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【2022修学旅行】2022月面基地の旅

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【2022修学旅行】2022月面基地の旅

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第3章 宇宙王

「ああ、よく寝たわ。昨日は楽しかった! 今日も故郷で修学旅行なんて、素敵ね。朝からテンション上がるー」
 修学旅行、2日目の朝。
 ルシアは、ぐっすり眠れたベッドから起き出して深呼吸すると、シャワーを浴び、素肌に清流を流して浄めてから、朝食の時間までくつろごうと、寝巻き姿でソファに腰を降ろした。
 すると。
 ピンポーン
 自室の呼び出しベルが鳴った。
「あら? 誰かしら?」
 ルシアは、扉を開けた。
 その瞬間。
「ルシア!! 大変だ!! 大変なことになったぞぉ!!」
 神条和麻(しんじょう・かずま)が息せききって部屋に飛びこんできた。
「きゃ、きゃああああ」
 ルシアは、思わず悲鳴をあげてしまった。
 そして。
「はっ、いまの悲鳴は!!」
 自室で眠っていた小鳥遊美羽(たかなし・みわ)は、友人であるルシアの身に危険が迫ったことを一瞬で感知するや否や、パッと飛び起きて、廊下に走り出てルシアの部屋に向かったのである。
 もちろん、その際に、寝巻きからミニスカ姿に一瞬で着替えることを忘れない。
 もちろん、その際に、コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)を叩き起こして、お供に連れていくことも忘れない。
「ふわわ、美羽、どうしたの? 何があったの?」
 コハクは、目を白黒させながら美羽の後についていった。
「ルシア、何があったの!?」
 美羽は、ルシアの部屋に駆け込んだ。
「み、美羽さん……和麻さんが突然入ってきたから、びっくりしちゃって」
 ルシアは、部屋の隅に立ちすくみながら、和麻を指さしてみせた。
「驚かせたのはすまない。でも、緊急事態が発生したんだ」
 和麻は、釈明した。
「緊急事態って、何? 寝巻き姿のルシアの部屋に乱入しなきゃいけないほどのことなの?」
 美羽は、和麻をじろじろみながら尋ねた。
「気づかなかったか? 早朝から、アラートが何回か鳴っている。エイリアンが基地を襲撃してるんだ」
「エイリアン?」
 和麻の言葉に、ルシアは目を丸くした。
「美羽さん、気づいた?」
「ううん! ルシアに関して何かあればすぐに気づくけど、私は、基本的に熟睡タイプだから」
 ルシアの問いに、美羽は首を振った。
「私もよ。みんなが気づいてないということは、警告の程度が小さいということじゃないかしら。本当に危険なことが起きれば、ひときわ高くアラートが鳴るはずだわ」
 アルテミスの元住人は、そう述べた。
「そうか。でも、エイリアンだぞ。万一のことがあるといけないから、俺がルシアを守ろうと思ったんだ」
 和麻が近づこうとするので、ルシアは慌てて手を振った。
「い、いいわよ。和麻さん、私、あなたのこと嫌いじゃないわ。でも……」
 ルシアの言葉に嘘はない。
 実際、和麻の一本気なところには、魅力を感じないでもなかった。
「でも、何だい?」
 和麻は、きょとんとしている。
 何か重要なことに気づいていないようだった。
 ルシアが、何といえばいいかと悩んだとき。
「コハクは、何で黙ってるの? 何かいいなよ」
 美羽が、視線をルシアから微妙にそらしているコハクを促した。
「えっ? い、いや、あの、な、何だか恥ずかしくて……ルシアさんの姿が……」
 コハクは、どぎまぎして、赤面した。
「あ……きゃあ」
 ルシアは、寝巻きの襟元を押さえた。
 ルシアの寝巻き姿はただでさえ刺激が強いが、それに加えて、騒ぎの中で胸元がだいぶはだけられていて、素肌が危険なまでに露になっていた。
「おい、そういうところをみるな」
 和麻は、コハクを睨みつけた。
「ひえー、すみません」
 コハクは赤面して、完全に目をそらす。
「まったく。ところで、ルシア、シャワーを浴びたのか? 髪の毛が少し濡れているけど」
「う、うん。ま、まあ、と、とりあえず」
 ルシアは苦笑しながら、和麻の背中を押して、部屋から出そうとした。
「ど、どうしたんだ? 俺はルシアを守らないきゃ……」
「だから、私は、着替えるの!! その間、待ってて、お願い」
 ルシアは、自分の顔も赤くなるのを覚えながら、和麻を促した。
「いや、それはまずい。もし、着替えている間にエイリアンが襲ってきたらどうする? だから俺は部屋に……」
「はい!! いいからさっさと出ようね」
 美羽は大声をあげて、和麻の手を引いていく。
 そのとき。
「和麻、心配は要らない。俺も、こうしてここに身を潜めて、ルシアを守っている」
 突如、天井から声が降ってきた。
「え?」
 ルシアがぽかんとしたとき。
 ひらり
 天井に身を隠していた紫月唯斗(しづき・ゆいと)が、一同の前に降り立ってきた。
「きゃ、きゃあああ」
 ルシアは、またしても悲鳴をあげてしまっていた。
「く、曲者だぁ!! ルシアの部屋に忍び込むなんて、許せん!!」
 和麻は激昂して、唯斗に襲いかかっていった。
「待て。落ち着け。俺には忍びの流儀がある」
 唯斗は、和麻の攻撃をたくみにかわしながら、淡々とした口調でいった。
「こ、これが落ち着けるかぁ!! だから、ルシアには俺がついていないといけないんだ!!」
 和麻は、唯斗を追って、部屋中を走りまわった。
「もう、みんな!! とりあえず、この部屋からいったん出るの!!」
 美羽は、再び大声を出した。
「う、うーん、困ったわね。もう! 私、とりあえず、着替えるから」
 ルシアは、もう笑うしかないと思って苦笑し続けていた。
 そのとき。
 ブー、ブー
 ひときわ高く、アラートが鳴り響いた。
「えっ、本当の本当なの? 襲撃!?」
 警告レベルを一瞬で認識したルシアは、その内容に愕然とした。

