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【祓魔師のカリキュラム】一人前のエクソシストを目指す授業 5

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【祓魔師のカリキュラム】一人前のエクソシストを目指す授業 5

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第11章 休憩時間…なんてなかった

「森は通常の通信手段は無理なんだっけ?精神感応ならどうかな」
 九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)はどう通信手段を確保しようか考える。 
「それって、同じスキルを装備している、自分のパートナーだけじゃなかった?」
「じゃあ厳しいかな…」
「―…それはそうと、どうしてさっきから誰とも会わないのかな」
 ジャタの森に入ってから仲間を1人も発見しないことに、疑問を持った冬月 学人(ふゆつき・がくと)は足を止めた。
「昼休み、情報交換も終わったから。今は、休憩時間ってことだよね?」
「うん、そのはずだよ」
「もしかしたら皆、休んでるのかも…。集合場所のコテージで、キャンドルを使ってる人がいたし。暗闇の対策をしてたりとかかな」
 ただ体を休めている者もいるだろうが、捜索に備えて相談し合ったり、いろいろと準備している可能性もある。
 単独行動するつもりはなかった。
 しかしこのまま進めば、ミイラ取りがミイラになる確立が高い。
 その光景を、レイナの体を乗っ取った裏側が、ニヤニヤと眺めていた。
「おや……、2人きりのようですね…」
「―…代わったのじゃな」
「えぇ…。……こんな面白いものを、…見なければ損というもの……。悩み…苦しみ…焦り…。いろんな味が出て……、とても美味しそうです…」
 裏の者はぺろりと舌なめずりし、口元を持ち上げて邪悪な笑みを浮かべた。
「他人の不幸は…、格別なデザートですね…」
 彼女の口の中には、さぞ甘い不の味が広がっていることだろう。
 コテージの方は、ローズと学人が見当たらないと騒ぎになっている。
「あわわ…、どこへ行ってしまったのでしょう?」
 ぱたぱた走りながら結和は村の中で2人を探している。
「俺がテレパシーを送ってみる。(和輝だ。九条、今どこにいる?)」
 和輝は焦る気持ちを抑えながら、ローズにテレパシーを送った。
「(どこって、ジャタの森の中だけど。早く行方不明者を探さないと…)」
「(戻れ。正体不明の魔性に遭遇したらどうするつもりだ?)」
 戻って来いとローズの説得を試みる。
「(一応、対策は考えたけど…)」
「(まだ他の者が準備中だ。こちらはまだ出発出来ない、グレムリンのように甘い相手ではない)」
「(え…?)」
「(情報交換時の話、聞いていなかったのか?…相手は人を襲う魔性だ)」
「(うーん…)」
「ずっと考え込んで、どうしたかな?」
 ローズが和輝と会話しているのに気づかず、心配そうに顔を覗き込む。
「心配らないよ、学人。和輝からテレパシーきてるんだ」
「なんて言ってる?」
「いったん戻って来いみたいに言われてるよ」
「どうして?」
 せっかく進んだのに、なぜ戻らないといけないのか聞く。
「休憩時間を利用して、ほとんどの人が捜索の準備を始めてるんだって」
「あー…。このまま進んだら単独行動になって、危険だってことか」
「(えっとごめん。今…学人と話してたんだ)」
「(早く戻れ、九条)」
 和輝は冷静な口調を保ちつつも、なかなか2人が戻らないことに、焦りの色が混じり始めた。
「(何をそんなに焦ってるのか?)」
「(―……食われるぞ)」
「(ぇ………?)」
 その一言でローズは不安感に襲われ、ざわつく森をキョロキョロ見回す。
 木々は歌い踊るようにざざざ…と揺れた。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

長くお待たせしてしまい、申し訳ありません。

前編はガイドの通り、村か森のどちらかでの調査となり、両方希望された場合はどちらか片方のみの、描写にさせていただきました。
時間帯は休憩時間までの描写です。
いなくなった者たちや、魔性につきましては、前編では発見や目撃することはありませんでした。

後半で現れる魔性は、リアクションの通りです。

昇級称号に関しましては、次回配布させていただきます。
PCによっては今回のアクション結果も合わせて、1〜3上昇する予定です。

一部の方に、称号をお送りしました。

それではまた次回、シナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。