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【特別シナリオ】全学最強決定戦!

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■予選 ニルヴァーナ創世学園

ニルヴァーナ創世学園の校長である、空京 たいむちゃん(くうきょう・たいむちゃん)こと、
ラクシュミ・ディーヴァに、
青葉 旭(あおば・あきら)が大会のルールを確認する。

「装備は全て武器、というレギュレーションに間違いはありませんね?」
旭は、他の参加者の前で宣言することで、
予告したことで相手に注意を促し、行為による卑怯のそしりを受けることはないと考えていた。

「うん、問題ないよ。
じゃあ、皆、準備は大丈夫?」
旭にうなずき、ラクシュミは言った。
「じゃあ、ニル学の予選を開始します!」

その宣言を聞きつつ、
旭のパートナーのヤマネコのゆる族、山野 にゃん子(やまの・にゃんこ)は。
(マレーナさんは
『この円形闘技場の上はルール無用ですわ。励んでくださいませ』
と言ったけど、ちょっと違うよね。
円形闘技場の下もルール無用だよね)
一人、ほくそ笑んでいた。

にゃん子は、こっそり、試合開始前に、
円形闘技場の支柱にのこぎりで切り込みを入れておいたのである。

(皆が衝撃の大きい攻撃を繰り出していたら、きっと円形闘技場が崩壊するわよね)

光学迷彩で姿を隠し、にゃん子は、
闘技場の崩壊を待っていた。

「宣言通り、これは武器だ!
ジャスティス!」
旭は、無人の小型飛空艇ヘリファルテを、人数の多いところに向かって突っ込ませる。

「うおおお! あぶねえ!」
リョージュ・ムテン(りょーじゅ・むてん)は、
空飛ぶ大亀につかまって、ヘリファルテを避ける。

一方、リョージュのパートナーの白石 忍(しろいし・しのぶ)は。

「そ、そんな……こないで……きゃあああああああああああああああああああ!!」

悲鳴をあげながら、全体に向かってヒプノシスを使った。
さらに。

「きゃあああああああああああああああ!
いやあああああああああああああああああ!
やめてええええええええええええええええ!」

忍は、機晶戦車用大砲を撃ちながら、洗礼の光を放ったのであった。

「にゃあああああああああああああああああああああっ!?」

にゃん子は、隠れてはいるものの、
無差別な攻撃に巻き込まれて吹っ飛ばされリングアウトした。

ヘリファルテは無人のため、まっすぐ突っ込んでいき、
他のメンバーも避けることに成功する。

「またせたな子猫ちゃん! 俺の歌を聴け!」
リョージュが咆哮する。

他方、葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)は、
歴戦のダンボール術により、身を隠していたのだが。

「なんだ、段ボールか……って!
そんな不自然なものに騙されるか!
ジャスティス!」
旭の殺気看破で発見されてしまう。

「むむ、しかたないであります。
このまま、数が減ってくれるのを待ちたかったのでありますが」
吹雪が段ボールから姿を現す。

次の瞬間。
ポータラカ人のイングラハム・カニンガム(いんぐらはむ・かにんがむ)は、
触手で旭の身体をなでまわし、自爆弾を盛大に爆発させた。

「貴様を地獄の道連れにしてくれるわ〜〜!!」
「うわああああああああああああああああああああ!?」

イングラハムと旭が吹っ飛ばされる。

それと同時に、にゃん子がもろくしていた支柱が破壊され、
闘技場の一部が破壊される。

「戦いは非情なのよね」
「これは戦術であります」
イングラハムの自爆への、
コルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)の言葉に、吹雪は平静に言った。

コルセアは、
アブソリュート・ゼロで忍を攻撃する。
「きゃあああああああああああああああああああ!?」
忍も、吹っ飛ばされてリングアウトする。

さらに、吹雪は。
「どーもコンバンワ、リョージュ・ムテンさん、葛城吹雪です」
リョージュの前でお辞儀した。

「おお、俺は……」
リョージュが、律儀に答えようとする隙に、
吹雪は即座に攻撃する。
「うわあああっ!」
リョージュもリングアウトさせられたのであった。

一方、
十文字 宵一(じゅうもんじ・よいいち)は、
パートナーたちと協力して、
勝利を目指していた。

ナラカの息吹を、競技場の中央で割り、
周囲をナラカに似た空間にしつつ、
自分たちは、デスプルーフリングを装備して、ナラカに似た環境に耐える作戦である。

ヨルディア・スカーレット(よるでぃあ・すかーれっと)は、
天使のレクイエムで、宵一を守るように戦う。
コアトー・アリティーヌ(こあとー・ありてぃーぬ)は、
行動予測やディメンションサイトで敵の位置を把握し、
テレパシーで仲間に伝える。
リイム・クローバー(りいむ・くろーばー)は、
調律機晶兵を操り、コルセアと戦う。

コルセアは、集中攻撃で倒される。

「まさか脱がねばならぬまで追い込まれるとは」
裸拳を発動させ、吹雪は、下着のみの状態になって、自身を強化した。

「ちょ、何考えて……」
宵一が慌てる。

しかし、多勢に無勢で、吹雪は追い詰められていく。

「これはあれをやるしかないであります!」
吹雪は胸と腰に手を当て、叫んだ。
「裸拳究極奥義『公・然・猥・褻』!!」
吹雪は叫びとともに、上下の下着を脱ぎ捨てたのであった。
「特攻形態!!」
さらには、全裸でポーズを取って突撃する。

「へ、変態でふ!
でふー!?」
リイムが、突っ込んできた吹雪により、場外までぶっ飛ばされる。

「たしか、別の学校でも似たようなことした方がいたような気が……」
ラクシュミがぼそりとつぶやいた。

ヨルディアと宵一は、
あっけにとられたものの、冷静さを取り戻し、協力して吹雪を倒す。

「きょ、強敵だったであります……」
吹雪は、全裸のまま気絶した。

「服、服を着せてあげて!
段ボールでもいいから、とにかく隠して!」
中継されているため、ラクシュミが慌てて叫ぶ。

一方、ヨルディアと宵一は。

「さっき、吹雪様の下着や裸を見て動揺したでしょう」
「べ、別に俺は!」
「本当ですか? 隠すとためになりませんわよ?」
「違……! というか、普通、動揺するだろう!?」
ジト目で見つめるヨルディアに、宵一が慌てて言った。

そんな騒ぎはともかく。

ニルヴァーナ創世学園は、宵一の優勝となった。

「ニルヴァーナ創世学園は、
一番、新しい学校だけど、
皆のおかげで、今があると思うの。
だから、頑張って、世界に勇気を届けてね!」
大きな旗を手に、笑顔で言うラクシュミに。
「ああ、頑張って優勝を目指そう」
宵一は旗を受け取り、うなずいたのであった。