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オオカミさんにご用心

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オオカミさんにご用心
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リアクション

 レティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)と泊まりに来たリアトリス・ブルーウォーター(りあとりす・ぶるーうぉーたー)だったが、旅館の人手が足りないのを見て、バーベキューの手伝いをすることにした。
 一緒に来ていたジョヴァンナ・ダンデライオン(じょばんな・だんでらいおん)を連れて、広場に到着すると、カレンと葵の歌声が聞こえてきた。
「よーし、頑張るよ!」
「ピニュアー♪」
 リアトリスは鉄板を用意すると、手際よく火を起こし、肉を焼いていく。
 リアトリスはお肉や野菜を焼きながら、焼けたものをどんどん広場に来ていたお客さんに手渡していく。
「ミア……」
 リアトリスの足に掴まり、悲しげに鳴くジョバンナ。
「もうちょっと待ってね。サザエのつぼ焼きがもう少しで出来るから」
「ピニャ〜♪」
「ん!? えっと……なんかあっちすごいことになってるなぁ……」
 リアトリスの視線の先ではモモが肉ドロボウに襲いかかっているシーンが繰り広げられていた。
 一段落したところで、リアトリスに気付いた火焔と橙歌がやってきた。
「おいしそうな匂いがしますね」
「野菜でしたらすぐに渡せるよ」
「お願いします」
 リアトリスから受け取った野菜を頬張る火焔。
「可愛い……ですの」
 橙歌はジョバンナをじっと見つめる。
「シャー!」
 その視線に気づいたジョバンナは威嚇してしまう。
「あ、ごめんね。食べ物を渡せば……はい。これ渡してあげて」
 リアトリスは焼けたサザエのつぼ焼きを橙歌に手渡す。
 すると、ジョバンナは2本足で立ち上がり、くるっと左右に回ってから橙歌の膝の上に乗っかった。
 潤んだ瞳で見つめられ、橙歌はつぼ焼きを渡す。
 嬉しそうに食べるジョバンナを見ている橙歌からほわほわした空気が出ているのだった。


 夕方になり、部屋に戻ってきたリアトリスたち。
「おかえりなさい。疲れたんじゃ……おや、ジョバンナちゃんは眠っちゃったんだねぇ」
 そう言うと、レティシアがジョバンナを引き受ける。
「ありがとう。ちょっと温泉行ってくるね」
「いってらっしゃい」
 リアトリスは部屋についている露天風呂に向かったのだった。
 しばらくして、温泉から上がってきたリアトリス。
 オオカミの耳としっぽが生えているが普段からついているので、レティシアは気にしていない。
「早かったねぇ。もっとゆっくりしてきても良かったのに」
 リアトリスは何も返さず、ただレティシアの隣にすとんと腰を下ろした。
(なんでだろ? レティにすごく触れたい……でも、ジョバンナがいるし……)
 悶々としていると、レティシアがそっと口づけをしてきた。
「辛そうだねぇ……。露天風呂に行きましょうかねぇ」
 レティシアは抱っこしていたジョバンナをそっとお布団の中にいれてあげると、リアトリスの手を引いて部屋の露天風呂へと向かって行ったのだった。