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【特別シナリオ】全学最強決定戦!

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■予選 シャンバラ教導団 2

一方、ニキータ・エリザロフ(にきーた・えりざろふ)は、
パートナーたちと協力しつつも、個別に戦闘を行う。

「さぁって……いらっしゃい『大熊のミーシャ』!」
ニキータは、
フラワシ【大熊のミーシャ】を呼び出す。
流体金属の質感を持つ、筋肉ムキムキ、
上半身裸の執事姿に頭部はラブリーなテディベアが、
マッスルポーズをしているという、
見た者にそれだけでダメージを与えそうなフラワシであった。
フラワシ使い以外には見ることができないが。

【大熊のミーシャ】には盾として行動させつつ。

「行くわよ、ショックウェーブ!!」

ニキータは、衝撃波で、周りを吹き飛ばす。
闘技場の一部が破壊される。

セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)
セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)は、
協力しあって、ニキータに相対する。
「誰であれ、全力で叩き潰すわ。
フラワシはやっかいだけど、本人を攻撃すれば問題ないはずよ」
「ええ、早めにダメージを与えて一気に叩き潰しましょう」

フラワシが守りを固めている以上、持久戦は不利と判断し、
セレンフィリティとセレアナは、
銃撃戦を仕掛ける。

こうして、激しい戦いが繰り広げられる中。

ニキータのパートナーのカーミレ・マンサニージャ(かーみれ・まんさにーじゃ)は。
(ニキータお姉様……私にはこの役目、荷が重すぎますわ)
カーミレは、応援席で、ひきつりそうになる表情をなんとか笑顔を保ちつつ、
団長にお茶を淹れていた。

カーミレは、医療班として、怪我人が出た際の救護のためにも待機している。
そして、ニキータに依頼された任務を果たすべく、
なんとか、団長に話しかけようとするのだが……。
(今回はシャンバラ国軍総司令ではなく、
シャンバラ教導団の校長としてのお立場でしょうけれど
やはり、私が声を掛けたりするのは、気後れしてしまいますね)
それでも、なんとかして、カーミレは団長に話しかける機会を伺う。

そこに、突如として、警報のような音が鳴り響いた。

大熊 丈二(おおぐま・じょうじ)が用意した、
偽の試合終了の合図であった。
予選終了と見せかけ、他の者たちの油断を誘って、一気に攻撃を仕掛けようという算段であった。

「今であります!」
「電撃を喰らいなさい!」
ヒルダ・ノーライフ(ひるだ・のーらいふ)が、放電実験を行う。
丈二も、フラワシを操っていたニキータに一気に攻撃を仕掛ける。

「その程度じゃ驚かないわよ!」
しかし、ニキータは冷静に対処し、2人の攻撃を避ける。

「終了の合図は、開始と同様、団長が行われるはずよ」
ニキータはひるまず、丈二をフラワシで攻撃する。

「うわああああ!?
何かおぞましいことをされているような気がするであります!」
丈二は、フラワシ【大熊のミーシャ】に、がっしりと捕まってしまい、
テディベアの顔に頬ずりをされていた。

そして、そのまま、【大熊のミーシャ】は、丈二を抱えて、
場外に放り出してしまう。

セレンフィリティとセレアナも、ヒルダを攻撃する。

「……くっ」
「空中に逃げられるとやっかいよ!」
「させないわ!」
セレンフィリティのサンダーショットガンと、
セレアナのラピッドショットにより、
ヒルダは空中に逃げる前に撃破され、リングアウトしてしまう。



一方、
ルースと真一郎も、
戦いに集中しており、お互いに隙がない。

(思った以上に手間取りますね。
味方であれば頼もしい相手も、こうして敵になるとやっかいですね)
ルースは、弾幕を張りつつ思う。

それは、真一郎も同様であった。
(ですが、長期戦になれば、ミスも発生するはずです。
地味ではありますが、俺には体力くらいしか取り柄がないですからね。
一瞬の隙をついて、一気に行かせてもらいますよ)

