校長室
【ぷりかる】トラップティーパーティーへの招待状
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第三章 「招待状を見た時点でなんとなく予想はついたよね……。出来れば周囲に影響を及ぼさないように戦って欲しかったけど、中々そうもいかないか」 「こんなに料理を溢して……勿体無いですね。フライドチキンなんて爆発したみたいになってますよ……」 片づけのため道具を持って会場内に入った清泉 北都(いずみ・ほくと)とリオン・ヴォルカン(りおん・う゛ぉるかん)は荒れ放題の様子にやれやれとため息をこぼした。 「うわぁ……やっぱり派手な戦いになったみたいだね……」 「凄まじいですわね……」 続いて中に入ったミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)と和泉 真奈(いずみ・まな)も同様に声を上げた。 「すまない……もう、どうしていいのやら……」 「大丈夫ですわ、手分けして復旧させましょう」 乾いた笑いを浮かべるソフィアに、真奈が声をかける。 「よしっ! じゃあ、掃除というか、復旧工事と行こうか!」 「まずは大きな物からかな」 ミルディアと北都は軽く分担を決めるとそれぞれの取り急ぎの作業を真奈に伝える。 真奈はそれを元に必要な資材や資料の手配に動きはじめた。 「ああ、リオンは割れ物に触らないで。僕がやるから」 「たしかに、私がやると手を切りそうなので……テーブルやイスの移動を中心にやりますね」 「うん。頼むね」 「はい」 リオンは北都に指示を仰ぎつつ、真奈の用意した原状資料を元に机と椅子を並べ直していく。 「これと、あそこのやつはもうダメそうだね。あとリオンさんのほうで壊れてるものって何か見つけた?」 「ええ、あちらの彫像は完全に形が変わってしまっているようです」 「彫像!? うっわー……ほんとだ」 ミルディアとリオンはそれぞれが確認した大きな資材に関して損害状況を共有する。 「壊れた設備と装飾に近いのを商会の倉庫から持ってくるしかないね……真奈」 「ええ。今リスト化しましたので手配しますわ。完全に損傷してしまったものは外に出しておいていただいてもよろしいですか? 届き次第こっそり置き換えておきましょう」 「完全に壊れた物は思ったより少なかったんだな」 ソフィアが壊れたテーブルを持ち上げながら少し驚いたように呟く。 「細かいものかなり使い物にならなくなってるけどね……」 ミルディアが苦笑する。 北都は散乱した料理に皿、花瓶や花を使える物使えない物に選り分け、整えていった。 「北都、一通り必要そうなものは持ってきました」 「ああ、ありがとう」 リオンは運んできたごみ袋やバケツ、モップなどを壁に立てかける。 「じゃあ順番に仕上げていこうか」 「はい。この絨毯も上質な物でしょうね……」 「うん。色のついていない中性洗剤で叩くようにして目立つ汚れを落としていくしなかないかな」 「やってみます」 場所や資材に合わせて使う洗剤や用具を北都に確認しながら、リオンは手早く掃除を進めていく。 「ほらほらピカピカですよ〜」 「うん。綺麗になったねぇ」 嬉しそうに報告するリオンの頭を、北都は優しく撫でる。 「後はこの壁の穴、か」 「あ、そこを塞ぐようの部材でしたらすぐ来ると思いますよ?」 北都の言葉に、資料を確認した真奈がすぐさま状況を伝える。 「じゃあ、それが届き次第塞いで終わりだね。あ、費用はソフィアさん宛でいいよね?」 「あ、ああ……」 にっこりと確認するミルディアに、ソフィアは引きつった笑みで答えた。 「どうなることかと思ったが……助かった。ありがとう」 すべての資材の搬入も終え、見た目上問題なく原状回復できると、ソフィアが心底安心したように息をついた。 「せっかくだから少し休憩してから帰ろうか」 「そうだな」 北都の提案にソフィアが頷く。 5人は綺麗になった会場でしばしのティータイムを楽しむのだった。
▼担当マスター
花井詠巳
▼マスターコメント
こんにちは。花井です。 この度は「【ぷりかる】トラップティーパーティーへの招待状」にご参加いただきありがとうございました。 一部の方には称号を付けさせていただきました。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。