「何が起きたんだ?」
 風森巽(かぜもり・たつみ)は、さっそうと部屋から走り出ていた。
 いまのアラートで、他の生徒たちも全員目をさましたようだ。
 あちこちで、ざわめく声があがっている。
 巽は、急いだ。
「これは、ただごとじゃないぜ!!」
 ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)もまた、自室から走り出ていた。
 ブー、ブー
 アラートは鳴り続けている。
 どこかから、破壊の音が聞こえてくる。
 そのとき。
 基地の回線を使って、外部からの存在が語りかけてきた。
 基地にいる、全ての者たちに。
「聞け。我が名は、宇宙王だ。遠い星から軍勢を連れてきた。地球は、我のものとなる運命だ。手始めに、月面を征服する。お前たちは、邪魔なので抹殺してくれる。覚悟することだな」
 異星の存在が異形の発生器官を通して発するその異様な音声と、その内容に、生徒たちは衝撃を禁じえなかった。
「宇宙王だと!? エイリアンか!!」
 巽は、戦慄した。
 何だか自分は、修学旅行に参加するたびに闘いに巻き込まれているような気がしたが、世界平和という大義名分からすれば、そんなことは些事であった。
 巽は、今回も闘う覚悟を固めた。
「へっ、どんな奴か知らねえが、俺の拳でケチョンケチョンにのしてやるぜえ!!」
 巽の脇で、ラルクもまた、武者震いを覚えながら走った。
「貴公は下がっていた方がいい。相手はエイリアンだ。その身体でうかつに手を出せば、潰される可能性が高い」
 巽は、ラルクにいった。
「はっ、冗談はそれぐらいにしとけ!! 俺は死ぬまで、誰にも負けやしねえ!! 俺が負けるのは、死ぬときだ!! わかるか? だいたい、その身体っていうが、お前も地球人だろうが。悪いけど、俺の方が鍛えてるぜ?」
 ラルクは、歯を剥き出していった。
「むう。そうか。ならば、ともに闘おう」
 巽は、そういうのみだった。
 2人は、黙々と走っていった。

