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第17章 南鮪大往生

 南 鮪(みなみ・まぐろ)はエリザベートにするか静香にするか迷ったが、最年少という理由でエリザベートを指名。超極レア未改造パラ実制服セーラー服を持参して、これに着替えることを要求。

「ご、ご指名ありがとうでぇすぅ〜。え、エリザベート、でぇすぅ〜。な、なにか頼んで欲しいでぇすぅ……」

 鮪は酒を、ボトルではなくグラスで大量に頼む。気化したアルコールの臭いで、飲まずとも酔いそうだ。
「さあどれでも好きなのを飲むといいんだぜ! ヒャッハー!!」
「あ、ありがとでぇすぅ〜。それじゃ、いただきます……ですぅ」
 エリザベートが途中まで蜂蜜酒のグラスを空けたのを見て、鮪が目を光らせた。

「待ちな! エリザベートは昨日こう言っていたぜ……
『私はまだ飲めませぇん。大ババ様が意地悪して、私には飲ませてくれないのですぅ……』
ってな。おまえ、エリザベートじゃねえな?」
「! ひょっとして気づいてたの!?」
「お前のようなデカいエリザベートがいるか!」
 叫ぶなり女のカツラをつかんでひっぺがす。

「ヒャッh げ、ゲェー陽子さんが何でこんな所にィ!?」

 エリザベートの身の上を案じた藍澤黎が、たまたまセーラー服で店に来ていた高木陽子を替え玉に使っていたのである。

「……鮪くん、とりあえず落ち着いて、そこに座ってもらえるカナ?」
 鮪は床に正座する。陽子は落ち着くために残りの蜂蜜酒を飲んだが、それがマズかった。

 その後、鮪は床に転がって陽子に踏まれるという高度なプレイを堪能していたが、ふと陽子を見上げた際になにか見えてしまったらしく鼻血を出して気絶、退店となった。


エリザベートの売り上げ:+2500G(15400G)
陽子の売り上げ:2500G
(※折半となりました)


第18章 バーリ・トゥード

「エリザベートとかカンナとか言っている場合ではないのじゃ!
 わらわを! 上連雀 香(かみれんじゃく・かおり)を! よろしくなのじゃっ!」
「ブォンブォン、ドルドル(ハーリー・デビットソンだ。指名頼むぜ)」

 唐突な展開だが誠のパートナーである香と、鮪のパートナー、ハーリーの競争が始まった。

 香はエリザベート、環菜、静香といった人気校長待ちの男に自分から積極的に声をかけては自分を指名させている。待つのが面倒になったパラ実の(自称)風紀委員長、田中君が香を指名した。

「ボクは風紀委員長ですから! 決してやましい気持ちではありませんよ! それにロリコンでもありませんから! とりあえず果実ジュース2人前お願いします! あとオムライス!」
「兄者、仕事しないで食う飯は美味いかのぅ?」
と無邪気に問う香。田中君は必死で
「ボクは風紀委員長ですから!」
と言っているが、それは仕事じゃない。

香の売り上げ:700G

 一方ハーリーはといえば、暇なパラ実生から適当に指名されている。
「ブォンブォン(まぁ一杯やってくれ)」
「チィーッス」
「ハーリーさん、とりあえずツァンダビールいくっしょ」
「ドルルルル、ドルンドルン(いただこう。タンクへ入れてくれ)」
 そうやって若い学生を相手に大人のバイクのシブさを伝えていたハーリーだったが、黒服から鮪の最期を伝えられ、万感胸に迫るのであった。
「ブルルルル(鮪、立派な最期だったようだな)」


ハーリーの売り上げ:1000G


 ちなみに指名数ではハーリーのほうが上だった。



第19章 血とケチャップ

 神楽坂 有栖(かぐらざか・ありす)ミルフィ・ガレット(みるふぃ・がれっと)は、シスター姿で指名を待っていた。事前の連絡どおり、吸血鬼ドロシー・プライムリー(SFL0000445)が来店してふたりを指名した。
 シスター姿といっても、有栖はロザリオのアクセサリを付けた純白のリボンカチューシャヘアバンドを付け、スカートが膝あたりまでのひらひらした感じのもので、ミルフィのほうは胸が強調され、スカートもミニという、いかにもコスプレ然とした衣装であった。

「お客さま、まずはお飲み物をご注文ください」
 ドロシーは有栖の手をとって言う。
「血を所望しようか」
 吸血鬼としての嗜みである。
 有栖もまんざらではなさそうだが、あまり刺激の強い光景を人に見せるわけにもいかないので、とりあえずヴァイシャリーの果実ジュースを人数分、ということになった。

 とりあえず有栖はキッチンに向かい、簡単な手料理を作ることにする。それまでのあいだ、ミルフィが一人で話し相手を務めることになった。
 ドロシーはあまり冒険に出ないので、ミルフィの冒険談にはどれも食いついてきた。 百合園女学院の様子について、カエル退治に行ったこと、夏の海の話、ヒラニプラで行われた関帝誕、恐ろしい闇の組織……

 そんな話をしていると、有栖が自作のオムライスを持って戻ってきた。表面にはケチャップで

 `⊂゛3 U ー

と書いてあった。
 その後もカラオケを歌ったり、シスター姿を利用しての『懺悔』ごっこをしたりしているうちにお開きの時間となるのだった。


有栖の売り上げ:1000G



第20章 コレクター

 アーサー・レイス(SFL0008030)は大婆様、もといアーデルハイトを指名していたのだが、アーデルハイトは二日酔いでこの日は休んでいた。
 というわけで、ドリームメイデン兼エリザベートとアーデルハイトの護衛であったナナ・ノルデン(なな・のるでん)ズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)にお鉢が回ってきたのである。

「お帰りなさいませ御主人様」
という挨拶ではじめ、簡単に制度の説明を終えて、注文を取る。
「ち、ちちちち、ち、ちちを吸わせて下さーい! カレー味の血ィー!」
 黒服に相談の結果、ミルクとカレーが供された。

 何かおかしな始まりではあったが、いざ会話が始まるとそれなりに楽しいものだ。アーサーの昔話などは興味深いものがあった。
 しかし厨房に向かう途中、ナナは不審な人影を見つけた。ナナは接客をズィーベンに任せて調査に当たることにした……


ズィーベンの売り上げ:1500G


 ナナはロッカールームで1人の少女を捕らえた。イルミンスールの望月 あかり(もちづき・あかり)である。
 あかりは何よりも誰よりもエリザベートが好きであった。
 エリザベートが水着に着替えて接客に行っている隙に、エリザベート愛用の衣類を拝借し、身につけ、身も心もエリザベートになりたいという、見たところ10歳の少女としては因果な願望を持っていたのである。
 さすがにこの一件を他校に知られるのは不味い、とナナは判断した。
 パラ実生を危険視していたら、身内から問題が起きてしまったのだ。

 店が閉まってから、ナナはエリザベートに事情を話した。
 エリザベートにこの事実を知らせるのは躊躇われたが、アーデルハイトがいない今は他に手がない。
 エリザベートは決して愚かではないが、まだ7歳である。この件は彼女の理解を超える部分がありすぎた。
 ふところからケータイを取り出すと、エリザベートは電話をかけた。

「もしもぉし、私ですぅ……あかりも残念なことになってしまいましたぁ……迎えをよこして欲しいのでぇす……」

 こうしてザンスカール療養所に新しいお友達が増えたのであった。