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しっぽ取り宝探しゲーム

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6.

「ハンターって、一体何人いるんでしょうぽん?」
 と、パンダの耳としっぽを装着した咲夜由宇(さくや・ゆう)は尋ねる。
「分からないこん。でも、ハンターを狩る人たちがいるこん」
 と、返すルンルン・サクナル(るんるん・さくなる)。狐の獣人であるルンルンは、本物そっくりなしっぽと耳を着けていた。
「あ、あの子たちに聞いてみるぽん」
 由宇は木の枝に動物がいるのを発見して、そちらへ声をかけた。
「宝箱はどっちにあるか分かるぽん? ……そうです、おっきい宝箱ですぽん!」
 いくつか会話を交わし、由宇はルンルンへ振り返る。
「あっちみたいぽん! 怖い人たちもいないらしいぽん」

「ここ、どこにゃ?」
 スーパーしっぽハンターから逃げることだけを考えていたヤチェルたちは、途方に暮れていた。
「ちょっとお待ちくださいわん」
 と、翔が地図を広げて現在地を探しはじめる。
「……もしかして、騙されたにゃ?」
「は?」
「だって、だって、牙竜くんはハンターにゃ。あたしたち、騙されたんじゃにゃい?」
 ヤチェルの意見に一同は何も言えなくなる。
 叶月は来た道を振り返ると、呆れたように言った。
「良い運動になったじゃねぇか」
「……にゃう」
 ヤチェルは落ち込んだ。参加するからには優勝を、と思っていたのに。
「ヤチェルん! まだ無事だったにゃ!」
 と、追いかけてきたルカルカが合流する。
「ルカちゃんまで来ちゃったにゃ」
 と、今度は迷子が増えたことに落ち込むヤチェル。
 ルカルカは構うことなく言った。
「牙竜から伝言にゃ! 前より体のラインが良くなってる、って」
「……にゃ?」
 ヤチェルが首を傾げると、ルカルカは微妙な表情を向けた。
「だから、その……太ったって事じゃにゃいかにゃ?」
「……!!」
「だ、大丈夫にゃ! ヤチェルんはそのままでも十分にゃー」
 と、慌ててヤチェルに抱きつくルカルカであった。

 落とし穴などのトラップがいくつもある道を抜けると、目の前に小さなうさぎが現れた。
「よくきたな、勇者たちよ! ボクはあくのだいまおうのこぶんだぴょん!」
 うさぎの姿をした悪魔サングレ・アスル(さんぐれ・あする)である。もちろん、耳としっぽはその分だけ増えている。
「ハンターさんですぽん?」
「そうだぴょん!」
「この先へ行きたいこん」
「ダメだぴょん! このボクをたおしてから行くがいいぴょん!」
 と、サングレは言うと、由宇たちへ若干だが尻を向けた。
「じゃあ、しっぽはとらせてもらうぽん!」
 と、由宇がしゃがみこみ、サングレの尻に着いたしっぽを引っ張る。
「うひょおー! そっちは本物ぴょーん!」
「あ、間違えちゃいましたぽん」
 と、もう一つのしっぽを抜き取る由宇。サングレが嬉しそうに悶える様子に、ルンルンはドキドキしてしまう。本物のしっぽを抜かれるのは痛いけど、でも、ちょっとだけなら……。
 そんなことを考えている間に由宇が先へ行ってしまう。慌てて追いかけると、宝箱の前に何者かが立ちはだかっていた。
「よくきたな、勇者たちよ! ワタシはあくのだいまおう『えびふりゃい』だエビ!」
 言葉通りエビフライの着ぐるみを着た真白雪白(ましろ・ゆきしろ)である。
「たからがほしいか? くっくっく、ならばワタシのしっぽを奪ってみろエビ!!」
 しかし、彼女はまだ幼女なので、まったく迫力がない。加えて、しっぽがすごく掴みやすそうだ。
「しっぽって、これですぽん?」
 と、由宇がそれをえいっと引っ張る。
「ぎゃー! 負けたエビー!! この仇は必ずうつ、覚えてろエビ!」
 宝箱を守るハンターがこれでいいのだろうか、とても疑問である。
「さあ、宝箱を開けるぽん!」
 と、意気揚々と宝箱へ手をかける由宇。

「で、結局作戦っていうのは?」
「それは、大変な事全てを主さまに任せて、楽して勝とうという作戦なのですぅ。失敗しちゃいましたがー、にゃん」
 洋介は諷嘉の答えを聞くと、がくっと項垂れた。
「全て任せるって……手も足も出なかったぞ」
 と、呆れたように呟く。諷嘉をおんぶしていた洋介は、出遭ったハンターに抵抗することもできず、破れていた。

「ハンターの数が少なかったみたいがお」
 と、大佐は手にした数本のしっぽを見つめて言う。
 他にもハンター狩りをしていた参加者がいたおかげで、思うように狩りが出来なかったのだ。