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リアクション
ということで、めいめいにヴァイシャリー観光を楽しむ皆。
とあるクレープ店……
「そうだ、ルイーゼよ。前にチョコバナナクレープを奢って欲しいと言っていたな? この店で奢ってやるとしよう」
クレープ店の前に立ち止まる魔王ジークフリートと、胸元の開いたセクシーなけもみみの女の子ルイーゼ。クレープ店の女の子はちょっとおっかなびっくりな顔だが。
「他の者もどうかね? 騎凛先生も」
わぁぃ♪ 皆が魔王に寄ってくる。
「はいっ」騎凛も戻ってきた。
「ぃやった〜! 奢ってもらえる〜ぅ♪ クレープなら、そう、絶対チョコバナナクレープがいいよぉ〜♪」
早速、ルイーゼ。
「え? クレープ奢ってくれるの?」
ミレイユもちょっと遠慮がちに聞くが、これから大変であろう遠征になるのだ。ここは遠慮せず……
シェイドは、
「ありがとうございます。では、ラズベリーソースがかかったレアチーズクレープをお願いします」
「……んっと、それじゃ林檎にシナモンかかったクリームクレープがいいな〜♪
ずっと緊張しながらは疲れるものね。(注:まだ今のところ一行が緊張している様子はない。)
騎凛先生も、みんなとクレープ食べてリラックスだ〜。何がいい?」
「えーと(すでに選び中)。あ、ありがとうございます。
私は……。
あ、琳さんはどうされます? どうぞ先に。あ、皆も先に」
皆も、次々と選び中。魔王の顔が少し、青白くなった。
ノストラダムス・大預言書(のすとらだむす・だいよげんしょ)。「クレープは白玉あんこ抹茶クレープを希望するのだ」
クリームヒルト。「私はいちごクリームクレープがいいな……」
シオン。「クレープはブラックハバネロ激辛クレープを希望するじゃん!」
博士「ううむ」プリモ「えーとえーと」
魔王の財布も段々、青白くなっていった。「ええと、じゃあ最後、騎凛先生だな……?」
「ええ私決めました。
ルイーゼさんとかぶるけど、私もやっぱりチョコバナナクレープがいいな」
「う、うむ。では」
「おっと。それにこの私、ミヒャエル・ゲルデラーもまだですな。
クレープ……非常に悩ましいですな。しかしここはひとつ、うむ、」博士は流麗に述べた。「私も、チョコバナナクレープですな」
「あ、ああ。じゃあ、あとチョコクレープ二……」
「それから、更にチョコバナナクレープをもう一つですな。
プリモ殿は決めかねているようなので、ここはやはりチョコバナナクレープで」
「……チョコクレープ、三つだ」
「あぁ。待って、レアチーズと、クリームと、白玉あんこ抹茶も食べてみたいから追加」とプリモ。
「…………。レアチーズと、クリームと、白玉あんこ抹茶と、ついでにブラックハバネロ激辛も追加だ」
ミレイユはそんな魔王を見ながら、それにしても、ジークさんはなんだかんだ言いながら面倒見のいい人だよね。と思う。
こうやって、みんなの分のクレープ奢ってくれるし(もぐもぐ。と。
「……しまった、俺の分のクレープを頼むのを忘れていた」
クリームヒルトはこっそり、
「ジーク……少し食べるか?(哀れな奴。)」