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序章 〜邂逅〜
――2012年。
青年は苛立っていた。
(なぜだ。なぜ俺を認めない……っ!!)
彼は「落ちこぼれ」と言われていた。
王室に連なる由緒正しい家柄にとって、何の才能も持たない彼は一族の恥ということらしい。
オックスフォード大学首席。その学力を持ってしても、まだ自分を認めてもらうには足りないというのだ。
自室に入り、壁を強く殴りつける。
直後、轟音が響いた。窓の外、屋敷の裏手だ。
「なんだ、これは……」
そこにあったのは、銀色の巨大ロボットだ。日本人が大好きだとされる「アニメーション」とやらに、よく出てくるものである。
それが、目の前に現れた。
コックピットは開いており、人は既に降りていたようだ。
周囲を見渡すと、二人の人影があった。
一つは、少年とも少女ともとれる、金髪碧眼の子供。
もう一つは、銀色の髪をした人形のような少女。
(子供……? これに乗ってきたのか?)
そうとしか思えない。
運がいいことに、今は家族が誰もおらず、使用人数人しか屋敷にはいない。
(でかいのは使用人に任せ、この二人から事情を聞くとするか)
使用人を呼び寄せ、倒れている子供達を運び込むように指示を出す。もちろん、このことは他言無用だ。
「これは……どうしますか?」
「使っていないガレージがあったはずだ。そこへ運び込み、『絶対に開けられない』ようにしておけ」
銀色の巨大ロボットを人目につかない場所に隠すよう命じた。
これが、後に十人評議会の『総帥』となるノヴァと、『議長』として地球を裏から操ることになるエドワードの出会いだった――
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