「ルシア、ついにこのときがきたぞ!! さあ、俺が安全な場所に……」
 和麻は、ルシアの手を引いて、シェルターへ誘導しようとした。
 だが。
「ちょ、ちょっと待って。だから、着替えるから、すぐに!!」
 ルシアは苦笑すると、和麻たちを部屋から押し出し、0.5秒で制服に着替えると、廊下に走り出していった。
「ルシア、私は、エイリアンさんを説得できないか、やってみるね!!」
 美羽は、そういうと、ルシアに手を振って、コハクとともに別方向に走っていった。
「美羽さん!!」
「ルシア、大丈夫だ。俺がついている」
 和麻が、ルシアの手を引いていった。
「俺もついているぞ。陰ながら」
 どこかから、唯斗の声も聞こえてきた。
 そのとき。
「はーっはっはっは!! ルシア、この隙に、お宝を頂くぜぇ!!」
 すさまじい笑い声とともに、廊下を国頭武尊(くにがみ・たける)が走ってきた。

「国頭!! ルシアに何をするつもりだ!!」
 和麻は、ルシアをかばうようにその前に立って、国頭を睨みつけた。
「なにって、パンツを頂くに決まってるだろうが!! それも、月面でルシアが履いていたパンツをだ!!」
 国頭は、笑っていった。
「く、くう。嫌!! 変態!!」
 ルシアは、和麻の背中に隠れて、国頭を睨みつけた。
 何となく、股間をきゅっと締めて、スカートの裾をおさえる。
 国頭の「パンツ脱がし」から身を守る態勢に入ろうとした。
「ルシア、俺が守ってやるぞ!! 安全な場所に隠れていろ」
「うん」
 ルシアは、うなずいて、その場から離れた。
 突然部屋に入ってきたときは驚いたが、いまは和麻が、ひどく頼もしく思えた。
 本当はエイリアン襲撃にいっこくも早く対応して避難なりしたいところなのだが、だからといって国頭にパンツを脱がされるのをおとなしく受け入れるのは嫌だったのである。
「行くぞ、国頭!!」
 和麻は、走った。
 その瞳に炎が灯り、全身が真っ赤のオーラに包まれる。
 その姿は、まさに闘士であった。
「ははははははははは!!」
 国頭も、笑いながら突進する。
 2人は、激突するかに思えた。
 だが。
「あれ?」
 和麻は、あっけにとられた。
 国頭は、自分に攻撃するかにみえて、実際は何もせずに走り去ってしまったのである。
 それも、ルシアがいるのとは全然違う方向に。
「国頭、どこに行くんだ?」
 和麻は、思わず尋ねていた。
「はははははは!! わざわざ闘う必要はない!! ルシア、お前の部屋を漁らせてもらうぞ!! この緊急時に鍵をかけてはいないだろ? まあ、もしかかっていたとしても、扉を破壊すればいいことだがな!!」
 国頭は、勝利の笑いをあげながら、走っていた。
「えっ、まさか!!」
 ルシアの顔が真っ青になる。
 国頭がいっていた、「月面でルシアが履いていたパンツ」とは、ルシアが昨日履いていたパンツのことだったのだ。
 当然、そのパンツは着替えのときに脱いで、ルシアの荷物の中に入っている。
 修学旅行から帰ってから洗うつもりだったので、昨日脱いだ状態のままだ。
 国頭は、そこに目をつけたのだ。
「あー、嫌だ。とられちゃう」
 ルシアは、気が遠くなるのを覚えた。
 国頭は、自分のパンツを奪ったら、「ルシアが履いていたものだ」といって、あちこちにみせびらかすだろう。
 恥ずかしさで、どうしたらいいかわからなくなった。
「よし、ルシア!! 待っていろ。俺が国頭を止める!!」
 和麻が走り出そうとしたとき、ルシアは反射的に、その手を握っていた。
「ダメ。待って」
「うん?」
「いまは、行かないで。お願い。側にいて」
 ルシアは、自分でも、どうしてそんな反応をしたのかわからなかった。
 パンツを奪われるのは嫌だが、そうかといって、いま和麻が側を離れてしまうのも嫌だった。
 ルシアは、自分がとにかく「怖い」という心境なのだと気づいた。
 勝手かもしれないが、本能的に、和麻にすがりたくなっていた。
「和麻、お前はここに残れ。俺が国頭を始末しよう」
 唯斗の声がしたかと思うと、姿はみえないが、足音が、国頭を追っていくのが聞こえた。
「唯斗さん、お願い。気をつけて」
 ルシアは、唯斗にも手を合わせたい想いだった。
「よし、ルシア。俺たちは避難しよう」
 和麻も、唯斗に感謝の気持ちを覚えながら、ルシアの手を握った。
「うん」
 その手を、ルシアが強く握り返す。
「あっ」
 和麻は、この状況で不謹慎だったが、胸がドキッとするのを覚えた。
「い、行こう」
 和麻は、ルシアの肩を叩いて、いった。
 胸のドキドキがおさまらない。
「怖いわ。でも、行動しないと」
 ルシアは、うなずいて、和麻に手を引かれるまま、走っていった。
 みんな、エイリアンと闘うかもしれないと思ったが、いまはまず、安全な場所に避難して、それから考えたいという気持ちが強くなっていた。