こうして、隙を伺う2人だが。

「バニッシュ!」
タマーラ・グレコフ(たまーら・ぐれこふ)が、
リング際でバニッシュを放った。
その攻撃に、ルースと真一郎が巻き込まれる。

タマーラは、パートナーのニキータが巻き込まれないよう、
計算して、攻撃の機会を伺っていたのだった。

そして、その隙に、さらに攻撃を仕掛けようとする、タマーラだが。

「そうはいきませんよ!」
「……!」
タマーラは、
リング際にいたのが仇となり、
タックルを仕掛けてきた真一郎に転倒させられ場外に出される。

次の瞬間、弾幕の煙の奥からルースが現れる。

「終わりです!」
「な!?」
真一郎も、ルースによって場外に出された。

「あなたが相手ならしかたありませんね。
後は頑張ってください!」
「もちろんです」
真一郎は声援を送り、ルースはうなずいた。

そこで、軍服が宙を舞った。
ニキータが脱いで放り投げたのだ。
鍛え上げられた、屈強な肉体があらわになる。
「さあ、これぞショーのはじまりよ!」

ニキータは、裸拳を使い始めたのである。
脱げば脱ぐほど、ニキータは強くなっていく。

ベルトを放り捨て、ズボンも脱ぐと、
ニキータが拳を振り上げる。

「うおおおおっ!?」
ルースは、ニキータによって間合いを詰められ、リングアウトさせられた。

「なんて格好しているのよ!」
「これ、中継されているんでしょう!?」
セレンフィリティとセレアナは、
メタリックブルーのトライアングルビキニと
ホルターネックタイプのメタリックレオタードにロングコートという、
自分たちの格好はさておいて、ニキータを非難する。

「……」
場外となったタマーラも、パートナーのニキータに抗議の視線を送っていた。

また、カーミレも、パートナーの行動に、団長の隣で硬直していた。
(だ、団長の顔が見れません……!)

「おーっほっほっほっほ!
あたしの肉体美に嫉妬しているのね?
悔しかったら、対抗してごらんなさい!」
ニキータは、もはや、下着しか身に着けていなかった。

「このままじゃまずいわ!
あれ以上脱がれたら、パワーアップもそうだけど……!」
「団長の前で全裸になったら、軍法会議ものなんじゃないの……!?」
セレンフィリティとセレアナは、青ざめつつ、
ニキータを全力で射撃した。

「きゃああああああああああああああっ!」
悲鳴だけは、なんとなくかわいらしいが、
ニキータはパンツ一丁で場外に、どう、と倒れた。

「危ないところだったわ。
……!?」
「セレアナ!?」

しかし、次の瞬間、
垂が、ハルマゲドンを放った。
強烈なエネルギーが闘技場を包み込み、セレアナが吹き飛ばされ、リングアウトする。

「……っ!」
セレンフィリティは、垂に相対するが。

黒色の翼で、上空に急上昇してハルマゲドンを回避した、
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)が、
セレンフィリティに急降下して、攻撃を仕掛ける。

「くっ!」
セレンフィリティは、ルカルカの攻撃をなんとか避けるが。

続けて、
夏侯 淵(かこう・えん)
カルキノス・シュトロエンデ(かるきのす・しゅとろえんで)
ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が、
上空から同様に攻撃してくる。

「さあ、これで終いにしようぜ!」
ドラスティックフォーゼで巨大化し、
カルキノスが全身で巨大プレスを放つ。
セレンフィリティはリングアウトさせられるが。
「あたしにも意地があるのよ!」
しかし、夏侯 淵もセレンフィリティが巻き込んで場外に出させられてしまった。

「後は任せたぞ」
パートナーのルカルカとダリルに夏侯 淵は言う。

カルキノスもまた、巨大化により、リングアウトしていた。

そして、垂は、ルカルカと相対する。

「こうして戦えるのをうれしく思うぜ」
「私もよ」

覚醒ラヴェイジャーとしての全力で、垂はルカルカを攻撃する。
対して、ルカルカも、同様に、覚醒ラヴェイジャーの全力で攻撃する。

「最高の戦友と認めるからこそ手は抜かない」
潜在解放を行ったルカルカが、
インテグラルアックス改により、エクス・スレイヴを放つ。

やがて、体勢を崩した垂に、ルカルカが正中一閃突きを放った。
勝負は決まり、垂はリングアウトさせられる。

「やはり、強いな。決勝はおまえたちのどちらかが……」
ルカルカとダリルに、垂が言った時。

ナノマシン拡散で上空に留まり、全ての挑戦者がリングアウトになるか、
最後の2人なるまで待機していた、三毛猫 タマ(みけねこ・たま)が、
猫の姿に戻って、リング際で垂と相対していた、ルカルカに襲い掛かったのだ。

「フハハハ! 勝てばよかろうなのだよ、勝てば!」

そして、影に潜む猫の手で、ルカルカを突き飛ばす。

「ダリル!」
ルカルカは、攻撃を受けつつも、タマを拘束して、一緒に場外となった。

「うおおお、あと少しだったのに!」
タマが悔しがる。

かくして、優勝者は、ダリルとなった。


優勝が決まったのを見て、団長は、感心したような表情を浮かべる。
「さすが、戦場では何が起こるかわからないな」

それを見て、カーミレはなんとか言葉を紡ぐ。
「団長からご褒美があれば、きっと皆様とても喜ばれると思います」
団長は、うなずいてみせた。
「ああ、この栄誉を持って、決勝に臨んでもらうとしよう」

団長が、他の校長たちと話し合い、用意していた、
シャンバラ教導団の大きな旗をダリルに授与する。

「皆、シャンバラ教導団団員として、日々の訓練の結果が伺えた。
決勝でも、シャンバラ教導団の名に恥じない働きを期待している」
「はっ」
ダリルは、敬礼して旗を受け取った。