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【蒼フロ2周年記念】ちっぱい教の野望

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【蒼フロ2周年記念】ちっぱい教の野望
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リアクション


●シャンバラ魔乳三悪女が1人 ハイナの場合


「紫翠の目利きのお陰で良い買い物が出来たでありんす。新しい晴れ着の完成が待ち遠しいでありんす」
「ふふ、自分の知識と趣味がお役に立ったようで何よりです」
「かんざしや下駄は、黒実のセンスが光っていたでありんす。わっちでは、あの鼻緒の組み合わせは思い付かなかったでありんす」
「いえいえ、わて和装の小物は見慣れておりますし、ハイナはんは和装映えしますから、わても楽しみながら合わせられましたどすぇ」
「レラージュ、2人きりのデートの途中のようですなまいでありんす」
「お気になさらないで下さい。紫翠様は和装に人一倍こだわりがございますから、ハイナ様の事も放っておけなかったのですわ」


 ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)神楽坂 紫翠(かぐらざか・しすい)伊達 黒実(だて・くろざね)は空京のショッピングモールに程近い街中にある呉服屋から出てきた。
 ハイナがすまなそうに謝ると、紫翠の横に寄り添うレラージュ・サルタガナス(れら・るなす)は嫣然と微笑み返した。

「(ウィルソンは喜んでくれてるから良いけど……言えない、アメリカナイズされた和服の着こなしに我慢できなかったからなんて……それにレラージュに丁度女物の浴衣を勧められていたので、渡りに船と言う事もありましたし)」

『ああ、紫翠様、これ試着しません?』
『女物ですよ?』


 紫翠とレラージュの遣り取りはデートに見えたようだ。
 紫翠はレラージュの買い物の付き添いに過ぎなかったが、いつも通りと言うべきか、レラージュは紫翠に女性物の浴衣を勧めていた最中で、その奥で晴れ着を独自解釈で着崩そうとしていたハイナを見つけ、声を掛けたのだった。
 一方、百合園から転入してきた、右目を眼帯で隠すミステリアスな京美人黒実は、空京でハイナを見つけ、買い物に付き合っていた。京都育ちの彼女は、和装に合わせた小物が好きなようで、紫翠が選んだ反物に合わせて小物をコーディネートしていた。

「買い物もいいがここいらで一服しないか? 少し歩くが美味い和菓子の店があるんだ。紫翠達もどうだ?」
「いいでありんすね」
「それは興味ありますわ。紫翠様共々是非ご一緒させてください」
「アリスちゃんも行くですぅ!」

 神条 和麻(しんじょう・かずま)の提案に、ハイナもレラージュもルスウェル アリス(るすうぇる・ありす)二つ返事で応じた。
 和麻は天御柱学院に留学している葦原明倫館の生徒で、ハイナとも旧知の仲だ。空京をぶらついていたところ、ミルザムとの会談を終え、黒実を伴ったハイナと会い、「今日は買い物に来たので、荷物持ちとして付き合うでありんす」と言われて無理矢理付き合わされていた。
 和装に関しては詳しくないので宣言通り荷物持ちだったが、料理研究会に入るくらい料理が趣味で、空京の美味しい店も一通りチェック済みだ。

“ぺったん”
“ぼい〜ん”

「(ア、アリスちゃんは! まだ発展途上なんですぅ!! これからなんだもん……)」

 和麻の案内でぞろぞろと連れ立って和菓子屋へ向かう。
 その途中、アリスは今まで考えてこなかった自分のちっぱい胸を見つめ、横を歩くハイナをちらり見。
 バレーボールでも詰まっているのではないかと思える程のハイナのきょぬーはしかし、歩くたびにマシュマロのように柔らかく揺れるた。
 この格差社会の現実を突き付けられて愕然とするも、大人になったら自分もあのくらいになるはず、と自分に言い聞かせ、ハイナの護衛に付いていた。
 アリスも黒実もハイナの護衛だった。

「次の目的地は和菓子屋さんのようだね。強いようだけど、食事中など、油断している時を狙えば狩れるはずだもん! 手柄を立てちまえばこっちのモンだもん! 戦いは数だもん!」

 ハイナ達の後をこっそり付けるのは、松本 恵(まつもと・めぐむ)だった。彼女の後ろにはちっぱい教とうさぎのあなの精鋭同志達が潜んでいた。
 ハイナはシャンバラ魔乳三悪女の1人だ。故に恵にも精鋭同志が与えられていた。