 そして。
 和麻とルシアが手をとりあって進み始めてから、少しして。
 どごーん
 すさまじい爆発音が、ルシアの部屋のある方角からした。
「えっ、もしかして?」
 ルシアは、一瞬で悟った。
 国頭がルシアの部屋を漁るのを完全に防ぐのは不可能と判断した唯斗が、ルシアの部屋で爆発を起こさせたのだ。
 そうすれば、下着が全部燃えて、国頭の計画は失敗に終わる。
「唯斗。無事にいてくれればいいが」
 和麻はいった。
「そうね。あと、私の下着の替えがなくなってしまったわ。それはそれで、困るんだけど」
 ルシアは、困った顔をしていた。
 何しろ、同じパンツをずっと履かなければいけなくなってしまったのだ。

「宇宙王と名乗る存在が連れてきたヒューマノイド型のエイリアンが、基地の外壁を破壊している!! すぐに修復して、守りを固めなければ!!」
 大岡永谷(おおおか・とと)は、破壊された箇所を確認しようと、走っていた。
 破壊の音は、いよいよ大きくなっている。
 どごーん、どごーん
 空気が外に漏れていく音も聞こえてきて、身の危険を感じた永谷は、宇宙服を着用した。
「ギギー!! ギギー!!」
 エイリアンたちは、鬼のような形相で暴れながら、基地の壁を破壊し、内部に潜入しつつあった。
 基地の職員たちが、懸命に応戦して、エイリアンたちを外へ押し出そうとした。
 エイリアンたちは、酸のブレスを吐いて、ありとあらゆるものを溶かそうとしていた。
「くっ、ここまで損傷が広がっているとは!! どうすればいい?」
 永谷は、自問した。
 そのとき。
「永谷!! 破壊された部分の修復はワタシに任せて!!」
 笠置生駒(かさぎ・いこま)が、叫んで、運んできた資材を放り投げてエイリアンたちを押しつぶし、外壁の穴の修復を始めた。
「えっ、でも、危険じゃないか」
「間に合わなければ、このブロックは閉鎖されるよ。永谷は、みんながこもれる拠点を築いて!!」
 生駒は、資材の溶接を行いながら叫んだ。
「拠点? そうか。わかったよ!!」
 永谷は、うなずくと、その場を去ろうとした。
 そこに。
「エキャキャー!!」
 猿のような叫びをあげながら、エイリアンたちが襲いかかってくる。
 エイリアンたちの伸ばした触手が、永谷に襲いかかった。
「うわー!!」
 手足を触手に絡め取られて引っ張られ、大の字のかたちで、永谷は宙に吊り下げられた。
 ぶわー
 エイリアンの吐いた酸が、永谷の宇宙服とその下の衣類を溶かし、下着を露にさせる。
 その下着も、溶かされようとしていた。
「くっ」
 真空の度合が高くなっているその区画の温度は下がっており、素肌がしびれるような冷たさを味わって、永谷は、身悶えた。
 そこに。
「とあー!!」
 駆けつけた巽が、手刀で触手を断ちきり、永谷を救出した。

