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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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15)

デスティニーランドにて。
白波 理沙(しらなみ・りさ)は、
友人の雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)を誘い、
遊園地を遊び倒そうとしていた。

「私はジェットコースター系が好きなんだけど雅羅はどうかしら?」
「いいわね。大きい声出すと気持ちいいものね」
理沙と雅羅は連れだって、
パーク内にある絶叫マシーンを片っ端から制覇していった。

冷たい飲み物を買って、ベンチで休憩しながら、
理沙は、雅羅に笑顔を向ける。
「スピードの速い乗り物ってスカッとするわよね」
「ええ。さすがにこう立て続けに乗るとちょっとクラクラするけど。
ああ……飲み物、冷たくておいしいわ」
雅羅が、アイスティーを飲みながら言った。

「そういえば、雅羅はお化け屋敷系は苦手なのよね。
だったら、やめておこうと思うんだけど」
理沙の言葉に、雅羅は、ひきつった笑みを浮かべた。
「ええ。そうしてもらえると助かるわ……」
「ふふ、そんなに苦手なのね」
「そんなこと言ったって、しかたないじゃない」
「わかってるわよ。誰にでも苦手なものってあると思うし……。
ただ、雅羅がかわいいなって思って」
「えー、なによ、それ」
「ふふふ」
2人は、顔を見合わせて、笑い合った。

「今度は、どこに行く?」
「じゃあ、射撃ゲームをしてみない?
銃の腕前には自信があるの」
雅羅が、力こぶを作ってみせる。
「わあ。じゃあ、期待してるわね」
理沙はうなずき、2人は、射撃ゲームのコーナーに行った。

ライフルを構えると、
雅羅の表情が真剣なものになる。
「行くわよ」
銃から発射されるコルクが、次々と的に当たっていく。
すべて、的の真ん中に当たり、狙いを外した者はひとつもない。
「すごい……」
理沙は、雅羅の腕前に舌を巻いた。

「はい」
雅羅が、景品のパンダのぬいぐるみを、理沙に差し出した。
「ありがとう! もらっていいの?」
「もちろん。今日、誘ってくれたお礼」
「どうもありがとう」
理沙は、パンダのぬいぐるみを抱きしめた。

こうして、その日は、日が暮れて、夜になるまで、
ずっと、デスティニーランドでの楽しい時間は続いた。
夜のパレードを見つめながら、
理沙はつぶやいた。
「雅羅と友達になれてよかった」
「え?」
「ふふ、なんでもない」