校長室
【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル
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45)ディートハルト・ゾルガー(でぃーとはると・ぞるがー) 伊礼 悠(いらい・ゆう)の出演依頼に、 ディートハルト・ゾルガー(でぃーとはると・ぞるがー)は、付き添う形で出ることになったのだが。 「ようこそいらっしゃいました」 トッドさんが笑みを浮かべた。 「よ、よろしくお願いします!」 「どうぞよろしく」 悠が慌ててお辞儀をし、ディートハルトが会釈する。 (あああああ、緊張しちゃダメー!) 恥ずかしさや緊張から、悠は掌が汗ばむのを感じていた。 「あなたの将来の目標はなんですか? それに向けて、今、どのような努力をされていらっしゃいますか? まだはっきりしない、漠然としたことでもかまいません」 「うーんと……自分でも、まだハッキリとは決まってなくて……。 まだまだいろいろな部分で不足してるな、って実感する毎日で。 でも……これから目標を見つけていく事が、今の目標なのかもしれないですね」 「そうね。お若いのだから、いろいろなことを経験するのがいいと思うわ」 「はい」 優しい笑みを浮かべたトッドさんに、少しずつ、悠の緊張はやわらいでいった。 「では、アキラ・セイルーンさんの質問です。 「これまでの活動を振り返り、一番印象に残っている出来事は?」」 「パラミタに来てから本当にいろいろとありましたけれど……。 パラミタに来る事になった時に、 人見知りで、いろんな事に物怖じしていた自分を変えよう、って思ってて。 それで、パラミタで出来た友人に誘われて パラミタチャンピオンシップのヒラニプラGPに参加して……」 「学生の方が開催された、レースのイベントね」 「はい、そうです。 それが印象に残ってるかな……。 本当に色んな経験が出来たので」 「お友達と仲良くなれるきっかけ、というのは、とてもうれしいものよね」 悠に、トッドさんがうなずいた。 「では、次の質問ね。 あなたの大切な方はどなたですか? その方について、そして、どう思っていらっしゃるか、 なるべく具体的に教えてくださらない?」 「大切な人……えっと……」 悠がディートハルトに一瞬、視線を送るも、 わたわたしてうつむいてしまう。 「いやっ、あのっ、えっと…… パートナーも、友人も、皆大切だと思ってます…… ぐ、具体的には……えっと……その……」 レースのハンカチを握りしめ、悠は真っ赤になったまま顔を上げられない。 静かな沈黙の後。 基本的には悠を見守っていた、 ディートハルトが口を開いた。 「私の大切な人は、今隣にいる、悠だ」 「ディ、ディートさん!?」 驚いたように、悠が振り返る。 「まあ!」 トッドさんが目を輝かせる。 「ちょうどお写真をご用意したのよ」 「え、写真!?」 悠がぽかんとしていると。 commune with you 「昨年の結婚式のお写真ですよね? ディートハルトさんは、 パートナーの悠さんとは特別なご関係だと思いますが、 詳しくお聞かせいただけないかしら?」 「け、結婚って……」 ディートハルトと目があい、悠は、またしても真っ赤になってうつむく。 「これは、結婚式ではなく、 結婚衣装のモデルになっただけだ」 ディートハルトが、冷静に伝える。 「まあ、そうでしたの?」 トッドさんが残念そうに言い、 悠は、脱力したように息を吐いた。 「悠のことは、先ほど言ったように、大切に思っている。 彼女は、とても素晴らしい人だ。 悩み、うつむいてしまうこともあるが、 それでも前に進み続けようとする」 「え、ディートさん……」 「そんな彼女を、私は自分のすべてをかけて守りたいと思っている」 頬を赤らめた悠はディートハルトを見つめた。 「特別な関係、というのは、特に誤りではない。 私はこの身が果てるまで、彼女の守護者であると、決意しているのだから」 「まあ、それはすばらしいことね!」 トッドさんが言った。 一方、悠は、ディートハルトの発言の意味を必死にとらえようとしていた。 (えっと、ディートさんと私は特別っていうのは、 パートナーだし……。 それに、もちろん、大切な人……でも、それって……) そして、悠が気づいた時には、エンディング曲が流れていた。