リアクション
「……」
数分前に魂剛のコクピットの中で目を覚ました唯斗とエクスは、眼前で繰り広げられていた“ドンナー”と謎の機体の剣術勝負を見守っていた。
魂剛のエネルギー残量ははほぼゼロに近い。
自分達の乗る機体が動けないのであっては見守る他にない。
そうこうしているうち、先刻、魂剛が倒された時と同じ技――『秘剣・一文字切り』が炸裂し、謎の機体も倒れた。
「もはや……これまでか……」
唯斗が呟いた時だった。
突然、魂剛のコクピットにあるスピーカーが途切れ途切れの音声を鳴らす。
『……斗……聞……る……か……? ……俺……垂……』
エネルギーが切れかかっているせいか、スピーカーの音量は小さい。
だが、唯斗とエクスにはその声に確かに聞き覚えがあった。
その声を聞いたことで希望を取り戻した唯斗は、はっきりとした声で応える。
「ああ……聞こえている!」