「大丈夫か?」
 巽は、永谷を抱き起こしていった。
「ああ。恥ずかしい姿になったけど、何とか。それより、平気なのか? 宇宙服を着た方がいいぞ。もうすぐ、真空になるんだから」
 永谷は、むしろ巽を気づかった。
「真空? いや、それは問題ではない。みていろ」
 巽は、永谷を安全な場所に降ろすと、エイリアンたちに堂々と立ち向かいながら、両腕を振りまわしてポーズを取った。
「変んっ! 身! 蒼い空からやってきて! 人の夢を護る者!」
 しゅごおおお
 巽の身体が、光に包まれる。
 次の瞬間、そこには、仮面ツァンダーソークー1が立っていた!!
「ああ、すごい」
 永谷は、美麗なスーツに覆われたその姿に、神々しいものさえ覚えた。
「さあ、逃げろ。やることがあるようだからな。ただし、パンツは履き替えた方がいいぞ」
 ソークー1の言葉に、永谷はあらためて自分の姿をかえりみて、赤面し、慌ててその場に背を向けて、走りだった。
「も、もしかして、みえたか?」
 恥ずかしさから、振り返りもせずに、永谷は尋ねた。
「少しな。だが、そんなことを気にしている場合じゃないぞ」
 ソークー1もまた、永谷を振り返らず、エイリアンたちにジャンプキックを放ちながらいった。
「へへっ、そういうことか。最初からいってくれりゃよかったのにな。だが、俺は、先をいくぞ。そんな姿にならなくても、真空なんか、平気なんだ!!」
 巽と同時に現場にきていたラルクは、ソークー1の活躍に目を細めながらも、自分もまた、エイリアンたちに肉弾戦を挑んでいった。
 本当をいえばラルクとて真空では闘えないはずだが、そのときはまだ空気が残っていたのである。
「くうっ、基地の奥へ行こう!! そして、守りをかためた砦をつくるんだ!! 拠点、拠点だ!!」
 永谷は、露になった太ももをひらめかせて走りながら、呟いていた。

「わあっ、何!? この状況でお尻なんか触って!!」
 基地の修復を続けようとしていた生駒は、エイリアンたちの触手が自分にも伸びてきたので、身体をびくっとさせた。
 そこに。
「ウッキー!!」
 ジョージ・ピテクス(じょーじ・ぴてくす)が雄叫びとともに突進すると、生駒を襲おうとしたエイリアンを吹っ飛ばした。
「ジョージ!! ありがとう」
 生駒は、パートナーの姿をみて、やっと安堵することができた。
「ウキ!! 作業を続けるのじゃ!! 生駒のお尻はわしが守るぞ!!」
 ジョージは、力こぶをつくってみせながら、迫りくるエイリアンを次々にぶっ飛ばしていく。
「よし、ワタシは修復をがんばろう!! 捨て身の覚悟だぁ」
 生駒は、何が何でも基地を修復しようと、全身の力をふるい起こした。
 後で、ジョージに山ほどバナナをごちそうしてあげようと思いながら。