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夏最後の一日

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夏最後の一日

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■夏最後の大騒ぎな一日


 朝、イルミンスール。

「今日は夏最後の日でありますな」
 葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)はぶらぶらと今日一日暇潰し出来る何かは無いかと歩き回っていた。
 その時
「むむ、発見であります!」
 ピキーンと吹雪の目が煌めいた。
 その先にいるのは
「ロズもいなくなったし、買い物が終わったら」
「遊ぶぞ!」
 羽を伸ばしまくる双子の兄ヒスミ・ロズフェル(ひすみ・ろずふぇる)と弟キスミ・ロズフェル(きすみ・ろずふぇる)であった。魔法薬の素材を購入するために街に来た所、先程ロズは顔見知りと共にどこかに行ったのだ。
「今日一日予定はこれで埋まったでありますよ!」
 そう言うやいなや『疾風迅雷』で素速く双子の背後に回り歴戦の段ボールを被った。
「ふふふ、今日も楽しく遊んで貰うでありますよ」
 段ボールの中の吹雪はニヤリと口元を歪めた。今日は一日双子を追尾監視をし悪さをしようとするのを見掛けたら細工をし双子を巻き込んだり意図しない効果を発揮させようと考えていた。
「あっちの店に行くか」
「おう」
 まさか謎の段ボールに追尾されていると知らない双子は楽しそうに用事を済ませに行った。
「……行動開始であります!」
 吹雪は『行動予測』で双子の行動を予測し、買い物であちこちの店に入店する彼らを窓や天井から彼らにばれないよう行動する。ただし、双子以外にははっきりと目に付くも誰も声をかけなかった。いや、段ボールから漏れるただならぬオーラにかけられなかった。
「ふふふ、まさかずっと監視されているとは思うまいであります」
 吹雪は熟練の仕置き人の貫禄を見せながら微笑ましげに双子を見守っていた。
 この後、双子の追尾により公園や幼稚園や百合園女子学院にも行く事に。その度に活躍していた。