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【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル

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33)騎沙良 詩穂(きさら・しほ)

騎沙良 詩穂(きさら・しほ)は、
パートナーの
清風 青白磁(せいふう・せいびゃくじ)
セルフィーナ・クロスフィールド(せるふぃーな・くろすふぃーるど)
クトゥルフ崇拝の書・ルルイエテキスト(くとぅるふすうはいのしょ・るるいえてきすと)が、
観覧席で見守る中、
「トッドの部屋」へやってきた。

【イベカ2021】 秋のSSシナリオ

画面にアイシャ・シュヴァーラ(あいしゃ・しゅう゛ぁーら)と詩穂のツーショットが映し出される。

「詩穂さんは、アイドルとしてだけでなく、
ロイヤルガードとしてもご活躍なのですよね」
「アイドルとしての活動ですか?
気が付いたらいつの間にか、
モリミズ何とかさんという人に
キャラクエで秋葉原四十八星華のリーダーにされていたんですよー」
「詩穂さん、声がすてきね」
「えへへ、ありがとうございます」
「アイシャ様への思いを、歌にして伝えてくださらないかしら?」
生放送での突然のリクエストだが、
詩穂は、にっこり微笑んだ。
「生歌(幸せの歌)でいいんですか?
アコースティックギターの準備をお願いします」

スタジオにギターが準備される。

詩穂は、遠い場所にいるアイシャのことを思い、歌い始めた。

ふたり並んで歩く帰り道
いつもあなたから
手を握ってくれるね

あたしの左手から全身へと
ぬくもり いとしさ しあわせ

いつもちゃんと伝えられない
あたしの想いを いま

こんなにも長い間
一緒にいるのに
この感覚 慣れない
目線を足元へ落として
小さな声で つぶやいた
ねぇ、あいしてる。

別れ際 いつも
寂しさ隠すけど
あなたは気付いているね

ぎゅっと強く抱きしめられて
ぬくもり いとしさ しあわせ

あなたの笑顔 閉じ込めたくて 
心のシャッターを何度も押した 

一緒にいられることが
当たり前じゃない
いつかは訪れる悲しみ
それまでにあたしたちは
どれだけ愛し合えるだろう

さっきも言ったけど
聞こえてなかったかな

名前を呼ばれるだけで
自分の名前を好きになれた

赤く染まる夕日が
ふたりを照らした
明日も一緒 明後日も一緒
変わらぬ愛を
顔近づけて ささやいた
ねぇ、あいしてる。


バラードが、スタジオに響いた。
聴衆は、胸に温かいものを覚え、
詩穂の歌に聞き入った。

「ありがとうございました!」
トッドさんの拍手で、聴衆は我に返ったように、いっせいに拍手を始めた。
「こちらこそ、ありがとうございました」
詩穂が、笑顔を返した。

「では、質問させていただきますね。
あなたの大切な方はどなたですか?
その方について、そして、どう思っていらっしゃるか、
なるべく具体的に教えてくださらない?」
「アイシャちゃんです。
普段の呼び方のほうが素直に答えられるような気がするの」
アイシャ・シュヴァーラ(あいしゃ・しゅう゛ぁーら)の大切な人として。
詩穂は答えた。

「1人の女の子として見ています。
笑顔も涙も、プライベートルームで詩穂だけに見せてくれる全部が大好きです」

「女王の私室ってなんじゃい?」
「青白磁様は男性ですから
陛下のプライベートルームには立ち入れないのです。
最も身近な危険から女王をお守りするためですわ」
観覧席で青白磁に問われ、
セルフィーナが答える。
「わたくしは詩穂様が陛下に招かれたのに付き添って
お茶を入れたり身の回りのお世話程度ですが、
公務室と違ってプライベートはとても女の子らしいお部屋でした」
「なるほどのう。アイシャ女王も詩穂と同じ年頃の、普通の女の子じゃけえのう」

「もうアイシャちゃんは詩穂と初めて出会った頃の、
護られてばかりの女の子じゃありません。
アイシャちゃんが護りたいもの、同じものを一緒に護って行きたい」
詩穂が、決意を宣言する。

「強い気持ちをお持ちなのね。
では、
国頭 武尊さんからの質問です。

異種族との恋愛や結婚について、
「地球出身の出演者全員」にどう考えているか答えて貰いたい

ということです」

「あ、たけるさんですね」
親しい相手からの質問に、詩穂が笑みを浮かべる。

「アイシャちゃんと初めて出会った時、彼女はフマナで助けを求めている少女でした。
帝国から護っているうちに気が付いたらいつも一緒にいて、
異種族なのに、同性なのに、自然と好きになっていました」
「相手を想う気持ちが、一番大切、ということね」
トッドさんに、詩穂が深くうなずいた。

「では、
あなたの将来の目標はなんですか?
それに向けて、今、どのような努力をされていらっしゃいますか?
まだはっきりしない、漠然としたことでもかまいません」

「近い将来か遠い将来かわかりませんが……。
パラミタの崩壊を遅らせているために
今も1人戦っているアイシャちゃんと再び会えたとき、隣に立てるに相応しい自分であることです」
遠くに呼びかけるように詩穂が続けた。
「泣いていても、笑っていても、平等に時間は過ぎていくから、
……だから今は一生懸命目の前で困っている人たちを助けたい。
誰よりも平和を願うアイシャちゃんだから、
心ある者全てを守るため、代わりに剣になるよ、楯にもなるよ、
アイシャちゃんが羽ばたけずにいるなら翼にもなるよ……」

「例えアイシャちゃんが詩穂を愛する人として選ばなくとも、祝福できる気持ちを持ちたいです」
詩穂は、胸のブローチ【アイシャの騎士】を握りしめ、アリージャンスで決意を新たにする。
このブローチは、アイシャにクリスマスプレゼントとして贈られた宝物だ。

アイシャに仕える者として、アイシャの大切な人として。
それが、詩穂の、全世界に向けた、メッセージであった。