング(まーがれっと・あっぷるりんぐ)が、それを見て感心する。
「わー、剣が何本にも見える!
あたし、茶葉をあんなに早く剣で切るのって始めて見たよ!
やっぱ、ソフィアは凄いね!」

「……」
「……」
リースと、ナディム・ガーランド(なでぃむ・がーらんど)は、
その様子を、なんとも言えない表情で見つめていた。

「ん? なんでリースもナディムも
『ないわー』みたいな引き気味の目でソフィアの事見てんの?」

「あ、いえ、その」
「そんなことより、別の茶も飲んでみようぜ!」
リースとナディムは目を逸らし、
ナディムが強引に話題を変える。

「では、コンロンのお茶などいかがでしょう?」
コンロン出身の楊霞(ようか)が、洗練されたメイドらしく、
お茶を勧める。

「それって、もしかして……」
ナディムは、後ずさりながら言う。
「コンロンの『花茶』って言ったっけ?
確かに、透明なポットの中で茶葉が花みたいに広がってて綺麗だけどさ……。
ポットん中の茶葉の中心に目玉があってこっちガン見してくんだよな……」
「よくご存知ですね」

「ティル・ナ・ノーグ! ティル・ナ・ノーグの茶はないのか?
なあ、姫さん、故郷の茶をリースたちに案内してやれば?」
ナディムが「姫さん」と呼ぶ、
セリーナ・ペクテイリス(せりーな・ぺくていりす)が、にっこりうなずく。
「確かティル・ナ・ノーグには、
紅茶の中に入れると紅茶の色を変える
面白いお砂糖があったと思ったんだけど……このお茶会にはあるのかしら?」

「なにそれ、面白そう!」
好奇心旺盛なミルディアも食いついてくる。
「確か、お砂糖を入れる時に自分が思い浮かべた紅茶の色と
お砂糖を入れて色の変った後の紅茶の色が同じだったら
その日1日は良い事がある日、なのよね」
セリーナが、両手を合わせて言う。

「ありますよ。綺麗なお砂糖ですよね」
グィネヴィアが、色の変わる砂糖を取り出す。
「わあ、きれいですね」
リースが、パステルカラーの砂糖に目を輝かせる。

「ピンクに変わりますように……ふふ、今日は良い日みたい」
セリーナが、紅茶を見て言った。

「ほう、中々の茶葉を使っておるな。さすが姫の茶は違うのう」
鵜飼 衛(うかい・まもる)が、
隣の安徳 天皇(あんとく・てんのう)に話しかける。
「うむ。パラミタでは様々な経験をしておるが、
このように異国の茶が一堂に会するのは珍しいの」
安徳天皇がうなずく。

「どうじゃ、大分リラックスするであろう?」
衛が目を細め、安徳天皇に言う。
「おぬしが生前どれほどの重荷を背負っておったかは知っておる。
そして今も色々な責任を背負い込んでおることもな」
「衛、おぬし……」
安徳天皇が、ティーカップから顔を上げる。
「妾には心強い友達が大勢おる。だから、大丈夫じゃ」
「ああ」
衛はうなずく。
「おぬしを支えてくれる友人もたくさんおるのは心強いよな。
じゃがわしのように年寄りのように
話を聞いてくれる茶飲み友達も必要ではないかと思ってのう」
「茶飲み友達か……。
まさに、そのとおりじゃな」
安徳天皇が微笑んだ。
「おぬしのように重圧に潰れた連中はたくさん見てきておる。
故に気にかけてしまう。年寄りの悪い癖じゃが、許せ」
「ああ、大変な時は、友達に助けを求めるようにするつもりじゃ。
もちろん、妾も、友達が困っているときは、全力を尽くすぞ」
「カッカッカッ!」
衛は声をあげて笑った。
「おぬしらしいのう」
「それは、褒めてくれているのか?」
「もちろんじゃ」
衛の言葉に、安徳天皇は笑顔を見せた。

そのころ、
ルドウィク・プリン著 『妖蛆の秘密』(るどうぃくぷりんちょ・ようしゅのひみつ)は。
パートナーの衛と安徳天皇の様子を離れた場所から凝視し続けていた。
これには、二人の邪魔をしないようにという配慮もあるが。

「……ああ、ショタとロリがデート……!
出血覚悟の大シチュエーションですわ!」

『妖蛆の秘密』は、鼻血を出しながら、ストーキングを続けていた。

「幼いお二人の姿、優雅にお茶を嗜む姿、
憂いを含みながらも幼さ特有の天心万欄に談笑する姿……。
すべてが絵になる姿!
ああ、まさにわたくしが垂涎する場面ですわ」
実際に、『妖蛆の秘密』はよだれもたらしている。
また、鼻血がだくだくとティーカップに注がれていたが、
『妖蛆の秘密』は気にせずにお茶を飲んでいた。