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リアクション
7)
フェイ・カーライズ(ふぇい・かーらいど)と
シェリエ・ディオニウス(しぇりえ・でぃおにうす)は、
中継基地のアンティークショップ・ヴァージニティーで、
音楽関係の本や楽譜などを見て、
シェリエの父に関する情報がないか、探していた。
「あ、これ、かわいい」
シェリエが、小さなオルゴールを手に取ってつぶやく。
「じゃあ、プレゼントする」
「え、いいの?」
「うん、今日、つきあってもらったお礼。
それに、いつも、お世話になってるから」
「ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」
シェリエは、フェイに笑顔を向ける。
どきん。
フェイは、不思議な胸の高鳴りを感じた。
「どうしたの?」
「なんでも、ない」
そう答えて、フェイはレジに向かった。
■
その後、
オペラハウス・アヴニールでランチをしながら、
フェイは、シェリエの近況を聞いてみる。
「特に大きな進展はないけど、
元気でやってるわ」
「そっか」
その言葉に、フェイは安心した。
■
その後、街を散策しながら、
フェイは、シェリエを横目に考える。
(……それにしても、
やっぱりシェリエを友達というのは間違ってないのに間違ってるような違和感がある
じゃあどんな言葉がいいのか……)
ふと、バレンタインの手紙の言葉がよみがえる。
「――素敵な人との恋」
どきん。
(……また!?)
さっきと同じ、胸の高鳴り。
でも、さっきと違うのは、すぐには鳴りやまない、ということ。
フェイは、シェリエの方をまともに見ることができなくなった。
(どうしよう、このままじゃ変だと思われる)
そう思いつつも、胸の高鳴りを押さえることはできない。
フェイは、シェリエの、空いている方の手を、そっとつないだ。
「どうしたの?」
「迷子になるといけないから、離れないように」
フェイはそんな風に答えつつ、シェリエの手をぎゅっと握る。
2人は、そのまま街を歩いていった。
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