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リアクション
最強玉入れチームは誰の手に!?
ほのかにマタタビ臭が漂う空間になった所で第二試合が幕を開く。
「第二試合、一回戦はAブロックシードのゆかりさんとマリエッタさん率いるねこ村対にゃんこ村チームAです。速やかに準備して下さい」
柚に呼ばれ出てくる、水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)とマリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)率いるねこ村チームとにゃんこ村チームA。
白猫のねこ耳、しっぽを付けたゆかりと黒猫のねこ耳、しっぽを付けたマリエッタの作戦でマリエッタともう一人のねこ少年でにゃんこ村にちょっかいを出しに行く。
「短期決戦でいくよ! せー……」
「おっじゃましまーす!」
タイミングをずらすようにマリエッタとねこ娘が乱入して来て、今まさに投げいれようとしたねこ娘たちの周りをちょこまか動き回り始めた。
たたらを踏んだようにバランスを崩したにゃんこ村チームA。
積んでいた玉がバラバラと地面に落下し、マタタビ臭が舞う。
「今は籠に玉を入れることに集中して! もう一回行くよ、せーのっ」
落下した玉を集めると各自全ての玉を持ち、一気に投げ入れる。
―――パパン!
終了の合図が鳴り響く。
にゃんこ村の籠には全ての玉が入っており、ねこ村の籠の下には3個程の玉が残っていた。
「ゆかりさんたちねこ村の勝利! 続いてBブロックシードのねこ村チームγ対エースくんとリリアさん率いるにゃんこ村の試合です」
女性ねこ獣人たちを侍らせたエース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)が、にゃんこ村側からリリア・オーランソート(りりあ・おーらんそーと)を連れて出てくる。
向こうのねこ村からは見るからに不良のような悪っぽいねこ獣人たち、チームγが現れた。
「巫女姿の正装は猫耳尻尾つきだと言ってたじゃない!」
「ははは、対抗心かなぁ。可愛いなぁ」
「(エースのねこ耳しっぽが見れたのは良いけどねっ)」
―――パァン!
「さて、まずはこの広がったマタタビの香りをどうにかしないとね」
始まってすぐにエースは風術でにゃんこ村の周囲に漂うマタタビ臭を拡散させていく。
「数は多いけど、ひとつひとつ確実に入れていくわよ!」
リリアは使用人の統率で意識を統一させていった。
「ふははは! ここからなら、マタタビ酔いなど気にせず全部入れられるぜ!」
ねこ村から聴こえる高笑い。
その者は地獄の天使で骨の翼を生やし、空中からぽいぽいと玉を入れていた。
それを見たエースがエバーグリーンで近くにあったツタを成長させ、高笑いの卑怯者を地面に引きずり降ろす。
「空を飛ぶのはさすがにやりすぎでしょ」
「ぐぶっ」
「少しはこのまま反省してたら?」
ねこ村の中心核であった者が捕まり、勢いを削がれたねこ村。
これ幸いと、エースは高身長なのを活かして小さいねこ娘の玉を貰って籠に入れていく。
「エース、酔う前に手当てしとくわよ」
手に持つ回数が多いエースにリリアはナージングを施して、酔いが回るのを防いでいった。
そんな二人の連携により、第三試合へコマを進める。
勝敗が決まると、今までツタによって拘束していた者を解放させると、泣きながら「俺はただモテたかっただけなんだー!」と叫びながらどこかへ行ってしまった……。
「あら、まだ恋人が出来ないと決まった訳ではないハズですが……。気を取り直して、三回戦はノーンさんにゃんこ村対夢悠くんねこ村の試合です。準備は良いですか?」
―――パァン!
「みんな! まだまだ頑張れるよね?」
「もちろんだっ」
「この程度のマタタビ臭なんでどうってことないぜ」
気合十分の夢悠チーム。
マタタビ酔いに陥っている者は誰も居ない。
「ちょっとずつマタタビの匂いが強くなってきてるみたいだけど、みんな大丈夫だよね?」
「うふふ…だいじょうぶだにゃ〜」
「この子はちょっとダメそうね。ほら、手にしてるマタタビ玉貸して」
マタタビ酔いでふらついてるメンバーが一人出てきているノーンチーム。
リーダーシップが強い子が、玉を受け取り籠に投げていく。
「向こうは脱落者が出てるよ! このままみんなで勝ちに行こうね!!」
夢悠の励ましもあって先に籠に全て入れ終える事ができたねこ村が、同じねこ村のゆかりたちと戦う事になった。