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「どうやらここが、ソリオン・グレドールの地下研究施設みたいだ」
 そのフロアへ降り立った発掘調査スタッフは、ベッドの上でミイラ化したソリオン・グレドール本人との面会を果たす事ができた。
 彼女からは未知のウィルス等が検出される事もなく、とても綺麗な状態が保たれていたのだ。
 キャセルとヅェオールにソリオンの事を聞いてみたところ、彼女はシャンバラ人の享年22歳。
 身長155センチ。37キロ。虚弱で酒豪。寝付きが悪くて寝起きが最悪だったという。
 言葉づかいも粗暴で、口汚い事が多かったという。それを研究肌の賜物と賞する者もいれば、神経質がこじれただけだと距離をおく者もいたとか。
 日暮れをメドに上階での仕事を切り上げるが、そこから夜更け過ぎまではこの地下研究施設へ閉じこもるなどして、酒に漬りながら研究を続けていたという。
 ドラゴンにまつわる研究はすべて独学であるため、所属は波羅蜜多実業高等学校。
 21歳で地球人の夫であるマーチンと結婚。同年にひとり娘のエリーシャを授かる。
 娘の養育は夫とヅェオールが担当。キャセルは見かけによらず大剣士が本職なので、武芸を教えていたという。
 キャセルの口汚さは、ソリオンのそれに感化されたという者もいたそうだが、本人は素だと言い張っている。

 ダリル・ガイザックの提案を受け入れたドジック・カイゼルハンドは、自前の通信装置を用いてヴァイシャリーへと移り住んだマーチン・グレドールとエリーシャ・グレドールを探し出す事に成功する。

 ソリオン・グレドールの亡骸は後日、マーチンとエリーシャによって手厚く埋葬される事になった。
 ヅェオールとキャセルは再び、マーチンの下で仕える事になったのである。

 ドジックは新たな発掘現場を求め、ひとり旅立っていった。



▼△▼△▼△▼


 ソリオンの亡骸を地上へ運び出した日のこと。
 担架に付き添ったマーチンが、オルゴールの木箱を開けた。
 それは発掘現場より出土したものであるが、過去にマーチンがソリオンへ贈ったプレゼントであった。
 エリーシャが生まれると、ソリオンはそのオルゴールの調べを幾度となく聞かせていたのだという。
 すっかり耳に馴染んだオルゴールの調べがシャンバラの荒野へと響き渡ると、アトラスの傷痕よりドラゴンが一斉に舞い降りてきて、ソリオン・グレドールの死を尊んだという――。



 おわり

担当マスターより

▼担当マスター

剣 祐名

▼マスターコメント

 こんにちは、剣 祐名です。

 冒険「ドラスティック・掘る掘る」のリアクション・テキストをお届けいたします。

 公開が大幅に遅れ、たいへん申し訳ございませんでした。
 ご意見やご感想がございましたら、ご遠慮なくお寄せください。

 ご参加いただいた皆さまには、厚く御礼を申し上げます。

 なお、リアクション中において「あらかじめお客様が作成されたLCを遺跡より発掘したことにして、それを回収する」というエピソードを希望された方がいらっしゃいましたので、そのまま反映させていただきました。

 今後のシナリオにおいて優遇されるなどの特典は一切ございませんが、この場をお借りして念のため公にご報告を申し上げます。

 ありがとうございました。