リアクション
同時刻 迅竜 格納庫
親友である唯斗の生存を信じ、彼の為に乗って来たと言っても過言ではない、とある機体の調整を続けていた朝霧 垂(あさぎり・しづり)。
彼女はようやく繋がった通信で唯斗の無事が確認できたことに安堵すると同時に、一気に闘志をたぎらせる。
「良かったぜ……本当に!」
一瞬、涙ぐんだように見えた垂はすぐにコクピットへと滑りこむ。
「行くんでしょ?」
垂のサブパイロットであるライゼ・エンブ(らいぜ・えんぶ)は問いかけてはいるが、返事は待たずにコクピットに入り込む。
「ああ――親友が待ってる」
そのまま機体を始動させた垂はすぐにカタパルトへと向かう。
『進路クリア。発進どうぞ』
ウィンドウに映るダリルに向けて快活な笑みを浮かべると、垂はペダルを踏み込んだ。
『たとえ進路が塞がってたってぶち抜いて行くまでだぜ! 朝霧垂、ライゼ・エンブ――いくぜぇっ!』