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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】

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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】
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 第4章 「神子を選定する力を持つシャンバラそのものの地祇、しゃんばら復活のための場所なのだ」

■□■1■□■「ざんすかの優しさに全あかりが号泣した!」

 神代 明日香(かみしろ・あすか)は、悩んでいた。
 「うーんうーん」
 「どうしたんだ、また高レベルで物騒な思考のやつが……」
 こっそり横を通り抜けようとするつぁんだに、明日香は振り返る。
 「ほら、私ってエリザベートちゃんの味方じゃないですか〜」
 「え? え!?」
 「だから串刺しにしようと思ったんですけど、免れたんですよ〜。
  どうしましょうかね〜」
 明日香のパートナーの魔道書ノルンこと、ノルニル 『運命の書』(のるにる・うんめいのしょ)は通訳する。
 「明日香さんはこう言ってます。
  アーデルハイト様がぶっ飛ばされるのは全然構わないのですけど、
  エリザベートちゃんが追って行ってしまったじゃないですか〜ぷんぷん。
  その原因のざんすかさんを持ってる忘却の槍で串刺しにしようと思ったんですけど、
 「危険から遠ざけた」と良い事言っていたので串刺しにするのは次の機会にします〜♪
 そんな些細な事はともかくとして、
 エリザベートちゃん追いかけようかな〜、
 それともエリザベートちゃん追いかけようかな〜、
 やっぱりエリザベートちゃん追いかけようかな〜」
 ノルンは明日香の口調を真似てみせる。
 「決めました! エリザベートちゃん追いかけます〜♪」
 「いや、選択肢全部一緒じゃないか」
 「ミーを串刺しとかいい度胸していやがるざんす!
  あっ、こら、待つざんす!」
 決断した明日香につぁんだがツッコミを入れ、ざんすかが追うが、
 明日香はあっというまにイルミンスールの森に走っていってしまったのであった。
 「待ってください、明日香さん」
 ノルンはその後を追う。

 一方そのころアーデルハイト。

 ミレイユ・グリシャム(みれいゆ・ぐりしゃむ)は、
 パートナーの魔道書ロレッタ・グラフトン(ろれった・ぐらふとん)とともに、
 ざんすかにぶっ飛ばされたアーデルハイトの回収に向かっていた。
 「エリザベート校長、よかったら乗りますか?」
 「わたしが自分で飛んだほうが早いですけどぉ、
  そうやって校長を敬う態度はわるくないですねぇ」
 エリザベートは、ミレイユに声をかけられ、
 空飛ぶ箒に二人乗りする。
 「大丈夫ですか? アーデルハイト様」
 (前にもこんな事があったような……)
 ミレイユは、そんなことを考えつつ、木の枝にひっかかっているアーデルハイトを助け起す。
 「むううう、ざんすかに2回目も同じ場所にぶっ飛ばされたのじゃ……。
  志位 大地(しい・だいち)の奴らめ……」
 「2回? 大地さんがどうかしたんですか?」
 朦朧として何事かつぶやいているアーデルハイトの隣で、ロレッタは言う。
 「今回は……メートルか」
 ミレイユはアーデルハイトの顔を見つめて頬に触れた後、
 「ちょっとごめんなさい」
 と断って、腰の周りをさわる。
 「ん〜?」
 「ど、どうしたのじゃ」
 「もしかして、最近お菓子いっぱい食べちゃいましたか?」
 「な、何を言って……」
 口ごもるアーデルハイトにかわり、ミレイユはエリザベートに同じことを聞く。
 「そうですぅ、超ババ様はわたしに内緒で、
  夜中にこっそりお菓子食べまくってましたぁ。
  『きょにゅーになりたい』からって最近もまた毎食キャベツ食べてたんですけどぉ、
  そのストレスで深夜にお菓子を食べていたのですぅ」
 「エリザベート、な、なにを言っておるのじゃ!」
 「エリザベートちゃんに内緒でお菓子食べるなんて、
  アーデルハイト様は許しがたいですねー。
  太ったせいでぶっ飛ばされた距離が伸びないとか当然の報いですよー」
 追いついてきていた明日香は、アーデルハイトの傷口をえぐる発言をする。
 「んんー……。
  やっぱりおいしいお菓子があったら食べたくなっちゃいますもんね……」
 ミレイユは、自分がお菓子、しかも大好きなマカロンを禁止されることを想像しはじめた。
 一方、ロレッタはエリザベートと並んで別のことを考えていた。
 (ロレッタより背が高いから、なんだか歳の近いお姉ちゃんみたいだぞ)
 しかし、ロレッタはエリザベートは8歳であったことに気づく。
 ロレッタの外見年齢は7歳である。
 「ううー……」
 「ど、どうしたのじゃミレイユ!? いきなり泣き出して!?」
 「……別に一瞬エリザベート殿の事をお姉ちゃんみたいだなんて思ってないんだぞ」
 「ロレッタも何言ってるんですかぁ?」
 「そうですよねー、エリザベートちゃんはやっぱりヨーロッパの生まれだからか、
  背が高いですもんねー♪」
 「ぐさっ! なんだぞ……」
 明日香のエリザベートへののろけで、ロレッタはさらにダメージを受けるのであった。
 「こ、こんな事してる場合じゃなかった」
 ミレイユは涙をごしごし拭くと、ざんすか達のことをかいつまんで説明する。
 ミレイユ達は急いで戻ることにするのだった。

 一方そのころ、望月 あかり(もちづき・あかり)
 「校長先生を危険から遠ざけるために、
  超BBAをぶっ飛ばすなんて!
  ざんすかの優しさに全あかりが号泣した!
  この後の校長先生はあかりに任せて!
  そろそろおやつの時間だから、
  愛する校長先生と、変な物食べさせられて難儀してるだろうじゃたのために、バームクーヘン作るよ。
  じゃたは、あにぬスタジオ、あかりぷろだくしよんの名誉役員だし。
  あんまり面白くないけど、ちゃんと作るよ。料理は得意だから。
  超BBAの分も毒も盛らずにしっかり作るよ。
  誰かにだけとかできないお菓子だし。
  自分にも理性があるから。
  あれ? 自分、超独り言モード?
  でも、気にしないよ!」
 そこに、エリザベート達が戻ってきた。
 「あっ、校長先生!
  あかりは校長先生のためにがんばりました!
  理性全開でがんばりました!
  さっきハグちゅーが流行ってたみたいだし、自分にもしてくれるよね!
  校長先生、長くて名前覚えられなかった『しゃなんとか』と同じで、
 『ジャーマン』出身だもん!
  ハグちゅーは挨拶だよね!
  ……ぐはっ!?」
 「あれ? ここに人がいたような……あ、こんなところにバームクーヘンがありますよー」
 あかりは、エリザベートと箒二人乗りしていた明日香につぶされた。
 「おいしそうですぅ。よくみつけましたねぇ。アスカはいい子ですねぇ」
 「ちょ、校長先生、それ、あかりのポジション……。
  自分を褒めて……ぐふっ」
 あかりは気絶した。