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リアクション
「ふむっ、敵が近くにいるようだな」
ディテクトエビルを使用して進むギルベルト・アークウェイ(ぎるべると・あーくうぇい)は、微かな邪念を感じとってつぶやいた。
そんなギルベルトに東雲 いちる(しののめ・いちる)は聞いた。
「ギルさん、敵はどこですか?」
「かなり近い――」
ギルベルトはそう言って目を瞑り、精神をさらに鋭敏にしていく。
そしてその微かな邪念をハッキリ感じ取り、後ろを振り向いた。
「んっ、なにかな?」
ギルベルトが感じ取った微かな邪念を放つ者……それは仲間であるモルゲンロート・リッケングライフ(もるげんろーと・りっけんぐらいふ)だった。
ギルベルトは顔を引き攣らせる――まったく、こいつは本当によくわからん奴だ。
「ギルさん?」
と、いちるが首をかしげてギルベルトの顔をのぞき込む。
それで我に帰った彼は、ぎこちない笑みを浮かべる。
「なんでもない、ちょっとした勘違いだったようだ」
「勘違いですか……ギルさんにしては珍しいですね」
さすがに仲間を敵と間違えたとはギルベルトは言えなかった。
そんな彼は気を取り直して先を進む。
と、今度はもっとハッキリとした悪意のようなものを感じてギルベルトは足を止めた。
そして物陰からそっと様子をうかがうと、前からヴァリアントモンスターを連れた鏖殺寺院の信徒が歩いているのが見えた。
「よし、黙らせるとしようか」
それを見て、モルゲンロートがつぶやく。
だが彼のその言葉を聞いたいちるは慌ててパートナーの手を掴んだ。
「おじさま、ダメです。黙らせるとかそういうのは――」
「主殿が優しいのはわかる。だがああいう輩は即黙らせた方がいいのだ」
私にまかせておけ、モルゲンロートはそういうと物陰から飛び出した。
すると、鏖殺寺院の人間よりモンスターの方が早く敵の存在に気づいて反応を示す。
モンスターは異常に発達した牙の生える口を大きく開けてモルゲンロートに飛びかかった。
だが、深緑の槍を構えて突撃したモルゲンロートの強烈な一撃がその口の中に突き刺さり、モンスターは無惨に体を貫かれて息絶えた。
「――ふんッ!」
モンスターの体から槍を引き抜いたモルゲンロートは、間髪を入れずに鏖殺寺院へと攻撃を行う。
「ダメッ!」
と、いちるの叫び声。
その声にモルゲンロートの槍は敵の眼前で止まる。
目の前に迫った槍に恐れをなした敵は、へなへなとその場にへたり込んだ
「おじさま、もうそれくらいにしてあげて」
いちるの懇願にモルゲンロートは槍を収める。
だが、へたり込んだ鏖殺寺院へ向けた視線は鋭いままだった。
彼は敵の胸ぐらを掴むと、その体を軽々と持ち上げる。
そしてモルゲンロートは言った。
「主殿の優しさに免じて命までは取らん。だが知っていることはしゃべってもらおうか――!」
その迫力に鏖殺寺院はコクコクとうなずき、知っていることをしゃべりだす。
それを聞き終えるといちるはパートナーのエヴェレット 『多世界解釈』(えう゛ぇれっと・たせかいかいしゃく)に笑顔を浮かべてお願いをし、敵を眠らせた。
「私としては、敵に対してそんなに気を使わなくてもいい気がするけどな」
皆からシュバルツと呼ばれる『多世界解釈』は、眠ってしまった敵を見てぽつりとつぶやく。
その言葉にモルゲンロートもウンウンとうなずいた。
「おい、貴様ら。あまりいちるをいじめるな」
ギルベルトが眉をひそめてそう言う。
彼はいちるが望むならそれでいいと思っていた。
「私の味方をしてくれてありがとう、ギルさん」
そんなギルベルトの気持ちに気づいているのかいないのか、いちるはそう言って笑顔を浮かべる。
だがその顔はすぐに厳しいものへと変わった。
「牢屋の位置はわかりました。きっと怖い思いをしている人もいるでしょし、早く皆さんを助けに行きましょう」
いちるの力強い言葉に他の面々もうなずき、4人はアジトの奥へと消えて行った。