リアクション
最強玉入れ大会もついに決勝戦まで行きついた。
ねこ村たちは夢悠たちのチームを応援し、にゃんこ村たちはエースたちのチームを応援とお互いにボルテージは最高潮まで上がっている。
「ついに決勝戦となりました! 今年の最強玉入れ使いチームが決定されます。みなさん、応援の方も気合十分ですか?」
「「おおーーーー!!」」
「それでは、よーい」
―――パァン!
「これで泣いても笑っても最後だよ! でも、どうせなら……笑って終わりたいよね?」
夢悠が鼓舞し、応援側も玉入れ参加者も一丸となって勝ちに向かっていく。
「さ、さっきと同じように小さい子は俺に玉をちょうだい?」
「ううん、決勝まで来たんだもん。ここはアタシが自分でちゃんと入れるよ」
「そっか。でも、持つだけでも酔っちゃうし、二個は俺が投げるよ」
押しつけでも無理矢理でもなく、さり気無く玉を貰ってエースは軽いジャンプと共に玉を投げていく。
◇ ◇ ◇
お互い持ち玉も残り僅かになった時、ついに均衡が崩れる。
「う……すまな、い……これ以上は投げられ」
ねこ村の一人がマタタビ酔いを発症した。
「しっかりしっかり! 頑張ろう!」
そんな彼に夢悠は、相手の両肩を優しく掴み激励と共に酔いから立ち直らせようとする。
「う……ここで寝たらネコミミのお嬢さんの約束が」
手に持つ回数が多かったエースにも、マタタビ酔いの魔の手が襲いかかる。
不寝番でなんとか耐える状態で、とても投げられる状態ではない。
攻撃の要であるエースが酔ってしまい、にゃんこ村チームに揺らぎが生じる。
「高身長がいなくても勝負は最後まで分からないよ! 向こうだってマタタビ酔いの人がいるんだし、まだ勝てる要因は残ってるわ!!」
リリアの励ましで弱気を吹き飛ばし、残りの玉を入れていくにゃんこ村チーム。
―――パパン!
「にゃんこ村が先に玉を入れ終わりました! よって優勝はにゃんこ村です!!!」
手当てに時間を割くよりも玉を入れることを優先したのが功を奏し、にゃんこ村が勝利を収めた。
「うわぁぁぁぁん! 負けちゃったよー!!!」
今まで気力で耐えてきた夢悠だったが、ついにマタタビ酔いを発症し、泣きながらねこ村の人たち男女構わず抱きつきまわってみんなに慰めてもらうのだった。